その人の立場に立ってみればわかるという誤解 | そのままでいいよね☆ゆるなら風舎

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くにのまほろば《奈良》大和郡山市で
『カウンセリングルーム風舎』を営んでいる女性カウンセラーの日記です。
カウンセリング・アートセラピー・心理学レッスンなどをしています。

人の話を聴く際

自分の立場からだけの一方的な見方では

相手の話は聴けていませんよね。

 

ところが

ここにひとつ勘違いが起こりやすい。

 

自分の立場からだけじゃわからない。

相手の立場にたってみたらわかるでしょ!

という勘違いです。

 

たとえば

Aさんが出した料理を、Bさんが「食べられない」と言ったとき

「せっかく作ったんだから、食べて欲しい」

と、Aさんが自分視点だけで伝えたとしたら

この2人は平行線になります。

 

ここでAさんはBさんの立場になってみます。

「わたしがBさんの立場だったら・・」

そして、こう言います。

「わたしだったら言わないな。作ってくれた人に失礼だと思う。」

 

おや?

結局、Aさんは自分の意見を押しつけていますね。

 

子どもの頃、よく言われるのが

「もし自分だったらどうなの?自分が嫌なことは人にしてはいけません。」

躾としてはわかりやすくて、大切なことだと思います。

叩かれたら嫌だとか

おもちゃを取られたら嫌だとか

そういった場面では有効ですからね。

 

ただ、それを大人になって

どんな場面でも採用してしまうと不具合が起こります。

 

以前こんなことがありました。

わたしがある出来事について話したとき

「腹立つよね!わたしがあなたの立場だったらと思うと、よくわかるわ!!」

ところが、わたしは

多少困ったなと思っていたものの、腹がたってはいなかったんです。

相手の方は「あなたのことはよくわかる」

と、力強くおっしゃっていて

なんだかとんちんかんなことになってしまいました。

 

 

相手の立場にたって「わたしだったら・・」と考えることで

相手の気持ちがわかるのだと勘違いしてしまう。

 

相手はわたしではないのだから

「わたしだったら・・」では理解から遠ざかるんです。

 

自分の価値感、考え方、感じ方のまま

相手の立場にたってみても、わからない。

 

そのことを知っておくことで

誤解が少しでも減っていって

豊かな交流ができるのだと思います。

 

 

 

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