きょうの太陽から 2014年1月5日 | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

サビアンシンボルは
山羊座14度「御影石に刻まれた古代の浅浮き彫りが、長いあいだ忘れられていた文化の生き証人として残り続けている」

このシンボルのキーノート(基調)は
「どんな文化とも同じようにわれわれの文化において、不変の価値をもつものを発掘し不必要なものを手放そうとする意志」

きょうはどんな日?
正当な根拠をもつ歴史的な眺望に基づいた鋭く透徹した勇気ある洞察力が求められ、国家や集団の歴史と同様に個人の人生の過去についての大きな見直しが必要とされるときです。

自身の内面に極度に集中することを通じて、特権性や貴族性を排した、解剖的でも分析的でもない具体的な知性の活用をかんがえておきたいときというのがきのうでした。火を崇拝するということは変容を志向し希求するということ。変容の絶えざる連続こそが伝統。瞑想や思索を通じて得られたものに開放性が認められてこそ、知は有効に使われるのだという具合でしたが、かんがえられることはあったでしょうか。きょうはさらに広く歴史的な視野が要求されます。

きのうのテーマの要点は伝統的に脈々と続いている文化の営みに自分の思考がどれだけ接近できるかということにあります。英才教育的に伸ばされたエリート然とした個性と、特権的ではあるが高度に専門的な知性との統合は、それら自体の閉鎖性を排して公に開かれることで広く一般に通じている伝統的文化ときわめて近似した知の体系となり得るのです。ここにはみずから構築した知の体系の正当性および正統性に対する確固たる自信が存在していますが、きょうはそれも含めて既存の伝統的文化についてさえも正当性と正統性とを検証するプロセスになります。シンボルに描かれている浅浮き彫りはおもに西洋の宗教建築の装飾として目にすることのできる彫刻です。聖堂などを礼拝する人々の視線を集めると同時にそこに集う人々を眺め見守ってきた、人間の信仰の歴史を目撃し続けてきた存在です。つまり人間の文化において普遍・不変といえる価値を代表し象徴しているものということです。私たちが通常これは伝統的で〈正しい〉のだと信じているような文化や慣例的な習俗が、本当に正しいものであるのかどうかいったん疑ってかかってみることがきょうのテーマとして暗示されていることです。とはいえいたずらにただなにもかもについて懐疑的になるのではありません。恒久的な価値や重大な原理と個人的な癖や習慣は切り離してかんがえる必要があります。また改良や開発の名のもとにたいていの場合その文化のそもそもの独自の理念を誤らせ無効にしてしまいさえする社会的政治的な営みも、ここでは分けてとらえるべきです。根本的に普遍だと信じられているものの普遍妥当性をいま一度見直してみようということがここでは示されています。またこれは言うまでもなく歴史的な視点からとらえ直す作業となりますが、文化の所産を歴史的に眺望してみた際にそのなかに自分の思考がすでに先どりされていることにも気づくでしょう。上述のような近似からそれは当然のことですが、先人の成し遂げたことと自身のそれとの近似や類似や接点が見い出せるがゆえに、その両者ともの正当性と正統性とを検証する必要が生じるのです。それは本当に残り得るものか、残すべきものなのか。理想や理念の〈結晶化〉のために、「あり得べき姿」の本格的な具体化のために必須のプロセスとしてとり組んでみてください。まったく無意味な制限をかけたり限界を設定したりする傾向が見られるときでもあります。疑うことと拘束することとは別個です。