2014年10月8日満月のサビアンシンボル読みあわせ | すずきふみよしの「星の音を聴く」

すずきふみよしの「星の音を聴く」

読むこととはすなわち聴くこと。耳を傾けること。
ホロスコープから「聴いた」ものを、そして感じとったものを、日々丹念に言葉にしていきます。

[太陽]
天秤16度「嵐のあとでボート乗り場が再建を必要としている」
キーノート「広大な無意識と自我意識とを一定してリンクし続ける必要」

一人格としての人間と自然のまったくの非人格的な力とのあいだに存在する皮相的で非友好的な諸関係のシンボルである。反転されたシンボリズムにおいて強調されていることは、リアリティの個々の段階を原初状態に復元するための全体にわたる秩序化の側における絶え間ない試みとしての宇宙の無欠性である。これは人間の努力の阻害や挫折というよりはむしろ新たな達成のための刺激であり、自身の有用性を凌駕するあらゆるものからの解放なのである。ここで含意されていることは純粋な個性にとっての課題である。

キーワード:RESPITE(小休止、中断、息抜き、延期、執行猶予)
ポジ:人生の頻発する非常事態に自己適性をもたらすことの喜び
ネガ:不活動の言い訳としてのフラストレーション

[月]
牡羊16度「日没の光のなかで自然霊が動くのが見られる」
キーノート「自然の目に見えない力という潜在能力に同調すること」

一人格としての人間と自然のまったくの非人格的な力とのあいだに存在する本質的で友好的な諸関係性のシンボルである。宇宙の無欠性はリアリティの個々の区分について言えば純粋な源泉に絶え間ない復帰を要求し、また普遍的な活動が万物に利便性と秩序を与えるよう絶え間ない分類と精査をもたらす。ここで含意されていることは自分というもののあらゆる特有の受容力の終わりなきリハーサルと展覧としての生命の舞踊である。

キーワード:INVIGORATION(活性化、鼓舞)
ポジ:努力の直接的な結実としての無限の機会とともにある単純な幸運
ネガ:本当の自身の興味において行動することの完全な不能についての妥当性の妄想

両者の冒頭はほとんど同じであり、「皮相的で非友好的」と「本質的で友好的」な諸関係(性)という鮮やかな対照性が示されている。主題とされていることは、人間個人の力がおよぶものごとやその範囲を圧倒的に超えている自然の力とどのようにつきあうのかということだ。無慈悲で情け容赦のない存在に否応なしに向き合わなければならないという現実――その際になにを頼みにすべきかが、この二つのシンボルでは対比的に描かれている。

太陽のほう、天秤16度では、その非情な現実、しかも繰り返したびたびやってくるような突発的な危機的状況を、自分をリセットする契機として受容する態度が示されている。そうやすやすと前向きになれるものだろうかと疑問におもわれるかもしれないが、事態への適応力は高いものが見られることだろう。無力感に苛まれ茫然自失となろうとも、まずは現実を直視すること。そしてそこで大きな力となるものは、自身の無意識という広大な能力の源泉である。再建・再生・再構築の、意欲も資本も方法も、すべてが自分のうちにすでに備わってあるはずだ。

一方で月のほう、牡羊16度で示されているのは、自分の内面よりはむしろ自然の側にそれらの手がかりを見い出すというやり方だ。危機的な状況を受容するということに加え、解決にその状況をもたらした存在の力をうまく利用していこうというアプローチである。実に日和見的ではあるが、無邪気とも言えるその姿勢は状況においてけっしてマイナスに働くことはないだろう。

前回の満月では長年懸案だった課題の抜本的な解決に向けて腰を据えてとり組む必要が迫られていたが、今回はもう少し緩くとらえて、自分の心の安定を追求することに傾いてもよいだろう。のんびりと心に補修を施しながら、先の展開は流れに任せるような半月にしてみていただきたい。