古本屋さんのこと。 | あいののまんまるのーと

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大久保 藍乃です。

『こんにゃく座歌役者』です。
『歌のおねえさん』となって子ども達に歌を届けに行くこともあります。

うたってうたって、旅して歌って。
お歌の事や旅のこと、気が向いたらゆるゆるっと更新します。

1月もそろそろ終わり、寒くて寒くてしんどいなー。な最近です。
けど、子ども達と卓球したり、外でおにごっこしたり、なーんてしていると、気がついてたら軽く汗ばんでいたりする、そんな驚きな毎日です。
 
 
今日は午後少し時間があったので、自転車でいろいろまわりました。
っと言っても25日だし、主に銀行回りですが、、
 
それで思い立って隣駅まで自転車走らせ、最近お気に入りの古本屋さんまで行きました。
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本屋さんは昔から好きで、高校生のころとか、学校帰りは毎日本屋さんに寄って、何を買うでもなくふらふら本屋さんの中を歩いて回ってたものでした。
大人になってからはなんとなく疎遠になってしまっていた本屋さんですが、ここ最近、探している本がありまして、どうやら絶版で、しかも一部のコレクターさんに人気?とかでネットでもなかなか手に入らない。。。あってもとても高い……。
 
「古本屋さんならいつか出会うんじゃないか!」っと始めた古本屋巡りだったのですが、いやはや、お目当てなくても全然違うお宝発見がたくさんで、楽しい楽しいのです。
 
ここ一週間は吉祥寺をはじめ、高円寺や阿佐ヶ谷にも足を伸ばしはじめまして、いやはや、どっぷり古本屋さんの魅力に取り憑かれました(・∀・)!
普通の本屋さんだと、たいていはどの本屋さんも新作を目立つところ置いているから、目に付く本はだいたいどこも一緒だけど、古本屋さんはまるで違うのです!
そのお店のオーナーさん?のコレクションやタイミングで、まるで違うお店…。
やたら難しくてわからない本屋さん、絵本ばっかりの本屋さん、とてつもなく古くて崩れてしまいそうだったり、展覧会の図録ばっかりあったり……
本当に見つける古本屋さん、一つ一つ全部をくまなく見て回りたくなってくるのです!
 
しかも、素敵な本に出会っちゃうと、「次はもうないかも…」って思うと買いたくて買いたくて……
一生懸命、我慢してどれか一冊!って思うのだけど……
 
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今日は給料日だし、いいかな!
っと本日の戦利品は3品。
 
真ん中の『マザー・グースのうた』は谷川俊太郎さんの詩によるもの。
林光さんのソングになっていてなじみ深い詩もいくつかあって、イラストも一緒でとても素敵な1冊。
こおゆう、ふわっとした読み物って、最近あんまり出会わないな。
こどもたちには、どう響くのかな。
読んでいると、イラストの中の子ども達の歌声が聞こえてきそうな詩集でした。
 
右の『おしゃべりな絵』はいつか行われた長新太さんの展覧会の時の図録?なのかな。
まだ詳しく読んでないのだけど、長さんのイラストがふんだんに盛り込まれた贅沢な1冊。
こどものころ「キャベツくんとブタヤマさん」って絵本が好きで、ずーっと読んでいて、その作者が長さんだったって、実は最近知りました。
そして私がここ最近探している本も長さんのイラストのもの。
あぁ、探し物が近づいて来てる気がする!!ってなわけで、運気も引き寄せる意味も込めて購入。笑。
 
 
そして左の『あいうえおえほん』は小学館が出していた保育絵本ってもの。
以前、この古本屋さんでは、同じように大振りで分厚いページの『童謡絵本』を買ったのですが、それと同じようなサイズ・雰囲気だったので、シリーズかなって思ったのだけど、そうではないみたい。
 
“あいうえお”や“かきくけこ”が盛り込まれた一つ短いお話しの詩が、各行(あかさたなはま…)分あって、それにちなんだイラストが載っている。イラストはそれぞれ違う人が書いていて、詩は全て三越左千夫さん。
その詩がどれもとてもリズミカルで、そのまんま歌えてしまいそう。
あぁ、音つけていつか歌ってみたいなー。
 
なかに「おかあさまがたへ」って文章があって、そこにはこの本作った方々の、幼児教育への想いがたくさん書かれていました。
ただ、文字を暗記させ覚えさせるではない。文字だけで内容を理解するのではなく、文字と一緒にイラストを見て視覚から想像力を与えていく。字もとても大振り。ついで本も大振り。
何年刊行かはっきり書いてないけど、多分1972年。
今も昔も、時代の流れとその中で生きる子ども達へ、どんなものを創っていこうかって考えている人がたくさんいるんだなーって。じゃあ今の子達にはどんなものを提案できるか。てか今はどんな時代なんだろう。なんだか悩ましいなぁ。
 
値段が書いてなかったから、おじさんが「状態そんなに良くないし300円でいいよ」って言ってくれた。うれしいです。
 
 
 
っとそんなで長く長く店内にいたところ、
ドアをばーーーーん!って開けて入って来た子がいましてね、
小学2年か3年生ぐらいの男の子だと思うんだけど、おじさんに会うなり
「新しいのは!?」
って騒いでて、「これ、3冊あるけど、もう持ってるんじゃないの?」って言って本を渡してました。
男の子はそれぞれみて、これは読んだ、だのアレを探している、だのワーワー言って、そのあとは床に荷物と小銭をばらまいて、一生懸命お金を計算して、お金を渡してまた元気よく去っていきました。
 
また静かになって店内で「今時、お小遣いで自分で本買う子なんて珍しいよね」っておじさんが言ってました。
でも彼が好んで読んでるのは、漫画ではないけど、ちょっと漫画にも近いような、挿絵もポップなやつ。
 
「彼のお母さんは、もっと崇高な本を読んでもらいたいって思っているみたいだけど、僕はそんなことはあまり関係ないと思いますよ。って言ったんだ。彼、お母さんと来ると、お母さんはしぶしぶ買うんだけど、お小遣いなくなると今度はおじいちゃん連れてくるんだよ。そうするとたくさん買ってくれるからね。読むのもどんどん早くなってきた」
 
「あの子は絶対、生涯本好きになる」
 
ってそんなお話ししました。
 
なんだか短編小説の一つのような瞬間に立ち会ってしまった気がします、とさ(・∀・)!
 
 
 
「では、私も欲しいものは我慢できないので3冊ともいただきます」
ってことで本日は贅沢な時間と宝物のお買い物でした。
 
 
 
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こんにゃく座の2月公演のしおりも置いてもらったよ。