「千姫調スプリングタイム」「聖者たちのてっぺん」 | 雪うさぎ

雪うさぎ

 子供のときから、作文とか読書感想文は苦手で^^。
 つたないながらも、少女漫画と少女小説の紹介をして
いきます。

著:渡辺多恵子  FC別コミ

「千姫調スプリングタイム」
  別コミ昭和55年3月号に掲載

 名前に関しては戸籍法第50条、同施行規則第60条
を参照やけど、これ初めて読んだときには「姫」で”こ”
と読むのかー?と少し驚いたというかときめいたw作品。
 ま、主人公の名前はともかく・・・・

 ヒロイン千姫ちゃんをとりまく二人の主人公・小野君
とゆいちゃん(?・・・どっちかっていうとゆいちゃん?)
のお話です。

 ゆいちゃん曰く・・

 千姫ちゃんステキだもの
 みんな気づかないけど千姫ちゃんくらいきれいな人って
めったにいないわ。
 その上 強くて やさしくて・・・

 今でいえば百合になるのでしょうか・・・

 ですがこの時代に”女”をめぐる男女の戦い(?戦って
はいませんが)の短編を描けるマルコさんがすばらしいで
す。

 コメディちっくな作品ながら、少し切なくなる作品。



「聖者たちのてっぺん」
 別コミ昭和55年11月号に掲載

 同じ”マルコのプリズムシリーズ2”に収録されている
もの。

 あ。ちなみに”マルコ”とは渡辺多恵子さんのニックネー
ムらしいです。

 こちらは、女性キャラは登場せず・・・オトコ同士の友情?
を描いた・・・もの・・・・でもないねw。

 大企業の御曹司である純也が・・まあ、思春期の青年にあり
がちな「親の決めたレールにのってたまるか!俺は俺の道を
歩むんだ!」と反抗期のお話・・・。

 家をでて中産階級の親友・一成(親の転勤で一人くらし・・
生活費はバイトや節約している)がすむボロアパートにすむ
ことになる。

 そこで、色々”庶民”の節約術や”お金を稼ぐこと”がい
かに大変か?をしることになる・・・がお話のメインはそっち
ではなく・・・そのボロアパートに住む貧乏やけど夢見る個性
豊かな面々。

 彼らとふれあい・・・純也も人の営みの面白さというか、
色んな状況で色んな生活があることを知る。

 最終的には父と息子の情のお話なんやけどね。
 
 その面でも秀逸な短編です。

 「この本によると聖者と狂人とは同義なんだと」
 「へー?」



「ぼくたちの空色~マルコのプリズムシリーズ2」に収録
  昭和59年3月20日初版第1刷発行