「だいすき」 | 雪うさぎ

雪うさぎ

 子供のときから、作文とか読書感想文は苦手で^^。
 つたないながらも、少女漫画と少女小説の紹介をして
いきます。

著:河内実加    FCちゃお



 「弥生!」連載時は、この作品くらいしか

読んでませんでしたが、今読むと独自の作

風で、面白い作品を描く作家さんでした^^。


注)結構、ネタバレ。


 冒頭の・・・・

 「大好き、千秋ちゃん」

 めぐみの口癖。

 「わたしたち、太古の海の 

  原子と分子の頃から

  赤い糸で結ばれてたのよ」


 を、見たとき、「え?百合漫画?」と思うた

けど、「千秋」(男・主人公)だった。

 登場キャラが、めぐみ(女)、なぎさ(女)、

操(女)、山崎君(男・名前はわからず;も

ー考えるのめんどくなったのかな?)で、

「どっちの性別にもとれる名前ばかりやね」

と思うたら、こーいうストーリーやったのかw


 千秋とめぐみは、付き合い始めて3年。

 なんか、日常と化して、恋人のめぐみをつい、

ぞんざいに扱ってしまう千秋。


 そんなおり、雨の中、4時間まちぼうけを

くらわされた千秋は、めぐみを責める。

 

 気まずいまま、雨の中にいたため、高熱を

だして、倒れる千秋。


 気づくと、見知らぬ、女の子らしい部屋や

った。

 母:「気づいたわね。」

 千秋:「ここ、どこ?。というか、何?この

     女の子っぽい部屋は?!」

 母:「何言ってるの?あなたの部屋よ。

    って、あなた、昔から男の子だったっけ?」

 千秋:「え?」


 その世界は、30歳以下の人間の性別が、

入れ替わっているパラレルワールドだった。

 しかも、この世界で、女やった自分は、元の

自分の世界に行ってるらしい。


 そこで、男の子のめぐみや、なぎさ、姉(兄^^)

と出会い・・・・・。


 あのとき、めぐみを責めたけど、今までの自分

が、どんなにわがままで、いい加減やったか?

を気づかされる。


  冒頭の女のめぐみの語る「原子と分子」の話

や、別世界で男のめぐみが語る「ゾウリムシムシ」

の話とかを聞き、

 「ああ。このめぐみは、男だけど、魂は、あのめぐ

みなんだ・・・」

 恋愛やけにとらわれずに、”その人本人”を大事に

する心を持とうと思う、千秋。


 ラスト、自分の世界に戻るときに、この世界に本

来いた、女の千秋とすれ違い

 「これからは、大事にするわ」

 「俺も、大事にするよ」


 ・・・・なんか、読みきり(を軽視しとるわけではあり

ませんが^^)にしとくには、もったいないって思う、

奥深い作品です。



「だいすき(河内実加傑作集2)」 表題作

  FC 1992年8月20日第1刷に収録。