フィリップ・K・ディック No.26◇死の迷路◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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集められた14人が次々と謎の死を遂げ……







◇死の迷路◇ -A Maze of Death-
フィリップ・K・ディック 山形浩生 訳


目的も告げられずに、未開の辺境惑星デルマク・Oに送り込まれた14人の男女。使命を伝えるはずだった通信は未達のまま、外部との接触を絶たれてしまった彼らは、その惑星で奇怪な光景を目にすることになる。謎めいた構造物、歌う人工蠅、光線を発射するミニチュア・ビル、不完全な複製を作り出す生命体……。やがて、一人また一人とメンバーが奇怪な死を遂げ始める!? 緊迫感溢れる筆致で描かれる鬼才の異色サスペンスSF。


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ベン・トールチーフは、セスとメアリー・モーリー夫妻はそれぞれデルマク・Oという未開の辺境惑星に向かう。果たしてそこには他に11人の人間が居た。老若男女様々だ。しかし気掛かりが1つ。何故集められたのか、分からないのだ。その使命を伝えてくれるはずの通信は途絶え、その後うんともすんとも言わない。


不安に陥る一行。事態の改善を神に祈った甲斐もなく、トールチーフが謎の死を遂げる。それをきっかけに13人はデルマク・Oには光線を発するミニチュア・ビルや歌う蠅の存在を知る。そして遠くに見える謎の建物……しかしその間にも1人、また1人と死に、次第に疑心暗鬼に達する。生き残ったメンバーが二手に分かれた瞬間、徐々に化けの皮が剥がれていくーーー


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「死の迷路」です(・∀・)
なんの目的も理由も知らされず、デルマク・Oにやって来た14人。途絶えた外部からの連絡。次々と死んでいく人たち……ディック版『そして誰もいなくなった』? と勘ぐりたくなるほどSFミステリ。アシモフとは全然系統が違うし、そもそも比べるのすら失礼ですが、SFミステリ+サスペンス、は決して的外れでは無いでしょう。


さらにその惑星には光線を発するミニチュア・ビルーーーきっとシルバニアファミリーサイズの可愛いやつですーーー、歌う蠅ーーーおもちゃにありそうですねーーー、見る人によって違う名前の部屋を拵えている謎の建物があります。また彼らは神なる存在を信じ、祈りを捧げますがここにデルマク・Oの正体のヒントがあるようにも思えました。「地を歩む者」とか「仲裁神」とか厨二病くさいと思ったもんな……ディック、すみません←


しかしそうだと恐ろしいことです。彼らはどこにも行けず、どこにも逃げられない。永遠に永遠にその"迷路"で遊び続けなければならない。そうでなければーーー……それのなんと、恐ろしいことか! いや正気でいられる唯一の方法だと分かっていますが……最後、セスとメアリーはどこに行ってしまったんでしょうね?


「死の迷路」でした(・∀・)/ 

次は読破達成までもう少しなウールリッチ〜(*^o^*)/