男は女を殺した……"予期せぬ完璧なアリバイ"の後、彼は全てを失った………のか?
◇負け犬◇ -The Loser-
コーネル・ウールリッチ 永井淳 訳
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「負け犬」です(・∀・)
この作品はウールリッチの最後の作品です。よってこれは短編では無く、未完の長編の一部だと言われており、その証拠に掲載されているのは第一章と次の最終章、だけです。
ミステリマガジンに掲載されている第1章では章男クリーヴが女を殺し、そこから悠々と立ち去ったは良いが、寄ったバーで騒ぎを起こして一晩留置所で過ごすまでが書かれ、最終章は釈放された直後に夫の罪を悔いた愛妻が自殺し、主人公がその後を追うことを示唆して幕を閉じます。
ミステリマガジンを読むに第1章以後、最終章までは回想で、
妻帯者クリーヴがジャネットという娘と恋に落ち、駆け落ちをするも前妻アデレードに付き纏われ、紆余曲折の末アデレードを殺してしまうが逮捕されたのはまさかのジャネットで自分が犯人だと叫ぶも異常者だと思われ精神病院に入れられるもなんとか脱走してジャネットの無実と自分の犯罪立証の為に駆けずり回る……がこの「負け犬」という長編の大まかな流れだったと思われます。
どうして真ん中ーーー選りに選って1番大事な部分ーーーがすっぱり抜けたのか、と問われると飽きたから、としか答えようがないらしい……
最終章は独立した短編とも取れるとても美しい文章です。主人公は自分が死ぬことでしか自分の始末をつけられない「負け犬」なのに……いやー完結しなかったのが惜しいです。どんな作品になったのか……もう一生分からない……
「負け犬」でした(・∀・)/
わたしは「魔法」で様々な愛を知るーーー………(*^o^*)/