昔むかし あるところに 小さなねこがいました。
宿敵の犬ならともかく、弱者のねずみにさえバカにされる、弱いねこです。
ある晩、怖いばけねこの話をきいて、自分もばけねこになりたい、と思います。
そうすれば、もうだれからもバカにされないぞ。
どうしたらばけねこになるか、墓場に行って、ばけねこの親分に聞いてみよう。
しかし墓場にいたのは、ゆうれいさん。
足をなくして泣いています。
本当は、幽霊には足があるんですって。
でも俗世で、幽霊には足がない、ということになっているので、足を冥土の入り口に立てかけて、でかける。
幽霊の足は、取り外しが可能なんですね?
その足を盗まれて、泣いているというわけ。
足をさがすと、傘ばけが履いていました。
唐傘の下から、足が3本出ているので、ばれちゃった。
ねこは傘ばけに跳びかかり、足を取り返すと、ゆうれいさんに渡しました。
そのお礼に、ばけねこの親分に、ばけねこのなり方を教えてもらうのですが。
傘ばけに果敢に飛びかかったねこは、もう弱虫なんかじゃないと思いますよ。