コーネル・ウールリッチ No.32◇ニューヨーク式離婚◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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ニューヨーク州で離婚しようと思うなら策を論じなければならない。それだけでも大変なのにそこで殺人が起こった!






◇ニューヨーク式離婚◇ -Dirvorce---New York Style-

コーネル・ウールリッチ 村上博基 訳



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ニューヨーク州で離婚しよう、と思うなら手は1つしかない。姦通の現場を取り押されること。世間では姦通が無くても気持ちのすれ違いで離婚したい夫婦も多いのに、だ。



デュエイン氏もその1人だ。妻と離婚するために弁護士を通して女を雇い、姦通を演じた写真を撮らせる。その為だけの女だった。初めて会ったばかり、名前はもちろん知らなかった。それなのに見事その写真が撮れた後、女は死んでいた。



調べると女はこの手の常習犯だったらしく、カメラマンからホテルのボーイまで彼女を知っていた。果たして動機は? デュエイン夫妻の周辺は動機を何も持っていないからだ……



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「ニューヨーク式離婚」です(・∀・)



アメリカ合衆国は州によって適用される法律が違います。その州ではOKでも州を跨ぐ瞬間に法律違反!な例はきっとざらなんでしょう。アメリカを舞台に物語を考えるには注意が要りますが、上手く考えればきっと面白いものが書けます。



今は絶対に違うと思いますが、当時のニューヨーク州では姦通を証明できないと離婚できませんでした。それで気が乗らないながらも芝居を演じ、本物の災難に巻き込まれる男女の話です。



どこまでも男と女の話です。夫婦生活が終わってしまった1組の夫婦、恋人を堕落させられると危惧した相手。真ん中までは単純な推理短編なのに最後の結末と警察官の言葉、デュエイン夫妻の意外な顛末まで味わってこそ結婚生活に失敗してホテルで一生を終えたウールリッチらしい短篇だと断言出来ます。



ウールリッチ=アイリッシュの作品にはホテルで死ぬ人もホテルが出るのと同じくらい多いですがその登場人物の死に自分の死を重ね、それを墓標にしたのかも知れない……



「ニューヨーク式離婚」でした(・∀・)/ 

人探しを依頼された飲んだくれ、それはただの失踪では無かった……(*^o^*)/