普通ってなんだろう? | ファシリハ ー 1人で悩まない!!! 成長する、成長させるセラピストになるためにー

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facilitation × rehabilitation をテーマに、
リハビリに関わるセラピストや医療福祉職の方に向けたブログ。

自己研鑽、後輩教育、コミュニケーション、
マネジメント、連携、プレゼンテーションなどをキーワードに、
より良い医療福祉の現場の創造を応援します★

リハビリや後輩教育などを進めるときに、

皆さんは相手のニード

聞いているでしょうか?



もちろん、聞くだけじゃダメですけど(笑)


今、自分の担当している方で、
脳卒中による片麻痺の方がいます。

半年ほど前から
関わらせてもらっています。


麻痺は検査上では
ほとんどみられないレベル。


半年前、最初に会ったときには、

「右手の違和感、使いにくさを
どうにかして欲しい」

という訴えでした。

下肢に関しては、

普通に歩けてるし、階段も(1足1段で)できる。自転車にも載れる。改造なしで普通に車も運転しているし、仕事もできてるから大丈夫です


とのことでした。



でも今は

「右手は大分指先まで使えるし、あまり違和感を感じなくなった。」

「むしろ今は、脚をもっと普通に使えるようになりたい」



あれ?半年前には

脚は普通だからリハビリ必要ないって言ってましたよね?


そうなんです!


最近やっと気づいたんです。



この方は右手の運動が
左手と比べるとわずかに(コンマ何秒程度)遅く、
手指の対立などでも、毎回数mm程度、ズレがある、というレベルの方です。


そのわずかなズレが
日常生活でも何でも過ごせるにも関わらず
左手に比べて違和感を生んでいる可能性があると考えています。



その話をしていると、

その方が

「そういえば…車の運転の時に昔に比べるとブレーキがワンテンポ遅い気がするな…」


とポツリと言われました。


それまで全く、自分の脚なんて特に問題ないから手のリハビリをたくさんやって欲しいと言っていたのに。



そしてその日に脚で
瞬発性や微細なコントロールが必要な課題をいくつか提示しました。


できませんでした。
(できそうでできない課題をもちろん提示してます)



へこむかなー?、と思っていましたが、

その方は


あー、脚も実は
 まだまだ使えてないんだね」

「でも良かった!自分だけだったらこれには気づかなかった!ありがとう」

と笑顔★


その方は、

今まで脚で困ったことがなかったから
普通だと思っていた。

そうです。


もしかすると、
手の違和感が気になることで、
下肢の違和感には
注意が向かなかったのかもしれません。


もちろん、

半年前の初めての介入の時から、
脚の左右差がなかったかというと
ありました。


でもその時に僕は脚の問題を本人にはお伝えしませんでした。



本人が問題なく、普通と言っていて、

実際に転倒もなく、屋外での仕事もできている。


そうゆうレベルの方です。



また人柄も非常に良い人で、
真面目な方。


なので

本人が気にしてないという
脚の問題を

セラピストが言ってしまうことで、

今度は脚ばかり気になってしまうかもしれない…


そうしたら
手のリハビリに集中できなくなるかも、と思ったからです。


この方は、

自分でその問題に気づくことができました。


その方が問題意識も高くなるし、何よりも集中して取り組める。


そしてこの方は40代で脳卒中後、2年ほど経過していますが、

それでも変化をしています。


また逆にその脚の問題に気づけるまでにそれだけの時間を要するかもしれないということ。

何より、その問題自身にご本人だけでは気づくことができないかもしれないこと。


そして気づき、変化することを導けることがセラピストの役割ではないか?と再認識した1日でした★

患者さん利用者さんの

普通、問題ない、大丈夫って言葉を鵜呑みにしすぎちゃダメですよ★