皆様にはなじみのない放射性物質トリチウムが危険性が高く、破壊的であり、放射性物質のワーストNo.1であることをまずお伝えしておきます。
欧州放射線リスク委員会(ECRR)の科学委員長クリス・バズビー博士は、来日中の記者会見で、水の中には、日本では、測定自体していないトリチウムは、おそらく入っているとコメントした。
1960年代、アメリカやイギリスは、南太平洋で水爆実験を繰り返した。その水素爆弾は、核兵器の一種で、水素及び重水素や三重水素の核融合反応を利用した爆弾である。詳しくはアメリカやイギリスでは、極秘事項になっている。
トリチウムは別名、三重水素とも呼ばれ、水素爆弾の主原料でもある。
特徴は、水素の放射性同位体であり、水に溶けやすく、半減期は約12年。弱いβ線を出して崩壊する核種である。
放射性同位体の中でたも、危険性が高く、破壊的であり、放射性同位体のワーストNo.1である理由は、水素結合しているDNA等を直接被曝することから、かなり破壊的、破滅的と言える。
さらに放射性物質でありながら、水素が元素転換してヘリウムに置き換わる点も見逃せない。この一連の流れによって、さらに破壊力がますと考えられる。
ある意味プルトニウム以上に怖い核種と言える。
生物の基本構造であるDNA、RNA、蛋白質、酵素を構成する巨大分子は、水素結合に依存しており、水素結合は、酵素を橋渡し支え、DNAの螺旋構造を一つにまとめあげている。
水素結合を構成する水素の放射性同位体トリチウムが、β崩壊して、ヘリウムに元素転換する。つまり放射性崩壊過程で、別の原子に変化してしまうのである。
トリチウム原子が不活性で、化学結合を担えないヘリウム原子への突然の崩壊し全く別の原子になることで、巨大分子の機能や通常のプロセスに対して、壊滅的な影響を与える可能性あるのである。
だから、元素転換を起こす水素の放射性同位体であるトリチウム(三重水素)は、危険度が他の放射性同位体と別次元の破壊力を持つと考えられる。
ワーストNo.1と言える理由は、遺伝子を直接被曝するのとともに、水素がヘリウムに元素転換し、生物の基本構造である水素結合を、全く別のものにしてしまう放射性同位体という独特の特徴からきている。
このトリチウムの元素転換などの分野の領域は、十分に研究や関心が払われていなく、生物システムに対する元素転換によるリスク評価を確立するレベルには、今現在は達していないのが大きな課題である。まだまだ多くの研究が必要とされている。