ポコラヴィ「エチュードの森」 | このために生きてる。

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【道無き道行く道の途中、ポコラヴィ1stミニミニアルバム】

エチュードラヴィによって生まれたミニバンド、『ポコラヴィ』。
ナオミーポコ(Vo)の楽曲を中心に、絵本のような、オトナ人形劇のような世界を変幻自在に奏でては笑う。
今作「エチュードの森」は、エチュードラヴィが不定期でお届けする番組『たなxコバTV』内で発表した楽曲を新たにアレンジし音源化。
幻のバンド ポコペディより「スーパードクター」をカバー収録、さらに今作のために書き下ろした「23.4」を含む全7曲。
(Amazon商品説明より)


ミニミニアルバムなんてとんでもない。
7曲、しっかりと存在感のあるアルバムです。



1. club 1000本ノック
ナオミーポコのライブで演奏したことがある曲とのこと。
確かに聴き覚えが…あのときはサックスアンサンブルでしたね。
今回もテナーサックスのような音が聴こえて、あのライブを思い出しました。
タイトルから「モモンガーZ」のような明るい曲かと思いきや、しっとりとした曲。
包み込むようなサックスの重なりが気持ちいい。

2. 1年のうた
たなコバTVで披露された曲のアレンジ曲。
毎日歩いて、四季の移り変わりを感じるよう。
「嘘と誠を使い分けて生きていくんでしょう」
「まこと」が「真」じゃなくて「誠」な辺りで、わが身を振り返ります。
嘘は使っているけど誠は使えていないかもしれない…
「風向き一つで」のところ、「前へ前へ」は自信を持って歩んでいく感じ。
「背中を押されてる気分」の後に「道を阻まれてる気分」なのは、三歩進んで二歩下がるみたいな。
この歌も「365日のマーチ」で一年ですね。

3. スーパードクター(ポコラヴィVer.)
ポコペディ「スーパードクター」のカバー曲。
ポコペディは可憐な感じだったのが、ポコラヴィだと見守るような、でもちょっとからかうような優しい感じに。
ドラムがスパンコールみたいにオシャレで、ベースがそれが縫い付けられた柔らかい布みたいで好き。

4. チックタックティー
レトロな喫茶店やバーで揺れるような、雰囲気ある曲。
年上の男性に翻弄されているみたいだけど、結局は自分の決められなさに弄ばれて、でもそれがイヤじゃない、みたいな。
悩んでるようだけど結局マイペースな感じが愛おしい。

5. へびのうた
切ない、へびが健気で切なくて歌詞を追えない曲。
宝物にしていたいほど大事なものをあの子のために返しにいくなんて。
その宝物も自分では使えないものっていうのがまた…
こういう、大事なものを自分のためじゃなくてひとのために返すのが切なくて、明るい曲調だけどちょっと泣く。

6. 23.4
ライブで「陽の光」を感じた曲。
ことば・フレーズのひとつひとつが全て完璧に私の好みで震える。
2番の1回目「なんて遠心力だ」の歌い方が好き。
皆、多かれ少なかれきっと苦しいのに、今の状況とこれからでぐるぐるしてるんだろうなあ。
23.4は地軸の傾きで、19.5はなんかいろいろ遺跡とかがこの19.5を使った位置にあるとか…
軽やかなアコギが、どうしようもない手詰まりの今を置いて先に歩いて行っちゃうみたいな感じ。


7. 雨でも 晴れでも
こちらもたなコバTVで披露された曲。
23.4の必死でついて行く感じから、自分の中で吹っ切れたような歌詞になるのが印象的。
落ち着いた中にしっかりした決心を感じるキーボードの音が沁みる。



ナオミーポコなど、ナオミさんの曲も大好きなので満喫できて嬉しいです。
ナオミさんはいわゆる「普通」から外れた人への目線が愛情に溢れているなあと思います。
そのアプローチは見守ることから引っ張ってどこかへ連れて行くところまで幾つもあって、優しいのです。

Etude Lavieでもナオミさんの曲があるし、これからもいろいろ聴かせて貰えそうでワクワクします。
遊び心とちょっとの切なさに満ちた、素敵なミニアルバムでした。