管理栄養士おススメの健康推進法
~青商会世代に多い「中年太り」と「夏バテ」を解決できる食材とは~
今日の専門家
管理栄養士
編集部:最近、すこしお腹にお肉が付き始めてきていて…どうしたものかと。食べ物やお酒が原因だとは思うのですが、どうにかならないものでしょうか?
専門家:青商会世代にもなると会食の機会が増えて、仕事も忙しく不規則な食生活になりがちですよね。会食時にお酒を飲むのは仕方がないとして、今日は普段の食事にフォーカスをしていきましょうか。
栄養面でバランスの良い食事という観点からいくと、糖質(ご飯系)・タンパク質(肉魚)・ビタミン(野菜)この3種類がちゃんと揃っているかというのがとても大事です。例えば蕎麦屋で、ざる蕎麦とか天ぷら蕎麦を頼むなら、鴨ネギ蕎麦の方が栄養面で良いし、おにぎりを買うなら梅とか昆布よりは、シャケが良いですね。
編集部:最近はスーパーやコンビニの弁当でも前述の3種類は含まれていることが多いですからね。でも、青商会世代の働き盛りの人たちだと、立ち食い蕎麦屋にも行けずコンビニ弁当すら食べられずに仕事に忙殺されることも多いと思うんです…
専門家:そうですよね。全国の青商会の皆さんは、青商会の活動以外にもアボジ会やその他の愛校活動の重役を担っている方が多いので、土日も忙しくてゆっくり食事する暇が無いのも分かります。そんな究極的に忙しい人は、とりあえず、ゆで卵だけでも食べるようにしてください。ゆで卵なんて、3秒で食べられますから(笑)。卵はタンパク質のほかにもビタミンが豊富なので、本当に時間が無い時におススメですね。親子丼やタマゴサンドとかもGOODです。
一番いけないのは、とにかく炭水化物どーん!っていう食事でただお腹を満たすのはNG。外食のチャーハンとかカレーライスとか…ほとんど炭水化物と脂質だから。お腹にお肉を溜め込んでくださいと熱望しながら、お金を払っているようなものです。そんなタプンタプンのお腹じゃ、奥さんも娘さんも一緒にお風呂入ってくれないですし、新しいスーツなんて新調しないですからね!!!
編集部:はい…すいません…私の特技は、炭水化物どーんです。でも、やっぱり食事はガッツリ食べたいんです(泣)
専門家:それなら、まだ生姜焼き定食とかハンバーグ定食を選ぶようにしましょうか。タンパク質が豊富に入っている定食系を選ぶのをおススメします。
編集部:なるほど!それなら、僕の胃袋も満たされそうです。でも、これから夏本番。梅雨明けも発表され連日猛暑が続くと、食欲も失せて夏バテするのではないかと心配です。
専門家:夏バテを乗り切るためには疲労を身体に溜め込まず、いかに早く回復させるかが重要です。
編集部:どんな成分が疲労回復に効くのでしょうか?
専門家:疲労を回復し体力をアップさせる栄養素は、大きく分けると3つ。
①タンパク質とビタミンB1
細胞の修復にはタンパク質が必要です。人間の最大のエネルギー源になる栄養素は糖質ですが、その代謝に関わるビタミンB1も疲労を溜めないための大切な栄養素です。不足してしまうと糖質を上手にエネルギーに変えることが難しくなるので疲労に繋がります。
②アリシン
体内で疲労回復に重要なビタミンB1と結合して血中に長くとどまる作用を持ちます。
③クエン酸
食事から摂取した栄養素をエネルギーに変える働きを高めてくれるので疲労回復の効果があります。
編集部:「タンパク質」「ビタミンB1」「アリシン」「クエン酸」…すいません、理科はあんまり得意じゃないので栄養素は覚えられそうにありません(笑)。分かりやすく食べ物を紹介してくれると助かります。
専門家:まずはタンパク質ですが、肉や魚、卵、大豆製品(豆腐、納豆など)にタンパク質が多く含まれているので毎日しっかり摂るようにしましょう。
続いて、ビタミンB1は玄米や全粒粉などに含まれているので白米や食パンを玄米や全粒粉パンに代えてみるのもいいでしょう。また動物性タンパク質の中でも豚肉、うなぎは特にビタミンB1が多いのでおススメです。
そしてアリシンですがこれは、ニンニク、玉ねぎやニラなどのネギ科の野菜に多く含まれます。ニンニクは我々在日にとって馴染みの深い食材でもありますし、この時期は特に意識して摂れるといいですね。
クエン酸はご存知の通り酸っぱいものにたくさん含まれています。みかんやレモンなどの柑橘類や梅干し、お酢などです。
編集部:おー!とても分かりやすい!さすが、理科のソンセンニム…じゃなくて管理栄養士さん。でも、これだけ暑い日が続くと食欲が湧いてこないので、これらの栄養素も摂取できなくなってしまいます。何か良い方法はありませんか?
専門家:我が家では夏になると、とにかくお酢を効かせた料理が多く登場します。お酢は食欲を増進させると共に食中毒予防にも効果があるので夏には欠かせないアイテムです。例えばシンプルにきゅうりと大葉に竹輪をプラスした酢の物だとか、鶏肉と卵のさっぱりお酢煮など…
焼き物や揚げ物にレモン果汁をたっぷりかけてみたり、夏に流行る赤しそジュースや梅ジュースなどドリンクで摂り入れるのもいいですね。あとはやっぱりニンニクを使った料理。キムチとニラ、豚肉が合わさった豚キムチなんて夏を乗り切る最強メニューですね。
編集部:なんとなく、この話を聞いただけで夏バテと中年太りが解消された気がします!チョンマルコマッスンミダ!家族・ハッキョ、そして在日同胞社会をその体一つで守り抜いている青商会の皆さん。忙しい中にもしっかりと栄養が含まれた食事を取り、この厳しい夏を乗り切っていきましょう!!栄養満点の食事のことで相談したい方は、下記のアドレスまでご連絡ください。順次ご回答いたします。
kycsaitama@gmail.com