囚人のジレンマについて考える | Bokensdorfのブログ

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国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

何故か分かりませんが、ここのところ毎日アクセスが1000を越えています。

ドイツ関係のページに集中している。。。


さて、『囚人のジレンマ』について書いて欲しいというリクエストがあったような気がするので書く事にしました。
これは経済学の分野の話題だそうです。


どういう話しなのか、調べましたが、こういう事です。


一緒に犯罪を犯した二人が警察につかまり、
別々に尋問されることになった。

そのとき、二人とも次のような条件が警察から言い渡される。

(1)おまえが白状して、もう一人が黙秘したらお前は無罪、もう一人は牢屋に10年。
(2)おまえが黙秘して、もう一人も黙秘したら、二人とも牢屋に2年。
(3)おまえが白状して、もう一人も白状したら、二人とも牢屋に5年。


これを図示したものがあちこちにあるが、分かりにくい。


こうしたらどうだろう。

どうするか | どうなるか
私  相方 | 私  相方
------------------------------
黙秘 黙秘 | 2年 2年
黙秘 白状 | 10年 無罪
白状 黙秘 | 無罪 10年
白状 白状 | 5年 5年
------------------------------


これを解説すると、こういうことだ。

(1)自分が黙秘すると、よくて2年、悪いと10年になる。
(2)自分が白状すると、よくて無罪、悪いと5年になる。


「囚人のジレンマ」の意味は、
二人にとってもっとも軽く済むのは

(二人とも無罪ということは有り得ないので)

二人とも黙秘して2年牢屋に入る事なのに、
(1)と(2)を比較して(2)を選んでしまう=つまり白状する方を選択する


ということらしい。



これがなぜ経済学の問題かというと、
全体の利益を考えると最適解があるのに
自分の利益を基準にすると全体にとって最適ではないものを選んでしまうから

ということらしい。


例はいろいろある。

■ 世界各国の経済と平和のためには軍事力は全部の国が廃止したほうが良いのに、自分の国の防衛を考えるとそれができない

■ 企業は環境保護に資金を使った方が世界の為なのに、自分だけそうするとお金が減るのでそうしたくない

■ 生産過剰になると値崩れするのでみんなが生産調整したほうが良いのに、自分だけすると収入が減るのでしたくない

■ 値下げ競争は全部の企業の体力を削いでしまうので全部の企業がしないほうが良いのに、競争に負けるのを怖れてやめることができない

■ 税金はみんなが納めると公共財が充実するのに、自分だけは払いたくない

■ 受験ばかりに青春の貴重な時間をつかわずみんなが豊かな時間を過ごしたいのに、受験勉強しないと競争に負けるので自分も受験に時間を注いでしまう


数学的にはこれが無限回繰り返される場合にはどのように収束するか(二人がどのような選択肢をとるようになるか)が決まっているらしい。【説明は割愛】


さっきから「らしい」を繰り返して歯切れが悪いが、理由がある。


それは、そもそもこれが「ジレンマ」として問題になる、という点がおかしい、と思うからです。


自分を裏切るようなヤツと一緒に組んで仕事をするか?
(最近してしまいましたが(笑))



これはすべて「相手が信用ならない」という隠れた条件が下敷きになっているではないか?

人間を信用していない人がそれを「ジレンマ」などと言っているだけだと思いませんか。



軍拡競争は話し合いで解決できないものなのか。
【相手が「みずからそうしたい」という環境に追い込めばそれは実現する】(←リンク)


環境問題も値下げ競争の問題も同様だ。



そう考えると、資本主義の考えでは「談合」とか「カルテル」とかは悪人のすることのように教わって来たが、これは日本独特の《全体の利益を考えた上でなされる》優れた手法なのではないか、という気がしてくるのである。


なにもアメリカの教科書がいつも正しい訳ではない。ユニバーサルに「正しい」ものなど、私は無いと思う。


日本の伝統的な思想が世界を導いて行くときが、いずれ訪れるだろう。


私の遺言です。



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本文と関係ありませんが(笑)
洋物をなんでも自分のものとして取り込んでしまう日本のシンボルのような気がして




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