HONGANJI始まる | 栄作文

栄作文

斎藤栄作の文

脚本とは、考えてみれば面白い読み物(私から言えば書き物)で、書いた本はグッズ、もしくは専門書などとして販売されない限り、一般の人は目にする事はない「設計図」のようなものだ。

家に例えると、脚本家はデザイナーさんだ。
デザイナーさんが描いた設計図を見るのはその家に住む人、もしくは不動産屋。そして大工や電気、水道、ガスといった業者さん。周りの住人は出来上がるまでどんな家ができるのかわからない。つまり。お客さんも劇場で芝居が完成するまではどんな内容なのかわからないのだ。

昨日は
そんな設計図(HONGANJIのね)のお披露目会&住人と業者さんの顔合わせ会だった。(←例えに無理があるか?)そして書いた人間が読むのを聞いていて思った事。

……戸惑ってるな。

当然だ。
家に例えると、30人以上が住む豪邸の設計図。どこに何があって、自分の部屋はどこ?〇〇さんの部屋はあっち。え!? 玄関何個あるの?トイレどこ?お風呂は?……といった感じ。

説明が必要だ。

……なのに私は声が天龍源一郎。

皆に「もういい、もう喋らなくていいから帰れ」と言われた。この設計図を元に、後はこっちでなんとかする……といった所だろうか?頼もしい。

最初の挨拶で陣内さんは
「今更だが私には、役者の才能がない。だから頼るな。」

……なんて事を言って笑わせていたが、読み合わせが始まると途端に凄い迫力。声量が半端なくて、マイク要る?って感じだった。


水さんは真逆の存在。
陣内さんの隣に座っていたのだが、燃える太陽の横で氷のように涼やかだった。その二人のラストシーンがもう……ああ、言いたい。言いたいけど言えない。


九團次さんは残念ながら途中退席で、お声を聞く事ができなかったのだが、物語を引っ掻き回す役なので期待は壮大である。


そして一番驚いたのは諸星さん。
私の勝手な昔のアイドルイメージは吹っ飛んだ。声がね、超イイんだよね。特徴的というか、私はとっても好みの声で淡々と、でもきっと本番では熱くなるのを予感させつつ……といった感じだった。


どうだ?
喋れないから書いてやったぞ。
残り27人全員ぶん書ける勢いだが……やめておこう。


そして実は今日も稽古場へ行く。(←安静にしてろよ)
身体は元気なのさ。