第1話はこちら↓
水色の幼稚園服を着たサトシが、雨の中で泣いている。私は、駆け寄って抱きしめた。
「こうすれば、あったかいでしょ」
…あったかい…背中が…あったかい…背中?
パチンと目を開けた。ふーっと息を吐いて、瞳だけを動かす。
ああ、夢か。
薄暗がりの中、焚き火がパチパチと音を立てている。
火の向こうに、私の部屋着が広げてあるのが見えた。意識がはっきりしてくると、私は下着姿で横を向き、背後から誰かに抱かれるようにして寝ていることに震え上がった。顔は見えないけれど、枕にしているこの腕は、明らかに男性の腕。
これは誰?どういうこと?
私は、体に掛けられた着物を掴んで胸の前で握りしめると、恐る恐る振り向いた。
つづく