SSSS.GRIDMAN 最終回感想 すべてのオタクへの優しさと希望を込めたエール | ムッシュ速報(Theムッシュビ♂ト公式ブログ)
ネタバレありです。

SSSS.GRIDMAN最終回を見た。

新条アカネは僕たちだ、と思った。

私事だが、僕はアイドルマスターシンデレラガールズの「プロデューサー」として、毎日を「諸星きらり」と生きている。

自分と、自分を好きになるように設定された二次元キャラクターの関係は、そのまま新条アカネと宝多六花の関係と同じだ。

アカネ(=神様)はアニメやゲームの世界に触れる三次元の僕らであり、「神様の世界」はこの現実世界だ。そして、劇中の世界は二次元のキャラクターたちが暮らす世界。

最終回で実写映像が使われて現実と虚構を対比する手法は、1997年の映画「THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に」と同じだ。

「まごころを、君に」の実写パートは、「虚構の世界に入り浸るオタク」への「現実へ帰れ」という庵野秀明監督からのメッセージだった(事実、本編ではカットされた実写ドラマパートでは、より「辛辣な描写」があった)。

しかし、SSSS.GRIDMANからのメッセージはもっと優しく温かい。現実で生きることに目を向けさせるという点では似ている。でも、六花はアカネに「神様なんだから、もっと堂々としてたらいいんだよ」と優しく語る。

そして、ずっと渡せなかったパスケースを「どこに行ってもずっと一緒だよ」と渡す。

強制的に突き放すような別れではない。ただ、少しだけ現実でも胸を張って、一緒に生きていけばいいという、優しさと希望に満ちたエールだ。

アニメの最終回は劇中人物同士の別れもあることもあるし、そのアニメと視聴者のお別れでもある。

最終回、みんなそれぞれの場所に帰っていく。
グリッドマンと新世紀中学生はハイパーワールドへ、六花と内海と裕太(本来の裕太)はあの世界へ、アンチくんとアノシラスちゃんは怪獣の国へ。「楽しかったぜ」という言葉とともに。

お別れはたしかに寂しい。でも、出会った事実、「楽しかった」という記憶はずっと残る。

現実の「アカネ」は、大好きな六花から貰ったパスケースをこれからも大事に持って生きていくのだろう。


最後になりますが、これほど素晴らしい作品を生み出してくださったスタッフ、キャスト、関係者の皆様に心よりの敬意と謝意を。

間違いなくアニメ史上に残る名作です。