偽ヘイト活動 大槻ケンヂ編 第三回 | 合田ケムリのブログ

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不肖合田ケムリ五十一歳老害、ろくでなし子クラスタ不眠三銃士の一員であります。無駄に長生きしましたんで、色々話して行きますよ。

〇偽ヘイト活動大槻ケンヂ編第三回〇
◆過去ログ◆この話長いから遡ってくれよ◆
❁❀内容を読まずに脊髄反射でRTする馬鹿は容赦無く叩くからそのつもりで覚悟しとけや✿✾

終焉か?

偽ヘイト活動大槻ケンヂ編第二回
のほほん学校での、オーケンの行動が謎過ぎるエピソード。

大槻ケンヂと俺の、鬱病友達としての関わりの始まり。

ホンのさわり。俺には生まれつき人権などは与えられていないという大前提の告知。


❁❀今回は予告編通りの天知茂主演✿✾

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〇土曜サスペンス劇場〇
◆偽ヘイト活動大槻ケンヂ編第三回◆
「大槻ケンヂを悪用しようとした連中の本性」


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ある日の真っ昼間、いつもの様に野方駅前のサンクス二階のシャノアールに行き、俺は読書に夢中になっていた。
本から目を離してふと顔を上げると、斜め前のすぐ傍の席に大槻ケンヂが一人でこちら向きに座っていて、頬杖をつき、何をするでもなく物思いに耽り、相当辛そうな苦悶の表情を浮かべつつ、同時に自分の気配を完全に消し去っていた。

周りの人たちは、その場に大槻ケンヂどころか、誰か人間がいる事にすら気付く事なく、誰もその席に居ないかの様に振舞っており、ホントに誰の視界にも大槻ケンヂの姿は入らなかった模様が、俺の様なボンクラの素人目で見ていてもすぐに把握出来た。

それは異様な光景であった。ちょっとどころか、巨大なカルチャーショックを受けた。

つまり、大槻ケンヂは、自分の気配を完全に消してしまうのが特技なのだと、俺には即座に判断出来た。

俺 ( ああ、こういう事が特技だとは…。謎は一つ解けたが、深い闇を目撃してしまった…。オーケンは、よっぽど他人を拒絶して生きて来たんだな…。…しかし、どうやって修行したら、あんなに全部の気配が消せるんだろう?ウーン、解らん…。のほほん学校の時のあの叫び方だとか、大槻ケンヂには謎が多過ぎるよ…。ま、いいけどさ。)

だがしかし、大槻ケンヂは、俺の席の斜め向かいという、ごく近距離にいる。それなら、気配云々以前に、俺の視界に入ってしまえば、そこに本人がいる事はバレバレなのである。
近くに顔の見えている大槻ケンヂに、俺は声を掛けようと思えば、出来ない事も無かった。
だが、オーケンと俺の間には、小さな背の低い観葉植物の植木鉢の細い列があり、それがまるでパーテーションの様な障害物となっていた。だから、そういう余計なお節介は遠慮してしまった。
そうでなくとも、辛い時にはむしろ、他人からは放置していて欲しい、一人で物思いに耽りたいと考える事も有り得るのだ。鬱病は厄介な病だからな。…アレ?でも、何でまた、他人が大勢居ると解っているシャノアールの店内に、わざわざ居るのかな?…という事は、ちょっと気になった。

それに、当時の大槻ケンヂは、エッセイにもこんな事を散々書いて、嘆いていたのだ。

大槻ケンヂ「バンドの運営上こんな下らない事で悩むなんて、俺は中小企業の中間管理職かよっ?!」

大槻ケンヂ「橘高がステージでギターを振り回す時、俺もそれに合わせて何か振り回したいと思って、蛇やなんかの長いヌイグルミを橘高の動きに合わせてグルグル振り回していたら、それがずっと気に触っていたらしくて、俺は橘高から物凄く嫌われてしまった。」

また、カラオケBOXで筋肉少女帯のメンバーたちが壮絶な口喧嘩を繰り広げていた時には、内田雄一郎がこんな事を…。

内田雄一郎「まあまあ皆ここは一つ、俺の歌を聞いて気持ちを収めてくれよ。(つ´∀`)つ」

大槻ケンヂ ( なんだウッチー、お前は戦場のリリーマルレーンか?!)

そうして、内田雄一郎がカラオケで歌い始めるのは、あろう事か、フランクシナトラの「マイウェイ」だったのである。その空気の読めなさ加減に、ヘナヘナと脱力する大槻ケンヂの絶望感と言ったら、そりゃもう気の毒で気の毒で…。

カバー曲の為に、エンケンさんやとん平さんやミチロウさんやPANTAさんやケラさんたちご本人をわざわざ迎え、気合いを込めて命懸けでリリースした、初のソロ名盤「オンリーユー」の売り上げは結局大した事無く、あんなに素晴らしい内容のライブ活動オンリーユーツアーも、従来の筋少ファンたちには大してウケなくて、元々やってる筋肉少女帯内部は下らない些細な事でグチャグチャ…。
しかも、自分自身の鬱病対処は模索中で、どうしたらいいのか、まだ答えは出ない…。いや、そんな難しい事の答えが簡単に出たら、頭が完全にイカレテル証拠なんだけどさ。(^^;;
そりゃあもう、当時の大槻ケンヂにしてみれば、気配を消してまでも一人になって、考え込みたい状況だわよ…。

でもね、もしかしたら、大槻ケンヂは俺にだけ、あの苦悶の表情を見せたくて、斜め前の席に座ったのかも知れない、と、今になっては思い返してみる事が多々ある。
…いや、思い返せば思い返す程、後悔の念に駆られて仕方なく、俺はどうしても泣いてしまうのだが。
…というのも、田中圭一先生のnote「うつヌケトンネル」の大槻ケンヂの回を課金して読んでみたら、あの子があの頃、孤独の辛さが最も耐え切れなかったのだと告白していたからなのである…。

…そうか、一人で居たら孤独で耐え切れないからこそ、人の大勢居るシャノアールの店内に座っていたのね…。
…きっと、寝付けない真夜中に、独り涙で枕を濡らした事もあっただろう。孤独がつら過ぎて、発作を起こした時だって何度もあっただろう。あの頃、大槻ケンヂの私生活の素顔は、一人の鬱病患者に過ぎなかったのだから…。
…せめて、少しだけでいいから、その辛さを分かち合いたかったんだよ、俺は…。

ゴメン、ゴメンよ!オーケン!オーケンが一番辛い時、俺、何も力になれず、全く何にも助けられなくてゴメンよ!。゚(゚´Д`゚)゚。

◆その頃の大槻ケンヂ近影◆

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こんなに綺麗な美少年がツラソーに一人、苦悶の表情を浮かべていたら、みんなどうするよ?
誰だって、助けたいと思うじゃん?
ましてや俺にとって、大槻ケンヂは、生まれて初めて俺を人間扱いしてくれたという、トンデモナイ恩人だ。そんな相手に何かあれば、助けたいと思うのが、義理人情としては当然ではないかな?ゴキブリ未満の俺だって、それ位の判断基準は持っているよ。但し、大槻ケンヂに対して、恋愛感情を持つ様な事は皆無だった。

◆もしも◆

人生に「もしも」は有り得ない。時間の経過とは不可逆だからだ。だが、その場所がもし、喫茶店ではなく、心療内科の待合室であったなら、俺は間違いなく、大槻ケンヂに声を掛けた事だろう。

俺「大槻さん、顔色悪いですね?…具合が悪いんですか?」

大槻ケンヂ「あ、いや、昔の嫌な事を思い出してしまって…。」

俺「ああ〜、解りますよ。私も年中そういう事ありますから。」

大槻ケンヂ「そうですよね…。僕だけじゃなかったんだ…。 (´▽`)ホッ 」

俺「鬱病あるあるですよね〜。 (´∀`*)ウフフ 」

大槻ケンヂ「なあんだ、そうなんだ〜。安心しちゃった〜。 (´∀`*)ウフフ 」

ってか、知らない人ではないのだから、俺が読書中だろうと構わず、この様に向こうから話し掛けてくれていたら、この二人の関わり方は、相当変わっていたかも知れないと思う。


◆こんなもしもがあったら◆

大槻ケンヂ「…あの…こんにちは…。…ケムリさん…向かいの席、空いてます?」

俺「ああ、勿論ですよ。(^ω^) 」

大槻ケンヂ「…ここに座って、少しお邪魔してもいいですか? :(´◦ω◦`):ガクブル 」

俺「どうぞ、ご遠慮なく。 (^ω^) 」

大槻ケンヂ「…あのう、バンドの事で悩んでいて…、今一人で居るのも凄く辛くて…。 :(;゙゚'ω゚'): 」

俺「ああ、エッセイ読みましたよ〜。あのフレーズにはウケましたよ〜。 【なんだウッチー、お前は戦場のリリーマルレーンか?!】って、アレねえ、教養の無い人には書けない一節ですよ。いやあもう、笑ったの何のって、大爆笑ですわ! (≧∇≦)」

大槻ケンヂ「え?アレ、笑えましたか?…僕、嬉しいな…。(/ω\)」

俺「何を仰いますやら。大槻さんの文章は面白いから、いつも読んでいますよ。アハハ。(^ω^)」

大槻ケンヂ「なあんだ、そうなんだ〜。僕、まだ大丈夫なんですね。何か安心しちゃった〜。 (´∀`*)ウフフ 」

…だが、その先には、依存丸出しの関係性が待ち構えている。大槻ケンヂはきっと俺の私生活に踏み込まない様、配慮してくれたのだと思う。
だって、互いにあれほど礼儀正しく接し、無言でも会話が成り立つ仲だったのだから。
…でも、正直言って、大槻ケンヂを少しでも安心させられたら、どんなに良かったか…。そこは、俺が延々と後悔し続けているポイントである。

(参考図書 大槻ケンヂ著「オーケンののほほん日記 1992-1995」)

◆現実に戻る◆

そして、気配を消している大槻ケンヂに対し、きっと放って置いて欲しいのだろうと解釈して、俺はまた読書に戻った。
何時間経ったかは不明だが、ふと気付くと、大槻ケンヂはいつもの様に、知らん間に気配もなく姿を消していた。
大槻ケンヂは立ち去る時には必ず気配を消している。この決まり事が漸く、鈍感なこの俺にも解ったのであった。それは、周囲への気遣いなのか、大スター大槻ケンヂなりの保身なのかは全く不明で、やはり謎である。

◆話は前後するが◆

俺は宮崎勤事件をキッカケに、表現規制反対派のエロ絵師合田ケムリとなった。ま、俺のやってる事は壮大なスケールのギャグ漫画な訳なんだがな。だが、このコンセプトを解るセンスの持ち主は少なく、

「私好みの絵にしなさいよ!(ʘ言ʘ╬)」

…と命令を下して来る連中にはホトホト参っていて、奴らは他人と自分の区別がつかないって事なのだが。
まあ、だからこそ俺には、ろくでなし子さんのまんこアートのコンセプト「まんこは私の体の一部であり、わいせつではない。」がスルスルと解るし、なし子さんの口癖には常に共感しているのだ。

ろくでなし子さん「私はいつも、一人で孤独に闘っている。怒りこそが私のエネルギー。怒れば怒るほど私は燃えて、もっと凄い作品を作ってやる!と考える。」

そう、人間は所詮みんな違う存在だ。いや、もっと言えば、生き物はみんな違う。個々人、個々体、全てに違いがあって当たり前なのだ。だから、みんな何もかもが、孤独な存在なのだ。なし子さんもオーケンも俺も。孤独は全てに対して平等なのだ。

オット、横道に逸れてしまった。しかも、なし子さんはヘイト対象ではなくて、尊敬の対象だわよ。ゴメンゴメン。ヾ( ̄▽ ̄;)ノ


◆話を戻す◆天知茂◆明智小五郎◆
〜江戸川乱歩「パノラマ島奇談」〜
【天国と地獄の美女】
❁❀薔薇密教の謎に迫る✿✾


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今回の大槻ケンヂ編第三回で触れて置かねばならないヘイト対象が二人いる。そう、大槻ケンヂを悪用しようとした連中である。
一人目は「鬼六の会」の長池さん。いわゆる緊縛師だ。そして、二人目は気功の元師匠、小顔工房の大柿守。
この二人どちらもそうなのだが、俺が大槻ケンヂの名前を出した途端に態度を翻し、トンデモナイ言動に走ったのである。多分、二人とも発狂したのだと思う。…何でそんなおかしな事になるのか、常にシラフの俺にはサパーリ解らないのだがな。

生々流転。

長池さんとは付き合いが長かった。宮崎勤事件直後、俺がエロ本業界に投稿及び営業活動を開始すると同時に、関わりが出来た。
当時、団鬼六先生が断筆を解禁しなくては、趣味の将棋の会合が継続出来ないからという理由で、「鬼六の会」という団体を作り会員を広告で募っていたのが、キッカケとなった。

俺は、エロ本業界に営業をかけるのと同じ感覚で、鬼六の会に入会するとどういう特典があるのか、エロ絵師として何か得するのか?と、単刀直入な末恐ろしい質問を、電話で問い合わせした。その電話に出たのが長池さんだった。

長池さん「君ね、そういう事やったら、会費なんか要らんから、ココに会いにいらっしゃい!」

俺「??ハイッ!!??(意味は解らんが、何か歓迎されたみたい?)」

団先生も亡くなったからホントの事を言うと、長池さんは団鬼六先生の陰のブレーン的存在だ。団先生はSMの実技をせず文章を書く事に集中なされて、実技を担当していたのが緊縛師の長池さんなのだ。長池さんというのも芸名で、大阪の何処かの地名らしい。

長池さん「君ね、SMの事知らんでSMの絵を描くのは、SMに対して失礼や!SMの事勉強せなアカンよ!」

俺「はあ…。そうですね。私は村上龍のトパーズやボンデージファッションから入りましたからね…。」

長池さん「今度、初心者向けの女王様講習会やるから、君はタダで来てエエで。 (^ω^) 」

俺「エエッ?!いいんですか?!有難う御座います!  (。☉∆☉)ワァオ☆ 」

…と、まあこんな感じで、何度も女王様養成講座に参加し、長池さんとは長年関わっていた。山口椿先生とも会わせてくれたし、女の人向けのエロ漫画家先生の接待で、クソ高そうな銀座の店に連れて行ってくれた事まであった。長池さんにはゼントルマンな側面があった。

長池さん「君なあ、三十過ぎてるって言ったって、あの漫画家の先生みたいにちゃんと仕事やっとる女の人も居るんやから、鬱病や年の事くらいでそう気を落とすなや〜。  (^ω^) 」

長池さんはこんな優しい一面もある、素敵なオジサマだった。

そして、そういう女王様講習会に、雑誌メディアの取材が来た事まであった。しかも何故だか、妹までチャッカリ参加した事まであった。
そんな流れで、ゴムフェチで当時超弩級に有名な、丸木JURI女王様とも面識が出来た。それは、件のミニコミ誌創刊に、とても役立つ人脈であった。ま、その話は後回しだよ。

長池さんからは、SMに関して色々と学んだ。コレは有難かった。長池さん、今更だけど有難う御座います! (^ω^)

SはサービスのS、Mは満足のM。コレがSMの基本理念。

つまり、SMプレイに於いて、ワガママを通してリードするのはM男の方。女王様は、そのワガママな要望を汲み取って、上手くフォローしてやらねばならない、言わば接客業なのだ。

「今時はSMプレイで本物の縄を使う人なんか居らんから、こういう色の綺麗なロープで充分や。結ぶ必要も無くて、こうして引っ掛けるコツさえ覚えるだけで構わない。だから、長さに拘らず、何本も準備しとけばそれでええんやで。」

「蝋燭を垂らす時は、なるべく高い位置からにして、落ちる途中で熱が冷める様にするんやで。そうせんと相手が火傷するんや。心臓から一番遠い箇所から順番に体の中心に近付けて行かないと、内臓に負担が掛かるんや。こういう事が原因でM男が死ぬ事もあるから、コレは絶対に守ってや。蝋燭を垂らす時は先ず手足の先からや。」

「上から見下ろす視線ってのも、M男は責められてる感じを覚えるから、結構効くもんや。」

俺にはこうした学習経験が豊富にあった為、ブラック企業を病欠し続けて無給になった時のアルバイト先が大人の玩具通販事務所だった頃にも、ミラ狂美ちゃんの作ったSMビデオの内容の甘さに、容赦無くツッコミを入れる事が可能となった。←自慢

出逢いから何年後かは忘れた、ある時。

長池さん「何月何日の夜、団鬼六先生を囲んで屋形船に乗る会合があるんやけど、ゲストには村崎百郎や森園みるくや根本敬が来るんや。」

俺「エッ?!そんな凄いメンツが?!…あの、私の友達の大槻ケンヂを呼んでみてもいいですか?そういうの、好きだと思うんです!」

長池さん「おおー!!大槻ケンヂかあー?!ホンマに大槻ケンヂ呼べたら、君も屋形船に乗せたるでえー!」

俺 (いや、俺は別に乗らなくてもエエわ。大槻ケンヂが団先生たちと話して楽しんでくれたら、それだけで充分やわ〜。)

俺はその旨、オーケン企画にファクシミリをおずおずと送ってみた。俺からファクシミリを送っても返事が来た事は無かったので、まさか反応があると思ってはおらなんだ。
ところが、この時は違っていた。返事がウチに届いたのだ。大槻ケンヂ直筆の繊細な文字で短文の返答が。

大槻ケンヂ「そんなに素晴らしい会合があるのでしたら、僕も是非、末席に加えて頂きたいです。」

何と綺麗な敬語遣いの奥ゆかしい返答…。大槻ケンヂって、何処まで謙虚で可愛らしい子なのかしらん? (*´д`*)

ところが、大槻ケンヂからのこの返答を伝えると、長池さんは頭がどうにかなったらしい。大スターの大槻ケンヂに対して、こういう要求を突きつけた。

長池さん「参加するにあたって注意点があるから、集合時間の夜六時の三十分前に、この場所まで来てくれ。」

まあ、初めはそんなモンかな?と思い、俺もオーケン企画に再度ファクシミリを送って伝言したのだが、それだけでは済まなかった。長池さんはこのやり取りを延々と複数回重ねた。
あの時の長池さんは、その都度返って来る大槻ケンヂの返答に対して「まだ更に注意点があるから、さっき伝えた時間より、あともう三十分前に来い。」という無茶な要求を異様にガンガン連打して来て、どう考えても正気を失っていたとしか思えないのだ。長池さんからの要求は回数を重ねると同時にドンドン加速度を増し、終いにゃこういう事になった。

長池さん「会合に参加するにあたり、更にもっと注意点があるから、午後二時にこの場所まで来てくれ。」

俺 ( …オイオイ長池さん!昼間の二時とか、こんな早い時間帯に、鬱病の大槻ケンヂが起きられる訳ねえヨ!それに、相手は大スターの大槻ケンヂなのに、この扱いは酷すぎないか?!大槻ケンヂは奴隷や道具じゃねえよ!長池さんゼッテー頭おかしいよ!イカレテルよ! ガクガクブルブル((;゚Д゚)) )

俺は恐る恐る、オーケン企画にファクシミリを送った。そしてどういう訳かファミコンをプレイしていた。多分、ストレスが溜まったのだと思う。俺はファミコンをやり狂う事でストレス発散をしていたので。

…家電が鳴る。…タイミング的にどう考えても、大槻ケンヂ本人からの断りに決まっている…。
…そうだよね、開始は夜六時なのに昼間の二時に呼びつけるなんて、そんな無茶な話は断るのが当然だよ…。

俺はファミコン中で、電話の前に突っ立っている妹に、代わりに電話に出てくれと頼んだのだが、この頃の妹と来たら、毒オカンの完コピになっており、鬼の形相で俺を睨み付けて、棒立ちに突っ立っているだけで、決して俺の発言は聞き入れない。
因みに妹は、俺が一人暮らしを始めてから、アパートに勝手に転がり込んで来たのであり、こちらとしては、プライバシーが無くなるなどの迷惑を被っていた。そして、妹が余りにも部屋を散らかすので、困り果てた俺は家賃の安い一軒家を借りて、それぞれ別の部屋を寝床と決めたら、次は妹が毒オカンソックリの鬼の態度に豹変して、俺を管理支配命令する様になってしまったのであった。
つまり、この頃には妹までもが、俺を虐待差別する様になっていた。妹にとっても、俺は被差別部落の穢多非人たち屠殺者や皮なめし職人よりも更に下等な、ゴキブリ未満に過ぎなかった。…そんな不燃ゴミの言い分など、毒オカンソックリに思いあがった権力者の妹の耳には入らない。自分がどんなにナゴムマニアでも、超絶憧れの大槻ケンヂからの生電話を「俺の代わりに」取る筈が無かった。そうですよ、権力者から見たら、どうせ俺は存在する事すら許されない肉塊さ。人間は肉塊の言い分などは聞く義務無し。

ウチの家電には、ブラック企業での印刷営業用(持ち帰り残業がムッチャ多かった)及び挿絵の仕事用に、ファクシミリが繋いであった。
大槻ケンヂは、ウチの電話がファクシミリに自動的に切り替わった途端、即刻何かを察したらしくコールを切ってくれた。…怒ってないかなあ?
…その間、妹は凄まじい鬼の形相で俺を睨み続け、無言で俺を虐待差別及び管理支配命令していた。…でも、無言だから、何をどう命令していたのか、俺にはサパーリ解らない。毒オカンソックリの言動パターンだった。ただ、睨み方から、俺に対する軽蔑や侮蔑や差別や呪いなどの感情は、ビンビンと感じ取れた。

これ以降、長池さんからの連絡は途絶えた。ま、欲深過ぎて、大槻ケンヂにフラれたって事だわ。
だが、この話題には、おもろ過ぎるオチがあるのだ。後日、何かの誌面に団鬼六先生がこう書いておられた。

団鬼六先生「君たちは屋形船で勝手に乱交パーティーなんぞ始めよって、一体何なんや?!僕は放ったらかしにされて、一人で寂しくて詰まらなかったよ!」

…アラ? 皆さん…乱交パーティーしただけだったの?エロやフェチやマニアや変態の話題で真面目な話し合いをする会合とは違ったの?団先生ガチで怒ってるやん?アラ?アララ?主賓の団鬼六先生を一人で放ったらかし…?コレはどういう事かなあ〜?

…俺、ファミコン中電話に出られなかっただけで、意図せずに大槻ケンヂの貞操を守る事が出来たのね??!!良かった〜〜!!良かったよお〜〜!。゚(゚´Д`゚)゚。
や、大槻ケンヂがどんだけヤリチンなのかは、俺にだって解っているさ。でもさあ、合意ではない乱交なんてのは、誰も巻き込まれたくないと思わない?ね?オーケン?このオチ、笑けるでしょ?ね? (≧∇≦)

そんな事があっても、大槻ケンヂの俺に対する態度は、何も変わらなかった。
道っぱたで出くわせば、ちゃんと挨拶してから別れる。件の喫茶店やシャノアールで見かけても、互いに絶対に邪魔はしない。この理想的で静かな関わりは、二人が同じ野方の街に住んでいる限り、途切れる事は無かった。
懐が深く優しい大槻ケンヂに大感謝する。本当に有難う、存在してはならない肉塊を人間扱いしてくれて…。(ノД`)

生々流転。

気功の元師匠の派閥云々は、ゆっくりジックリと後回しにしたいので、今回は端折って行くゾ。
当時の大柿の派閥は、物理的なグッズを作って売る事で小銭稼ぎをしようとしていた。グッズには、当然気を込めてある。効果は、それなりの感受性の持ち主なら感じ取れるというレベルである。効能は「便秘解消」や「お目目パッチリ」や「体力補助」など、割と具体的で様々なモノがあった。だが、爆裂した人格の大柿には一般常識がない。よって、委託販売させてくれる店も見つからなければ、宣伝してくれる人脈も作れない。

俺は、そんなグッズ(主にパウチカード)を「ウチの師匠は、ココまで物理的な奴が作れるヨ!」と、オカルト大好物人種の大槻ケンヂに手渡す機会を作ろうと考え、大柿の耳にそれっぽく聞こえる理由をテキトーに取り繕い、こう提案してみた。

俺「あのう、大槻ケンヂは私にとって大の恩人なんですが、私はまだ気功はショボい技しか使えない為、何も恩返しが出来ないでいます。今度、雨宮処凛の映画の公開初日のトークイベントに来るそうなんで、何かプレゼントしたいんですけど…。師匠、代わりに何か作って頂けませんか?(国文科卒業生の口から出鱈目にサラサラと心地よく流れ出る嘘八百の偽善)」

大柿「大槻ケンヂなら、私は反則を出しますよ。   ψ(`∇´)ψ  (いつもの癖で悪ノリ暴走開始のゴング) 」

大柿は拝金主義の余りに何もかも秘密主義、自分の超人的な能力を見せびらかすのが大好きで、同時に考え無しの無責任なアンポンタンで、すぐに悪ノリしてはその場をメチャクチャにして、俺を激怒させる事がよくあった。
師匠の大柿がそういう暴力系人物である為、その派閥はみんな同様に暴力的な考え方が通用するという、トンデモナイ界隈であった。当然、俺はそこに馴染む事などは出来なかった。ま、その辺りも追い追いで後回しのヘイト対象って事でネ。(^_-)-☆

兎に角、一般常識の欠けた大柿がマトモな社会人の大槻ケンヂ相手のプレゼンに必要な、周到なリサーチなど出来る筈は無いのである。その証拠に、大槻ケンヂの名前を出した俺に、本人の特技すら一切訊ねもしなかった。

大柿「このカード、作るの大変でした。(ポチ袋を渡して来る) 」

俺 (【気配を消す・上・中・下・三段階セット】…コレ、大槻ケンヂが最も要らない奴やんか…。呆れてモノも言えない…。)

大柿「大槻ケンヂは空手を習っていますからね。そういう人たちにとって一番必要な事柄は、試合の時に気配を消す事なんですよ。このカードをズボンのポケットに入れて置けばもう無敵ですよ! ψ(`∇´)ψ 」

俺 ( …だから、その大槻ケンヂ本人の特技が、完璧に気配を消し去る事なんだけどなあ…。)

雨宮処凛の映画「新しい神様」の公開劇場は、渋谷のユーロスペース。俺はユーロスペースには、大学生の頃からよく通っていた。通い慣れた道のりだ。
当夜、独りで現地に行ってみると、浴衣姿の雨宮処凛が和物の傘をさし、劇場の前でコンクリートの地面にベタッと座り込んでいて、面識のある俺に気さくに話し掛けて来た。

雨宮処凛「あ〜!合田さん、来てくれたんだ〜!嬉しいなあ〜! (^ω^) 」

俺「ああ〜、雨宮さん、ごめんなさいね。実は大槻ケンヂに用があって…。この後予定があって、映画を見る時間は取れなくて…。それにこの映画を見たら、雨宮さんに対する夢が壊れてしまいそうで、私恐いんですよ…。本当に、本当にごめんなさい…。恐くて見られないんです…。 」

雨宮処凛「そうなの…。見てくれないの…。残念だな…。 ( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)クスン 」

俺 ( ごめんなさい。右翼の神様なんて、雨宮さんには向いてないよ…。そんな風に映画監督から妙な勘違いされた姿、見たくないよ…。だって、雨宮さんがまだ人形作家の青山さんだった頃から、俺は知ってるんだもん…。 ( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)クスン )

雨宮処凛は公開時間が迫ると、劇場内に呼ばれて去って行った。直後、大勢の観客たちに紛れて大槻ケンヂが歩いて来た。
劇場に入り切らぬ規模の群衆に揉まれ、背の低い俺が埋もれてしまっても、声をかけると、大槻ケンヂは瞬時に正確に目を合わせて来るのだ。鋭い!
この時は心底驚いた。まるで「群衆」のファランドール。いや、特撮の「アザナエル」に近い。

俺「大槻さ〜ん!( それ以上何も言わずにポチ袋を手渡し。)」

大槻ケンヂ ( 無言で頷き、物凄く嬉しそうな満面の笑顔でポチ袋を受け取り、モミクチャになりつつ劇場内へと去って行く。)

俺 ( ミッション完遂〜!! )

そして、東中野の師匠のアジトに戻る訳だ。で、反省会を開く訳だ。但し、大柿は爆裂した人格で無責任、一般常識の欠けた暴力系人種。そんな奴に、マトモな反省会など開けると思いますか?(ΦωΦ)フフフ…

俺「大槻ケンヂの特技は、自分の気配を消す事なんですよ。師匠、ご存知なかったでしょ?何でそういう大切な事を聞かないんですか? (-.-)y-~ 」

大柿「折角カードを渡したのに事務所の住所も押さえてないって、どういう事ですかッ?!どうやって責任取るんですかッ?!」

俺「大槻ケンヂの事務所なら、ホームページに住所が書いてあります。パソコンで見たら済みますよ。 (-.-)y-~ 」

大柿「そんなの嘘に決まってるじゃないですかッ!! (ʘ言ʘ╬) 」

俺 「 (それ違法だからオーケン企画はゼッテーしませんけど。てか、自分はホームページに嘘の住所載せてるの?違法行為なんだがな…。)じゃあ、何が本物の住所なんですか?」

大柿「そもそも、恩返しは人に頼んでする事じゃないでしょうがッ!! (ʘ言ʘ╬) 」

俺 ( …俺の気遣いや偽善の文脈読めなくて、逆上で正論を主張する訳ネ…。オーケンにグッズが渡っただけでも有難い事なのに…。)

大柿「何何に何千何百何十何万何千何百何十何円!!何何に何千何百何十何万何千何百何十何円!!何何に何千何百何十何万何千何百何十何円!!何何に何千何百何十何万何千何百何十何円!!何何に何千何百何十何万何千何百何十何円!! (超絶拝金主義丸出し賃金要求の発狂雄叫び連呼)

俺  (【絶句。ポチ袋一個に何億円期待したの?コヤツ棄てよう。】叫び続ける大柿を放置して去る)

後日、大柿から借りた書籍類をデパートの紙袋に纏め、アジトのドアの前に置き去りにし、俺はあの派閥をブチ切った。
俺は大切な大槻ケンヂを派閥に巻き込む事無く、自力で護った。

◆前後する当時の状況◆

俺は、申請した後で忘れた頃に突如認定された厚生障害年金(三級)の過去遡及金額にショックを受け、命よりも金の方が価値がある、トカレフ買って死ねばいい、という希死念慮の大発作を起こし、柳刃包丁を持参して高円寺の心療内科に飛び込んだら、「入院しなさい!」と主治医に命じられドナドナ。スレスレの三十五歳で転職した会社をクビになった挙句、年金の過去遡及金額全部を退院の支払いに使い果たした。

毒オカンの勧めで実家で静養していたら、権力者の妹が狂った勢いで「東京に帰れ」と連呼するので、仕方なく野方の一軒家に戻ると、妹はこう宣った。

妹「今すぐ結婚してココ出てくから! (ʘ言ʘ╬) 」

俺「え?病気治ってないんだけど?(てか、電話で済む話やん)」

妹「私にも都合があるんだよ!! (ʘ言ʘ╬) 」

俺 ( やっぱ俺は存在してはならない肉塊なんだな…。)

生々流転。

毒オカンは、元々喫茶店が好きな生き物だ。野方の俺を時折訪ねて来た事があった。そういう時には大抵シャノアールに行き、世間話をしていた。

俺「…で、西武線の線路沿いに夜歩いてるとね、後ろからついて来ちゃうんだ…。兵隊さんたちの行軍が…。黒澤明の【夢】のトンネルのエピソードソックリでねえ〜。アレは人数増えて参るわ…。」

毒オカン「ふうーん。」

更に自室にて。

毒オカン「シャノアールで兵隊の話してた時、後ろの席で大槻ケンヂが密着して聞き入っていたよ?( 'ω')?」

俺 ( 後ろの席には誰も居ないと思っていたんだけどな?あの子、また気配消していたのか…。俺の死霊話ツボったのかあ〜。 (´∀`*)ウフフ )


偽ヘイトは容赦無く続く!

〇土曜サスペンス劇場〇予告〇
◆偽ヘイト活動大槻ケンヂ編第四回◆
◆鬱病克服読書の果てに二人が辿り着いたテーマは何と同じだった◆
※実際の放送内容は突然変更となる事もありますが衆愚極まりない視聴者の皆様には選択肢は与えられておりませんので悪しからず※
放送メディアの言い分を真似してみた。
こんなのは洒落だよ洒落!

西暦二千十六年十一月二十四日(初雪)記述。不肖合田ケムリ五十一歳老害。