イラストを描くときのこと | miyo tsuchiya's blog

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土屋みよの日々のつれづれ

こんにちは。

今日は私の中での決めごとのお話です。
イラストを描くとき、何を大事にするか
その考えにいたるまでのお話。


今はイラストレーターとして活動させてもらっている私ですが、
もともとイラストレーターは全然目指していませんでした。

絵は赤ちゃんのときからずっと描いていて、
自然と絵の道でやっていくもんだとは思っていました。
が、母が昔イラストレーターをやっていたので、
なんだか子供ながらにプライドがあり、同じルートは通るまいと思って
意識的にイラストレーターの道は避けてたんです。
そしたら気持ち的にもそっちには全然向かなくなっていました。

とりあえず漫画を書いたり油絵を描いたり、いろんな夢を見ていろんな挫折を繰り返し。
今のイラスト描き始める直前の大学3年生の頃は、
美大で制作をしていたので、そのまま作家を目指していました。
そこで今までで一番大きな挫折を味わいます。

そのときのことを書いた記事を、前にFacebookで友人限定公開していたので
それをここに転載しますね。
(もともと作品を紹介する投稿だったのでちょっと話はずれます)



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この年はターニングポイントというか、挫折から始まった年でした。
2年生後半からはちょっとこれでいってみようと思い、春休みもアクリルガッシュで絵を描いてました。
1枚目の絵みたいな感じです。この絵はワレモコウという植物を描きました。

それで、3年生になった4月に村上隆主催のGEISAIという展示会に何枚か出展してみたんです。
初めての外部の展示会出展です。
すごく頑張って作品を描いたつもりでした。が、
自分の学部内の世界しか知らなかった私にはショックすぎる展示会でした。

周りの参加者さんのレベルが高くて、高くて、
絵のうまさだけじゃなくて、絵に対する愛とか、情熱とか、探究心とか、思想とか
とにかく圧倒されました。
こういう人達が芸術の歴史を変えるんだと思いました。
そして私が20年間自分は本気だと思い込んでやってきたものはなんだったんだろうと思い、
その日はショックのあまり19時に寝ました。

が、次の日からはどうしようもない焦燥感で、
出展した作品全部に泣きながら手を加え続けていました。
そんなことしても一回完成させた作品が良くなることはないんですが。。
絶対面白い作品つくってやる!と思いながらも、どうしたらいいのか分からず、
工房でも泣きながら版画の下絵を描いていました。
そうしたら信頼してた教授が見に来てくれて、
「いま悩んでるんですが、とりあえずこうやったら面白いかなとか考えてて・・」
とその時の自分の考えを説明したら
「そんなのは全然面白くない。そんな小手先でどうにかしたってあなたのいいところは出てこない。もっと考えなきゃいけない」とバッサリ斬られ
更にどうしたらいいんだよー泣、となる日々(-_-。)

とにかく今自分が描けるものを描ききろうと思って描いたのが
2枚目のメゾチントの作品です。
花としての今生、というタイトルです。
今この命は、花として生まれたけれど、
本当は魚に、鳥に、人に生まれる可能性もあったかもしれない、
全ての命は全ての可能性の中から今この瞬間に偶然生まれたものだという考えで描きました。
描ききってよかったなと思う絵です。

これに少し遅れて、同時進行で描き始めたのが3枚目のエッチングです。
fusionというタイトルで、これも考えは2枚目の作品に似てます。
はしょります。
今までの絵とどう違うかは説明しづらいけど、もう私はこうですと言いきる覚悟?がちょっと出てきたかな。。
そんなこんなで、謎の自信がへし折れて考え直し中の作品でした。
でも、挫折を境に
私が本当にやりたいことはなんだろうと考えるようになって、
デザイン事務所でバイトしてみたり、アーティスト支援みたいなことをやってみたり、マーケティングやデザイン系の授業を多くとってみたりして
視野を広げられるようになったと思います。






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と、こんなことがありました。
それで、自分が絵を描く ということについて改めて何ヶ月か考えたんですね。

私は、現時点で自己満足を描いただけで評価してもらえるほどの画力はない、
究極の自己満足を描けるほど自己の内面を掘り下げることも出来ていない、
私の絵を見て圧倒される人も、刺激を受けてくれる人も
うらやましいと思う人も、世界観が変わる人もいないかもしれない
けど
人を喜ばせることならできるんじゃないかな
と思いました。

もともと小さいときから友達に「◯◯描いて」と言われて描いたり
似顔絵を描くのは好きで、
めちゃくちゃに社交的なわけではないけど、
人の話を聞くのが得意だったし、
人とコミュニケーションがとれる絵がいいなと思っていました。
それらをまとめて考えていくと、、

イラストレーター、いいんじゃないかなと思いました。


そういう経緯で今の感じの活動に至ったので、
同じ絵でも絵画とイラストは考え方を分けています。

イラストを描くときは、
圧倒する絵じゃなくて、
人に喜んでもらえるイラストを描くこと。
幸せにすることを一番大事にすること。

その中で、刺激を受けてくれる人がいたらそれはうれしいし
自分がいいな、と思う感覚も一緒に伝えていければいいなと思っています。
でも一番は喜んでもらえること。
今は私自身それが一番うれしいです。

もちろんすべてのイラストがそうあるべきと言っているわけではなくて、
あくまで私がイラストを描くならという話です。
そして、絵画の道も諦めたわけではなくて、やっぱりずっと憧れはあるので
将来的に、絵画はまた純粋に自己表現として描きたいなと思っています。


というわけで、かっこよく言うとポリシーみたいなお話でした。
これからも、これだけはいつも心がけて活動していきたいです。