2014年9月9日満月のサビアンシンボル読みあわせ | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

[太陽]
乙女17度「火山噴火」
キーノート「長期にわたって抑制された無意識の内容物の爆発的なエネルギー」

最も基礎的な術語においてリアリティを構成する自己と自然の絶え間ない拡張のシンボルであり、ここでは存在し続けようとする生の物理的身体的な力と盲目的な衝動の側面が強調されている。驚きと破壊性とは自身の体験の批判的な相における人間の最も容易な自己発見であるということが含意されており、またそれはしばしば人がなんらかの大きな問題に向きあおうと行動を起こす際のまったくの暴力によって支えられている。人の抗い難い突発的な爆発とはただ単に自身の深い潜在力の全体的な動員にすぎないのかもしれない。

キーワード:EXPLOSION(爆発、破裂、噴火、急増)
ポジ:皮相的なものへの拒絶と自身の本当の秩序化としての創造的情熱
ネガ:苛立ちおよび癇癪

[月]
魚17度「復活祭のパレード」
キーノート「優秀さの発揮において共同体の人々を結びつける、あらゆる社会文化的なイメージに固有の受容能力」

意識レベルにおいてリアリティを特徴づける自己と体験の絶え間ない拡張のシンボルであり、ここでは人間性のまったくの個人主義的な自己表現の側面が強調されている。人間の虚栄心と自己顕示のあらゆる馬鹿馬鹿しい極端さは、個人的な美点のそれぞれの最小限の表明は発達の基本条件として広く好意的に共有されるべきだということを実現するものなのだということが含意されている。人間社会とは人が自分自身を満足の行くように劇化できる限りにおいてのみ存在するのである。

キーワード:CELEBRATION(称賛、賛美、祝賀、祝典)
ポジ:他者への効果的な創造的刺激における飽くなき自己洗練
ネガ:注意を惹くことへの異常なまでの渇望

両者の冒頭で共通しているのが〈絶え間ない拡張〉ということ。前者は自己と自然の、後者は自己と体験のという違いが現れているが、前者は私と私をとり巻く世界とにフォーカスされていて、後者はかなり個人性に重点が置かれている。とは言え魚ともなればそれは単なる利己ではなく利他としての個人的な体験に視線が向けられているはずなのだが、厄介なことに自己顕示の色あいが強いものとなっている。しかもそれが個人性を示す月の度数なのだからさらに難儀な話だ。

自分の内面の充実を図ろうとする一方で、それはいやらしくも浅ましい虚栄になりがちであり、そしてソーシャルな側面ではともすればかなり粗暴な爆発的噴出となって表れやすいというのが今回の満月の示すところである。太陽のほう、乙女17度が示しているものは、キーノートにあるとおり長期間抑圧されてきたものの爆発的な顕在化だ。長年懸案だった課題がかなり極端で危機的なかたちで突出して顕になったり、積年の恨みつらみなどが非常にまずい具合に噴き上がったりしやすいときであると言える。

ここで表面化するにいたったことがらはかなり根深いものであるのは間違いなく、抜本的な解決に向けて腰を据えてとり組む必要があるだろう。自分の満足を大切にするのは構わないが、それに人を巻き込んでいるのだという意識は忘れずに。うわべだけ事態を収拾させようとするのではなく、見えてきた問題に深い根本的なレベルで関わること。それをこの半月のテーマとしていただきたい。