21
→20
『だって・・・やだっ、あっち向いてよ・・・』
『はいはい、ジタバタすんなって。
生理現象だからそんなに恥ずかしがらなくても大丈夫。』
ううっ、先生は大丈夫でもオレは違うの!
熱い耳に寄せられた唇が、からかうようにフーッと細い息を吐く。
ますます逃げ腰になった身体を捕まえてカワイイなって笑うけど、オレを恥ずかしくさせてる張本人はあなただからね?
『せんせ、まっ・・・や、せめて電気・・・』
『却下。見えないと色々困るだろ。』
こ、困るって誰が?どおして?
往生際悪く照明のスイッチに手を伸ばそうとしたところを抱きあげられて、時間切れとばかりに軽々ベッドの上まで運ばれた。
『なぁ、俺に任せるのそんなに不安?優しくしたいからマジであんまり暴れるなよ。』
『・・・暴れてるつもり、ない・・・もん。』
そっと頬を包まれて、降りてきた重なるだけのキスを受けとめる。
まだ全然慣れないけど、促されるまま素直に口を開いたら先生が微笑んでくれた気がして嬉しくなった。
『雅紀・・・腕、俺の背中に回せるか?』
わっ、また雅紀って呼んでくれた。
言われた通り、覆いかぶさる先生の肩に、おそるおそる手の平を置いてみる。
何度か軽く啄まれ、舌がそろりと入りこみ、探るように浅く深く出入りして・・・
『んっ・・・?えっ・・・あの、せんせ・・・?』
互い違いになった足のあいだ。
太ももあたりに触れた先生の硬さにふっと気づき、心臓がどくんと飛び跳ねた。
面白半分で焦らされてるんだと思ってた。
先生はオトナだから余裕なんだって・・・
オレにとってはこの状況自体が奇跡だから、それでも別に構わなかったけど。
でも、ちがうの?
『先生の・・・苦しそ・・・』
『そりゃあ、そこそこ我慢してるからな。』
どうしよう・・・
それならめちゃくちゃ嬉しいかも・・・
いっぱいいっぱいなオレは自分のことしか考えてなかったけどもしかして先生も、
『あの・・・それ・・・キス、したせい?』
『なんだよ今更。それ以外に何かある?』
欲 情 して、くれてたんだ。
つづく