山本周五郎 No.4◇ちいさこべ◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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生きる、ということは哀しいことだ。けれどそれが1番大事なことなんだーーー






◇ちいさこべ◇

山本周五郎



江戸の大火ですべてを失いながら、みなしご達の面倒まで引き受けて再建に奮闘してゆく大工の若棟梁の心意気がさわやかな感動を呼ぶ表題作、藩政改革に奔走する夫のために藩からの弾圧を受けつつも、真実の人間性に目を見ひらいてゆく健気な女の生き方を描く『花筵』、人間はどこまで人間を宥しうるかの限界に真正面から挑んだ野心作『ちくしょう谷』など、中編の傑作4編を収録する。



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星組公演

昭和56年(1981年)2月13日〜3月24日

ミュージカル・ロマンス

『小さな花がひらいた』10場

ー山本周五郎作「ちいさこべ」よりー

柴田侑宏 脚本・演出

*併演公演は『ラ・ビ・アン・ローズ』



江戸末期の下町を舞台に、苦難に向かって逞しく成長していく若棟梁と、火事に見舞われた娘や孤児たちとの心温まる交流を描いた人情話。昭和46年に上演され、再演希望の多かった名作。江戸末期、文政年間、江戸の大火で両親も店も失くしてしまった茂次(瀬戸内美八)は、腕一本で店を再建しようとしていた。その仮屋には幼馴染のおりつ(東千晃)が身を寄せていたが、彼女は同じく大火で親を失った子どもたちを集めて面倒を見ていた。



花組公演

平成3年(1991年)2月23日〜3月10日[バウホール]、5月5日〜5月10日[東京・日本青年館]

バウ・ロマン

『小さな花がひらいた』1幕

ー山本周五郎作『ちいさこべ』よりー

柴田侑宏 脚本・演出



昭和46年に花組で初演、昭和56年には星組で再演された名作。江戸末期、江戸の下町の若棟梁茂次(朝香じゅん)は大火で両親を失い、店も焼けてしまう。「大留」を再建するため、度重なる災禍にも屈せず、雄々しく生きていく茂次の姿を描いた、情感溢れる作品。茂次に想いを寄せながら、大火で親を亡くした子供達の面倒を見るおりつ(梢真奈美)の健気な働きぶり、子役たちの熱演も好評を博した。朝香じゅん、梢真奈美がこの公演を最後に退団。



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「ちいさこべ」です(・∀・)

山本周五郎の作品も5作目。21世紀を超えた今でも宝塚で上演されています。苦難を乗り越えながら生きる人間の深い苦しみや情けが胸を打ちます。その姿がいざ目の前に現れると、生きている時代は違うのに深い感動を覚えます。



今回の作品の原作になった「ちいさこべ」は両親を江戸の大火で失いながらも立て直しに奮闘する頑固で不器用な若棟梁と孤児になった子どもたちの面倒を見るおりつの物語です。4作目の中で1番短い作品ですが茂次の不器用な優しさと不可解な行動に見える深い悲しみ、後輩大工たち、ヒロイン、おりつのライバル?なおゆうの関わり合いが濃く描かれていて舞台作品にぴったりです。



他の3作は武家と江戸の市井を舞台にやはり今の身分立場以外に何者にもなれない普通の優しい人々悪人になりきれない普通の人々が描かれています。



男たちはどいつもこいつも皆、不可解な行動の裏に深い哀しさと優しさを隠していて、女は女で今ある状況に抗いながらも奮闘し、中には挫折して諦めてしまって……しかし読んでいて誰のことも責めることが出来ない。事情を知ってしまうと尚更です。



生きるということは哀しいことだ。その中にいくつも哀しさと悔しさを含ませているのだろう。しかしその哀しさを吹っ切ることは出来る筈で、その答えは登場人物の1人が既に言っている。



「ちくしょう谷」でした(・∀・)/ 

幸せだった2人、突然奪われた。だから男はーーー(*^o^*)/