MOMOです
さて、デンマーク留学記のつづきです^^
(前回はこちら→Vol.1)
ヒュゲリな暮らし
デンマーク人の好きな言葉に"ヒュゲリ"という言葉があります。英語でいうとcozyに近いような、ほっこり心地よくて快適という意味です
デンマーク人は、この"ヒュゲリ"感を暮らしの中で、とても大事しています。
頭で考えるものではなく、心や身体で感じとるものだから、自分が今どのように感じているかとか、"自分の居心地よさ"にセンシティブです。
だからかどうかは分からないのですが、デンマークにいると、学歴とか肩書きとか、そういう抽象的な記号よりも、自分が何がしたいとか、自分がどう感じるかという方に興味があるような気がします。 自分に正直であることがとても大事なことで、そのとき感じたこととか意見をお互いに言葉で表現するカルチャーがあるのです。
頭でっかちじゃなくて、中身がしっかりつまったもの。
自分が居心地よく感じるもの。
そういうことを大事にしているから、日々の暮らしや努力が、素直に幸せの方向を向いているんだと思いました。
新米弁護士の日々
デンマークで思いきり楽しい1週間を過ごして帰って来た後、仕事もたまっていたので、すぐに日本での忙しい法律事務所での業務に戻らなければなりませんでした
東京に戻ってくるとスピード感がまるで違います
まるで世界が早送りボタン8倍速で再生されているかのように見えました
当時、私は新米弁護士として、六本木の高層ビルにある法律事務所で毎日夜中遅くまで働いていました。
終電で帰宅できればラッキーで、深夜にタクシーで帰って、「締切りに間に合わない!どうしよう!」と叫んでいる夢にうなされながら寝るという生活
そう、ほっこり生活とはまさに対極のキッタハッタの世界
もともとは、いつか国連のような国際機関で働くことを夢見て、英語力と法律家としての専門知識を身につけるために法律事務所に入りました。
世界的に有名な企業や海外の法律事務所と一緒に働くことも多く、みんなバリっとスーツを着ていて、オフィスも新しくてとても格好よく見えたし、最初はとても楽しかったのです。 国際的な舞台で活躍する弁護士に憧れていた私は、まさに夢にどんどん近づいている、、、はずでした。
でも、同時に何かしっくりこない感じがしていたのです。
もともとは、格差社会を是正するために国連で働くことを目標にしていたから、スキルを身につけるためとはいえビジネス中心の法律事務所にいたことが、違和感の原因だったのかもしれません。
でもそれ以上に、大きな組織に属していると、自分で何かを新たにクリエイトする力みたいなものがどんどん弱まっていくような感じ、、、、、、すごく抽象的ですけど、国際的な法律事務所、弁護士、有名クライアントと、自分の周りを囲うものが大きなものになるにつれ、自分で根本から考えて自分で動く"生きる力"が弱まっていくような感じがしたんです。
言葉では上手く説明できないモヤモヤした違和感が続いていました。
新しい価値観~自分の感覚を大事にするコト~
そんなとき、デンマークに行って、
頭でっかちじゃなくて、中身がしっかりつまったもの。
自分が居心地よく感じるもの。
を大事にしている人たちの暮らしを見て、
「あ、やっぱりその方向でいいんだ!」
ってシンプルに思ったのです。
社会が発達するにつれ、色んなことが複雑になっちゃったけど、みんなが幸せな暮らしができるようになることが本当の進化のはず。
合理的で時代の最先端を行っていると思っていた場所は、生き残りをかけて切磋琢磨するスピーティーな世界で、理屈では整理しきれない"人間らしさ"とか"温かみ"はかえって邪魔になる。
でも、それじゃあ、「結局、何のために生きてるんだっけ?」って、素朴な感情がわいてくるのだけれども、、、
そういう疑問は持っててよかったんだ!ヾ(@°▽°@)ノ
と、勝手に嬉しくなりました。
そんな風に既存の価値観と新たな価値観の境目にいたからでしょうか。
旅行から帰ってきた1週間の間、今までの生き方を一歩引いてみることができました。
職場の近くのカフェでボーーーーーっと一息ついていたとき、
人間って、本来もっと自由なのに、
思考という見えない檻の中に自分を閉じ込めてる。
そして、長い間そこにいると、それが一つの考え方にすぎないことを忘れてしまう
そんなイメージが、ふと浮かんできて、
自分のことを上から眺めているような気分になりました
幸せになるには、もっと頑張って成長して、一人前になって、もっと大きな舞台で活躍できるようにステップアップして、と思っていたけど、もしかしたら、そうものじゃないのかも。
かといって、今さら別の道というものが、あるのだろうか。。。
何だか今までの思考の水平線を失ってしまい、、、ピンとくる新たな灯台を探していました。
そんなとき、デンマークのことを調べる過程で、豊かに生きることを学ぶ学校フォルケホイスコーレの存在を知ったのです
次回は、「思い立ったが吉日」デンマークを再び訪れ、フォルケホイスコーレにお試し短期留学したときのことを書きたいと思います
→Vol.3へつづく