65歳以降に年金貰わずに増やしたいのにどうして上手くいきにくいのか等(本日の有料版ご案内) | 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座

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知れば知るほど奥深い年金制度!
僕も日々勉強ですが、一人でも多くの方に年金の事を知って欲しいと思います。
年金は…正確に書くように努めてはいますが、少しでも年金の事を知っていただければ幸いであります。
一緒に年金について考えてみませんか?

おはようございます!
年金アドバイザーのhirokiです。



桜の季節になり、早く咲かないかなーと思うと同時に年中見る事が出来たらいいのにと思ったりします。

でも年中見れたら、その一瞬の儚い時間の有り難みを忘れてしまうから、やはり命の有限さがあるからこそ大切にしなければならないとあらためて思い出させてくれるのでしょう。

様々な事を当たり前と思ってしまうと、当たり前がどれほど有難い事なのかを忘れてしまいますからね…
だから失った後に後悔する。

世の中には永遠は無いのに、それを信じたくないとか見たくないのが人間なのかもしれませんが、いつまでも当たり前が続くと勘違いしないようにしたいものです。


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では本日3月27日20時の有料メルマガご案内。
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3月27日の第339号.「夫婦共に繰り下げを利用していた場合の遺族厚生年金計算と受給する側の取り扱いの違い」


(概要)
65歳から受給する老齢基礎年金と老齢厚生年金は、自分の意思で年金をしばらくは貰わずにしておく事が可能です。

もうだいぶ高齢者雇用で働く人が多くなったので、働いてる間は年金は不要だからしばらくは年金貰わずに給料や蓄えなどで生活していこうと考える人もいるでしょう。


じゃあ年金を貰わない間はどうなるかというと、今までも紹介したように1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額させる事ができます。

例えば65歳から68歳までの36ヶ月貰わずに受給を待てば、36ヶ月×0.7%=25.5%増額となり、もし65歳時の老齢厚生年金が100万円であったなら1,255,000円に増額する事になります。


最近は物価や賃金が上がり気味なので、年金も上がってきてはいますが基本的に年金がそう簡単に増額しない現代においては有効な方法といえます。
これを年金の繰下げ制度といいます。


なお、65歳以降年金を貰うのを遅らせる繰下げ制度は昭和36年4月から始まり、それ以降ずっと70歳までの5年間が最長でしたが61年後の令和4年4月1日以降に70歳になる人からは75歳まで繰下げする事が可能になりました。


そうすると65歳から75歳まで遅らせると、120ヶ月×0.7%=84%増額という事になり、65歳時に老齢厚生年金が100万円だった人は184万円になります。

単純に計算すればそういう事になりますが、よく問題になるのは遺族年金が発生したような場合です。


高齢になるとどうしても亡くなる人も増えてきますので遺族年金(特に遺族厚生年金)が発生する人も増加してきます。

その時に年金を繰下げ中だった場合に、あれ?という事が発生したりします。


年金受給者が死亡した場合は、基本的に老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3が遺族厚生年金になります。

そうすると上記のように老齢厚生年金が繰下げにより増加した時に死亡したら、その4分の3になるのでしょうか。


実はそうはならないんですね。

あくまでも65歳時点の年金額の4分の3が遺族厚生年金となります。


では逆に遺族厚生年金を貰う側(例えば妻)自身も年金の繰下げをしていた時に、夫が死亡して遺族厚生年金が発生した場合はどうなるのでしょうか。


これがよくあるパターンなんですが、妻が繰り下げで年金貰うのを遅らせている最中に夫が死亡すると、その時点で妻は自分自身の老齢の年金を遅らせる事が不可になります。


例えば妻が65歳から75歳まで遅らせようと考えていた時に、67歳8ヶ月の時に夫が死亡するとそれ以上は年金を遅らせて増加させる事は不可能となり、67歳8ヶ月まで遅らせた分である32ヶ月間で繰り下げ増額率を計算します。


そうすると32ヶ月×0.7%=22.4%増となり、65歳時の老齢厚生年金が50万円、老齢基礎年金が70万円だった場合はそれぞれ老齢厚生年金50万円×122.4%=612,000円、老齢基礎年金70万円×122.4%=856,800円となります。


よって、年金の繰下げで年金を増やして老後を豊かにしましょうという事はよく言われるようになりましたが、老齢以外の年金の受給権が発生するとそこで繰下げができなくなるので注意が必要です。


なぜ他の種類の年金の受給権が発生すると老齢の年金を貰うのを遅らせて増加させる事ができなくなるのかというと、他の年金をもらいながら老齢の年金を増やすような事態になるからです。

まあ、年金で年金を増やすようなもんですね。


このように最近人気の繰下げ受給ですが、年金を増額させるだけ無駄になる事もあります。

なので今回は夫婦で年金の繰下げをしていた場合の、遺族厚生年金が発生した場合の年金のもらい方を事例として考えていきます。


遺族厚生年金の性質や計算式に注意する必要があります。



(内容)
1.老齢厚生年金受給者が死亡した場合の遺族厚生年金は死亡者の年金の4分の3?

2.夫が死亡して遺族厚生年金が発生したら、妻がやっていた老齢の年金の繰下げは無駄になる事もある。

3.夫が繰り下げてしていたが急な出費のために辞退。
4.65歳からの年金総額と繰下げ増額。

5.妻も65歳以降は繰り下げしていた時に夫死亡。
6.遺族厚生年金と妻の繰下げ年金の取り扱い。





(発行済み)3月6日の第336号は「65歳前の年金の何が特別なのかという事と、65歳前後の年金額の変動」


(発行済み)3月13日の第337号は「65歳前から受給してる人が65歳になれば年金が増えるという流れと、繰上げで65歳前から受給してる人」

(発行済み)3月20日の第338号は「20歳前障害による障害基礎年金の各制限と、昭和61年3月までの全額税金の障害年金をもらっていた人」

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(以降の予定記事)
4月3日の第340号.「目立たないけど歴史の変化の中で生まれた経過的加算と障害特例の事例」

4月10日の第341号.「遺族給付とその他の遺族給付を合わせた事例」

4月17日の第342号.低年金者向けに支給される場合がある給付金と、保険料を多く支払った人より年金額が多くならないようにする仕組み。

4月24日の第343号.国民年金保険料の前納の性質と、年金記録を数える時の誤算。

5月1日の第344号.数ヶ月ほど行方不明の後に遺体発見したものの、死亡日がいつなのか不明の場合の遺族年金の取り扱い。

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(2017年以降の記事の過去記事改訂版も日曜日に発行しています)
月額440円(税込み)で第1~4日曜日20時発行です。
第5日曜日や号外は発行していません。

・事例と仕組みから学ぶ公的年金講座(過去記事改訂版)

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(3月は以下を発行しました)
Vol37.失敗で終わった厚生年金基金の歴史の流れと、そして今現在の給付の注意点。

Vol38.厚生年金基金からの年金と国からの年金は別々であり、支給もこんなふうになる。

Vol39.国と厚生年金基金からの年金を貰いながら在職して年金が停止されるとこんなふうになっていく。

Vol40. 国民年金だけでは年金が少ないから国民年金基金に加入した場合の給付事例と仕組み。

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