ここ最近、ワンオペで営業している店舗さんに行く機会が多くあり、ワンオペ営業の店舗のサポートも多くしていますし、自身でもワンオペ営業経験も豊富にやっているので、今回は
ワンオペ営業
についての検証をしてみたいと思います。
まず、多くの方はこのように感じるのではないでしょうか?
ワンオペは大変!
はい、もちろん大変ですw
ただ、ワンオペ営業をしている店に行ってみると、ちょっとした改善で仕事がしやすくなる、回転率を上げる、手間を減らすことが出来る店が結構あります。
なぜ、そう感じるかというと
ワンオペ営業を想定した店の造り、導線、メニュー、調理行程になっていない
場合が多いからです
では、ワンオペ営業をスムーズにこなすためのコツをこれらの項目別に検証してみましょう
①店の造り
店の造りによってワンオペのやりやすさが変わるのは誰でもわかりますよね。
厨房が広さ、席数、作業導線、厨房&ホールの造り…など、スムーズな提供にはやはり店の造りは重要なポイントです。
ただ、既に店がある場合は改善しようにも限界ありますが、まずは
最適な席数
をしっかり見極めることが重要です。
「ワンオペだからとりあえず席数を減らそう」…という安易な考えが一番ダメですw
基本的にワンオペ営業で出来る席数の限界は
12席
程度までだと思っています。
(※提供するラーメンや店の造りによってもう少し上げることは可能ですが、あくまで基本的な考えとして)
これは一回のオペレーションで1人でラーメンを作り上げることが出来る杯数の限界からです。
では、なぜこの席数以上になるとワンオペが厳しいのかというと、それは提供可能数とかではなく
満足度、不満度
に関係します。
ラーメンを食べに来たお客様は
着席からラーメンが提供される時間
を「待つ」と感じます。
ワンオペの場合、どうしても一度に提供出来る食数に限りがあるため、提供に時間がかかり、調理工程や提供スピードがいくら早くても席数が多いと「不満」に繋がってしまうことがあります
この
「不満」を出来る限りお客様に感じさせない最適な席数
というのがポイントです。
・席数を少なくして外待ちの時間が増える
・席数を増やして着席から待たせる時間が増える
このあたりのポイントをしっかり判断して、最適な席数にしないとお客様が「不満」に感じてしまうポイントは色々あります。
そして、厨房機器の配置や種類でもワンオペ営業のやりやすさは大きく変わります
わかりやすいところでいうと
食券機
食洗機
の有無によってはかなり差が出ますよね。
このあたりを考えると
ワンオペ営業をする可能性を考慮した店の造りにする
ことは非常に重要です。
詳細は割愛しますが、この「造り」においては
実際どのような営業形態になるのか
という想定が出来る人でなければ設計や組み立てが出来ないので、新規開業者や厨房の設計を業者にお任せしてしまって失敗しているケースをよく見かけます。
後述の「導線」にも繋がることですが、いくら飲食店の設計の経験豊富な内装業者でも、ラーメン店の一般的なオペレーションしか考慮出来ません。
やはり厨房の基本的な配置、設計はラーメン店営業や現場に慣れている方が考えるのがベストだと思っています。
②導線
「導線」はワンオペ営業において回転率が相当変わる重要なポイントです
・一人で調理、配膳、バッシングをするための作業導線
・一人でラーメンを手早く仕上げるための調理導線
・ストック、補充などを迅速に行うための食材等の置き場所、整理
これらの様々なポイントをしっかり組み立てることで、提供スピード、回転率は大幅に変わります
前述の「店の造り」はこの「導線」を考慮した配置、造りにすることはもちろん重要ですし、実際の営業での仕込み、調理、注文受け、配膳、バッシングなどの一連の流れをしっかりシミュレーションして設計することが非常に重要です。
その導線をコンパクトに、動きやすくすることで
提供スピード
回転率
提供可能数
お客様満足度
を上げることが出来るわけです。
これはワンオペ営業に限った話ではなく、どの店でも作業導線を最適化することで改善出来ることが多々ありますし、人件費削減や作業効率や生産能力アップにも繋がります。
これも詳細について語っていたら大変なことになるのでwお店の導線についてはよくアドバイスしているので、いつでも相談お受けします。
③メニュー、調理工程
これもわかりやすい検証ポイントですが、やはりメニューが少なければ少ないほど提供スピードは上がりますし、メニューが多ければ提供スピードは落ちますよね。
また「調理行程が複雑」「手順が多い」「トッピングの種類が多い」「麺の茹で時間が長い」など、調理内容によっても提供スピードは変わります。
ただし、それを簡略化することで味に影響が出る、自分のこだわりを妥協する…というマイナス面は引き起こしたくないですよね。
自分がワンオペ営業で重要視している一番のポイントは
お客様の不満度
です。
いくらワンオペだとしても、着席から20分以上提供に時間がかかると、お客様はいくら味が良くても「不満」を感じてしまいます。
なので、その「不満」を感じさせないためのワンオペ営業の設計を組み立てていくと、最適なメニュー数や調理行程が見えてくるはずなんです。
お店を始めるときにコンセプトやメニューの種類、メニュー数から決めていくことは多いと思いますが、ワンオペ営業前提でお店を始める場合はそれ以前にお客様の満足度、不満度をしっかり考慮するのは非常に重要です。
④人員の想定
ワンオペ営業を最初からやるつもりではなく、売上が予想より低い、人員不足など、途中から
ワンオペ営業をせざるを得ない
状況になり、ワンオペ営業している店などもあるのではないでしょうか。
こういう事態を考慮して、自分は5~15坪程度の店舗の新規開業のサポートをする場合は
ワンオペ~3人体制営業
までを考慮して設計することが多いです。
・ワンオペの導線から3人体制の導線
・ワンオペでの調理行程から3人体制での調理工程
・ワンオペでの作業行程から3人体制での作業行程
このあたりをシミュレーションすると、その店舗の最適な造りや設計が見えてきます。
しかし、最初から複数人体制での営業を考慮した造りにしてしまうと、このような事態に陥ったときにワンオペ営業の対応がしにくくなってしまいます。
もちろん、店舗の規模やコンセプトなど以前に、全てこれを考慮しろ…とはいいませんが、スケルトンや厨房や客席を全て作り直す場合などは様々な想定をして店造りをすることをオススメしています。
自身が5.6年程前に「くじら食堂@東小金井」さんの旧店舗で間借りでイベント営業をやらせていただいていたのですが、このとき自分だけのワンオペ営業をずっとしていました
厨房も広く、カウンター12席の通常であれば2人か3人営業でやるような造りだったので、このときに重要視したのは、味はもちろんですがw
1時間に2.5~3回転の提供
着席から出来る限り15分以内の提供
でした。
なので
・メニューは基本一種類
・茹で時間が5分以上かかる麺は使わない
・トッピングはなるべくシンプル
・複雑な調理はなるべくやらない
・営業中に仕込み的なことは一切しない
などのルールを決めて、来てもらっているお客様に出来る限り不満を持たせない営業を一番に心がけてやっていました。
これらのルールはこの回転率で営業するための導線、元々の店の造りでの作業シミュレーションをして、決めたわけです。
※たまに調理行程大変なメニューやって、待たせてしまう営業もありましたが…汗
ワンオペの6時間営業で150食程度提供出来たのは、このあたりのルールや厨房の造りなどを考慮してやっていたからなんですね~
ワンオペ営業をしていることを考慮して待ってくれているお客様も中にはおられます。
しかし、ほとんどのお客様は着席から20分以上になると「不満」を少なからず感じさせてしまいます。
いくら美味しいラーメンを提供していても、その「待つ」行為で不満を持たれてしまっては元も子もないですよね。
ワンオペ営業をしているお店も、ワンオペ営業をせざるを得なくなったお店も、これらのポイントをしっかり見極めて、ぜひ
お客様が満足する
営業になれるようにしていきたいですね。
そして、改善出来ることはしっかり取り組んでいきましょう♪
ワンオペ営業をどのように上手くこなすかなどの相談も結構ありますし、実際に店舗設計や作業導線の見直しなどのサポートもやっていますので、悩んでいる方はぜひご相談を…
という、いつもの仕事的な売り込みでシメさせてもらいますw
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