皆さんは
喫食
という言葉を聞いたことあるでしょうか?
聞いたことの無い方はぜひググってみていただければと思うのですが
「食事をすること」
「満足して楽しく食事をとること」
ググってみたらこんな意味のようですね
今回はこの「喫食」という概念を飲食店側からの観点で検証します。
以前にも値上げの話のコラムでも少し書いたのですが、今回はこの「喫食」についてさらに深掘りしてみようかと。
この「喫食」という言葉は医療や保育の現場などでは使われること多いみたいですね。管理栄養士さんなどは「喫食率」なども考えてメニューを考えたりしているはずです。
今回このワードから飲食店事業者の方々が意識するべきことは
1食あたりの満足度
です。
要はラーメン1杯、丼1杯、定食、弁当などなど、どんな形でも食事をしたときに、その1食でいかに満足出来るか? という点を考えてみましょうということですね。
人間は誰しも「食」を取ります。
しかし、その中で「満足」出来る食事が出来たかどうかはまた別の話ですよね。
単に空腹を満たすための食事は「摂食」といいます。生活の中でいえば、自炊などで適当に作る、レトルト食品にする、コンビニ飯などで済ませた…みたいなことでしょうか(※最近のコンビニ飯は美味しいですけどw)
ということは、飲食店は「満足出来る食事」を提供するべき場所なわけですから、全てのお客様に対して「摂食」ではなく「喫食」を提供しなければいけませんよね。
では食事においての「満足」とは何を意味するのでしょうか?
一つは「味」というのがあります。
その方の好きな味、好み、ジャンル、様々な理由で「美味しかった」という感想になれば喫食が出来ていたということになりますよね。
これに関しては飲食店側には「頑張れ!」としか言えないのでw割愛します(※美味しくしたい!というご依頼ならいつでもお受けしますw)
もう一つは「空間」「場所」「環境」などもあるでしょうか。
誰とどこで食事をしたのか。好きな人、家族、友人や仲間との楽しい食事はそれだけで満足出来ると思います。
また、気軽に食べに行ける場所での食事や、空腹時の1食目などは満足感もあるのではないでしょうか。
これも検証する内容ではないので割愛しますw
では本題に。
もう一つは「量」というのがあります。
人によって違いはありますが、1回の食事で満足出来る量というのがあり、言い換えるとその量に満たない食事は満足感に欠けることにもなるわけです。
この胃の中に入る量、満足感を得られる量を
喫食量
と称されたりします。
この「喫食量」を意識してメニューの価格、1食の分量を計算している飲食店は果たしてどれぐらいあるでしょうか?
※この喫食量についての詳細はこのコラムにて書いてあるので、こちらも参照下さい
要は成人男性、成人女性が1食で満足出来る平均的な喫食量を意識したメニュー構成にすることも、お客様の満足度に繋がるというわけです。
例えば、男性がターゲットのお店で、成人男性の喫食量を800gとした場合、その量を注文するためのメニュー設定になっているのかどうか。
これは「大盛」「トッピング」「セット」などを含めた量でもいいわけですよね。
注文の仕方によって、その人の食べたい量が選択出来ればいいわけですから。
ただし、その喫食量に達する量を注文した際にどれぐらいの価格になるのかというのは消費者は気にします。
例えばラーメンで考えたときに
・スープとタレ 350cc
・麺量(茹で後) 250g
・トッピング 100g
この分量がラーメン1杯の基本構成としたとき、全部で700gになるわけですが、先ほどの基準で考えた成人男性の喫食量には100g足りていないわけです。
もちろん、この量で満足する人もいると思いますが、この量で足りない人は大盛にしたり、トッピングやサイドメニューを頼んだりすることで、満足感を得られるわけですよね。
要はお客様が1食あたりにどれぐらいの量を注文するのか。ターゲットや実際の来客層によってこのあたりが見えてくるはずで、そこに注目してみましょうというわけです。
ラーメン1杯で満足出来る量
ラーメン1杯+αで満足出来る量
この観点で考えると、その量に対する価格設定もお客様は気になるはずですよね。
~A店~
ラーメン 800円 喫食量 800g
ラーメンセット 1000円 喫食量 1000g
~B店~
ラーメン 800円 喫食量 700g
特製ラーメン 1100円 喫食量 800g
こんな価格設定の店で味のクオリティは同じと考えた場合、やはりA店の方がお得に感じますよね。
もちろん、これはその店の客層、需要、業態など様々な要素で変わりますし、基本メニューの量が多ければいいというわけでもありません。
何を言いたいかというと
1食での満足度を意識する
ということです。
ラーメン1杯1000円の壁の話など色々ありますが、現在は1食で1000円を使う人は沢山います。
ただ、その1000円で満足させるという観点も必要ということです。
それには前述の「味」「環境」などの要素はもちろん必要ですが、この「喫食」という概念を考えてメニュー構成を考えることも非常に重要なポイントになります。
しかし、「大体これぐらいの量だろう」みたいなイメージで分量を決めている店も多いのではないでしょうか。
ラーメンの場合、麺は使っている麺が150gぐらいで、スープは丼の形状かに300ccで、タレと油はスープとのバランスの分量で、トッピングは原価的にこれぐらい…みたいな感じで決めてないでしょうか?
おそらく「その1食でどれだけ満足感を得れるか」という観点で分量まで考えている店はまだあまり多くない印象です。
飲食店はどうしても「味」という部分にだけ力が入りがちですが、この「量」という概念は非常に重要な要素です。
チェーン店などの価格設定と分量のバランスを見ると、この喫食量という概念はかなり綿密に計算されていて、価格設定とのバランスが絶妙に決められています。
二郎系、家系などが人気ですよね。
これは味だけだでしょうか? ボリューム感でしょうか?
実は二郎系は成人男性の喫食量をしっかり超える分量になっていて、家系はライスなどを合わせるとそういう分量になっています。
これらが1000円以下で食べられて、満足感を得られるという部分にも注目すべきということです。
自身の商品開発、プロデュースでも、この「喫食」という要素はかなり考えて組み立てます。そこに商品力、CP、原価率など様々な要素を考慮してメニューを作っていくというわけです。
現在は食材費も光熱費も高騰して、より1食におけるお客様の満足度が高い商品が重要になってくると思います。
ぜひ事業者の方は現在のメニューをこの「喫食」から見直してみたり、値上げをするタイミングで見直してみてはいかがでしょうか。
いつもの長文で内容がよくわからない方はいつでもご相談を…
という久しぶりの営業的な〆で今回は終わりにしたいと思いますw
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