「海のふた」 | 物語の庭

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カフェと図書室、わたしの人生。

最近読んだ本です。
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「海のふた」
よしもとばなな 著
中公文庫


ばななさん。

10歳の時に「TUGUMI」を読んで以来、ばななさんはわたしの憧れの作家さん。

あれが、初めての「純文学」との出会いだったんだなぁー、
と思います。


このお話は、
ふるさとの町に帰ってきて、小さなかき氷屋さんを始める女の子、まりが主人公。

まりのふるさとは海も山も近く、夏は観光客でにぎわう町、でも今はさびれてしまって…って、
あ、ここはもしや「TUGUMI」の舞台となったあの町の、現在の姿なのだろうか?と思いながら読みました。


まりは、
大切な人を亡くしたばかりのはじめちゃんという女の子と出会い、
かき氷屋を手伝ってもらいながら、町をあちこち案内して一夏を過ごします。

「それは私たちの出会いの夏、一度しかなくもう二度と戻ることはない夏。」

こんなばななさんの文章、やっぱり好き。


さびれていくふるさと、失われていく自然や、醜い人のこころに触れてしまった時の切ない、さびしい感じ。
そういうものはあるけど、
それでも、
キレイなもの、素敵なものはたくさんあってそれを大事にしながら生きていく、
そういうメッセージが、短いこのお話にぎゅっと込められていて、
宝物をいただいた感じがしましたニコニコ



余談ですが、
この本、新聞に映画化の記事が出ていたので急に読みたくなって買いに行ったんですよ。

そしたらまぁ、どこの本屋も置いてないのえっ

2006年の本ですからね~汗
映画化っていっても単館上映ですしね~ガーン

でも読みたい、今すぐ読みたい!
Amazonじゃ間に合わん!てなって。

で、行ったんですよ。絶対あそこならあるって確信を持って。
スタンダードブックストアー!キラキラ
最初から行けばよかったf^_^;

ここは「ベストセラーは置いてません」て本屋さんですから。
わたしみたいなん(?)のツボをばっちりおさえてらっしゃるんです音譜


こういう個性的なラインナップの本屋さんがもっと増えたらいいのになぁ~星
て、お話でした。


いまの季節にオススメの本です音譜
興味のわいた方、ばななさん好きの方はぜひ読んでみてください。

それではまた。