amazonタイムセールで激安投げ売りSSDがあるけど話題になっていないのでレビューします。
今回買ったのは日本addlinkのS20 1TBです。addlinkというメーカーは台湾製だそうです。
で、結論から先に言うと、DRAM無しQLC-NANDのSSDだと思います。書き込み寿命からしてSLCキャッシュがあるのかも怪しいです。
代理店のリンクスインターナショナルのスペック表では2020年5月の時点でTLC-NAND採用と書かれていますが、現在は中身が変わっていると考えて良いかと。
DRAMキャッシュ無しは予想通りとして、コントローラーチップをググると、Phison S11Tはチップ内に32MB(GBじゃないです、MBです!)のDRAMを搭載しているそうです。最低限プチフリーズを回避出来る程度なキャッシュサイズです。
以下、実際のレビューです。
画像はCrystal Disk infoの比較で、左からOS用SanDisk Extreme Pro 240GB、真ん中はゲーム読込み用GigaStone Game Turbo 1TB、右が今回のaddlink S20 1TBです。OSやゲームのテンポラリファイル用にしています。説明するまでもないですが注目点に番号を付けました。
①総書込量(NAND)は、実際にOS上で書き込んだ数。計算すると分かりますが、これだけでも数値に違和感があります。
②平均消去回数は、全体書き込み回数がキャッシュ等々で平均化された数。普通はここがSSDの書き込み回数としてカウントする数値かと思います。つまり、平均消去回数が最大消去回数(スペック)に到達すると寿命で0%になるはず。
謎なのは、③の総消去回数ですね。DRAM無しSSDにしか項目がありません。しかも、addlinkだけ異常値です。
というか、まず①からしてaddlinkとGigaStoneは数が合っていません。この2つのSSDは一緒に買って同時に使い始めたので使用時間と電源投入回数が同じです。
用途が全く違うので総書込量が全く違うのは理解できますが、addlinkは1TBに対して総書込量(NAND)1.67TBしか書き込んでいないので②の平均消去回数は1.5回ほどのはずですが、なんと21回=約21TB書き込んだのと同じ消費量です。
これは多分キャッシュがほぼ効果無しという事だと思います。Amazonレビューで1つだけコピー検証をしている動画ありました。
これを見て自分も700GBほどコピーテストをしました。
画像撮り忘れたのですが、もっと酷く、同じ様に速度低下をしたあと半分の350GBほどコピーした辺りで6MB/sまで落ち込みました
これはつまり、SLCキャッシュがあるとしたら全体の5%以下しか無く(もしかするとOSキャッシュが効いてるだけでSLCキャッシュすら無いかもしれませんが)、あとは直でQLC-NANDに書き込んでいるという事だと思います。
Gigastone Game Turboでも同じコピーテストをしましたが、50MB/s以下にはなりませんでした。こちらは最大消去回数(スペック)がaddlinkの3800回に対して5000回なので、DRAM無しTLC-NANDのSSDだと思います。総書込量(NAND)595GB=平均消去回数は約0.6回のはずが3回なので厳しいですが、addlinkに比べれば全然マシです。
これを踏まえてaddlink S20 1TBの寿命を単純計算すると平均消去回数1回=79.8GBなので、総書込量(NAND)303,915GB=約304TBが限界ということになります。1TBに対して約300回なので、ぴったり素のQLC-NANDの寿命と一致します。
正直、この酷いスペックでは使い捨てにしても書込速度が重要なテンポラリファイルには使えませんね。OS用なんて論外。ゲーム用にしてもインストールは遅いのでどうしようかという感じ。
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