松尾千鶴イメージソング「あゆみ」制作裏話 #デレソンツアー | ムッシュ速報(Theムッシュビ♂ト公式ブログ)

注意!!!ネタバレがあるので動画見てから読んでね!!!



松尾千鶴イメージソング「あゆみ」について。



動画はこちらから↓

https://nico.ms/sm36702002


少し長いですが前置きを書きます。


僕は「いつかデレマスの公式曲を作りたい」という目標を持っていまして(実際問題、実力も行動もまだまだこれからですが)、脳トレみたいな感じでデレマスのソロ楽曲未実装アイドルの曲の歌詞をなんとなくメモ帳に残しておく習慣があります。今回の曲の原型はそのメモ帳でした。


当初、デレソンツアーは某氏とのコラボで「しゅがきらりあむイメソン」を1曲、主として担当している「諸星きらりちゃんイメソン」を1曲、計2曲で参加予定でした。

しかし、今年3月にリリースしたアルバム(フルアルバム2枚組・トータル35トラック・30ページブックレットのイラストとデザインを全部やるという気の狂った仕様)の作業が押した上、CDの組み立てという内職もあって忙しく、完全に疲弊してしまってました。


「しゅがきらりあむ曲」は楽しくてわちゃわちゃした曲のイメージでしたが、限界まで脳疲労していたので「今はハイテンションな曲の作曲は無理だ!」ということに気づき、コラボ予定の某氏と話し合ってコラボは無期限で延期しました。

諸星きらりちゃんのイメソンについても、これまで4曲発表していて、しかも去年発表した「#毎日きらり」が情報量が多く「これを超えるには更に情報量やネタを増やさないといけない」ことから断念。デレソンツアーの制作については思考を一旦完全にリセットしました。


そんな折り、今年は「ボイス総選挙」が行われることを思い出し、個人的に一番声がついてほしいアイドルである松尾千鶴ちゃんを題材にすることにし、先に書いてたメモ帳から歌詞を引っ張り出しました(後述しますがそのメモ帳の歌詞は最終的には全く使いませんでしたが)。アッパーな曲を作れる状態ではなかったので、緩やかなバラードナンバーで行くことにしました。歌詞初稿のタイトルは「一筆書きで恋を」だったと記憶しています。


そこからその仮歌詞を元に作曲していましたが、サビのメロは割と早い段階で固まったものの、それ以外がなかなか進みませんでした。歌詞の方も「成長を描く」という大筋はあったものの、当初はPドル的なイメージもあったり、なかなか絞り込めませんでした。


近作ではイラストも自分でやってますので、「曲作りに詰まったらアートワークを先にやろう」ってことで、321日が松尾千鶴ちゃんの誕生日だったのでそれを目指して先に絵を描こうと思いました。そのときに急に「ラスサビでみんなというワードが出て集合絵になる」というアイデアが出ました。松尾千鶴生誕祭で公開する絵はその絵から千鶴ちゃん単体を切り出して成り立つものにしようと。作曲の方も、そこを軸にして進めようとして、その時点で「Pドル的なラブソング」ではなくなり、タイトルも改めようと思いました。


これが最初期のラフで、(いつもお世話になってる)へるべちか先生のアドバイスを得てカメラアングルを大幅に変えたのがこちらです。単体絵を描いてスキャンして構図を検証してます。









といった感じで一旦松尾千鶴ソロバージョンとして321日に公開しましたが、このときに曲名を「あゆみ」にしました。「GIRLS BE NEXT STEP」に掛けたものですが、「ひらがなの方が今の松尾千鶴っぽい」「全く別の人名にも見えるけどデレマスにはあゆみという名前の子はいないし、その感じは印象に残るだろう」「これまでひらがな単語だけの曲名は多分なかったのでインパクトもある」という理由からです。




こちらが先行公開した松尾千鶴生誕祭イラストで、お陰様で好評を得ましたが、このときに「自分の中での大事件」が起こりました。


この日には松尾千鶴イメソンが2曲発表されたのですが、僕のイメソンの当初の歌詞も「習字」をモチーフにしていた為、かなりの部分が被ってしまったのです。これには参りましたが、先に発表した人の勝ちです。時間がなかったこともあり、気づかなかった振りをしようか、少しずつ改変しようか、など悩みましたが、「モヤモヤしたまま公開したくない」「その人が聞いたら多分嫌な気持ちになる」という理由からほとんど全部0から書き直すことにしました。


そのとき、僕のP師匠であるソミスさんに相談(というか愚痴)を言ったのですが、「被るということはパブリックイメージとしての松尾千鶴しか見てない」「きらりや佐藤のPという観点から松尾千鶴を歌ってもいいのではないか」というような話をしました。


そこからほぼ全部リライトしたのですが、そのアドバイスを踏まえて、冒頭いきなり「春色のネイルしに行こうかにぃ」といった感じできらりちゃんを登場させたりしました。そのときにAメロやBメロのメロディも確定しました。結果的に歌詞を全て書き直したのは正解だったと思います。


特に気を遣ったのはBメロで「暗いけど暗くないメロディ」を心がけました。「暗いというよりはしたためるような優しさ」を現したかったので、気に入っています。


↓制作中のメモ




その時点で、当初の締切まで1週間。ただ、そこからもコードワークの詰めで難航し、時間が悪戯にすぎていきました。基本的なパターンで言えばカノン進行なのですが、要所要所で細かく転調するので、その一つ一つを洗って検証していきました。「ベタな進行の箇所でもそれを選ぶ理由を明確にする」のが大事だと思います。


それと、トラック作りについてですが、今回は「これまで使っていた機材(QY-700)を基本的に使わない」というルールを設けました。これまではQY-700という古(いにしえ)の単体機でオケを作っていましたが、今回はDAW上で、録音したものや打ち込んだものを組み上げていくという方法にしました。ちなみに当初はドラムも叩いて録音してましたが、ハマらなかったので全部ボツにしました。


時間が押している中で新しい制作方法を採るのは怖かったのですが、楽曲のテーマが「新しい春、新しい挑戦」です。それに松尾千鶴ちゃんが次々と新しいことに挑戦しているのだから、自分も同じことばかりしてちゃダメだという気持ちもありました。


結局、最終的にレコーディング(トラック作りと同義)に進んだのが最終締切前の最後の週末で、その日にピアノ録音、歌録音、打ち込みを一括して全部スタジオでやりました。


HALION SONICのチェロの音色が良かったので、今回はベースレスでいけると判断し、ピアノ・ドラム・チェロのみで基本の構成を組み、ソロだけリードバイオリンを入れました。雰囲気作りのためにサビはQY-700で打ち込んだシンセを入れてますが、シンセのランダムプログラムをイメージして、コード進行に依らないパターンを敢えて機械的に貼りつけています。

ドラムはDrum Proというフリー音源ですが、たまたま選んだ音色のキックがカホンに近い音なのもアコースティックな雰囲気にハマったと思います。この辺りはデレマス京セラ公演でのアコースティック演奏に影響されたかもしれません。


今回、歌に関しては全くと言っていいほど苦労しませんでした。作曲作業中に歌い込んだおかげもありますが、2テイク目でOKテイクにしました。「からかわれて照れたり」のところでは本当に照れ笑いをしてしまいましたが、そのまま採用しています。


今回のキモは「みんながいるから」からの展開なのですが、「BE NEXT STEP」と次の「春を告ぐ」のコーラスが綺麗にハマったのでとても気に入っています。このコーラスは自分の中では泰葉ちゃん、ほたるちゃん、関ちゃんが歌っているという設定があります。


「みんながいるから」という歌詞について「松尾千鶴は一人でも立てるのでは?」とも思いましたが、「一人で立てる人ほど『みんながいるから』と胸を張って言うんじゃないか」と考えてこっちを選びました。自分も多くの人に力になっていただいているので、この歌詞を選んでよかったと思います。


さて、長くなりましたのでこのへんにしますが、昨夜のデレソンツアーでは多くの方からの好評を得たので、本当に苦労が報われた思いです。


最後になりましたが、題字を担当してくださった書家の澤村さん、たくさんの我儘に対応してくださったデレソンツアー主催のビーカーP様、応援してくださった友人知人、そして聴いてくださった皆様、本当にありがとうございました。そして、ボイス総選挙は松尾千鶴ちゃんへの一票をよろしくお願い致します。



追記:この曲を始まりとして、「GBNS&めざせきらきらモデルアイチャレEP」を作ります。GBNS 4人のソロイメソン作るぞ!





あゆみ




桜が今年も芽吹いて

恋した日みたいな風が吹く

「春色のネイルしに行こうかにぃ

約束が手帳を彩る


手と手をこうやってハート作るのは

誰かに笑われそうで苦手だったこと

微笑んで思い出す


少しずつ華やいでゆく

揃えた飾りは一つ一つが勇気のしるし

春を告ぐモンシロチョウのように

風に乗って筆がまた軽くなった


愛らしく 舞い踊りたい

水が流れる 嘘のない気持ちで

心の声 すぐに出ちゃうのは

素直な証だって教えてくれたね


まねして「にょわっ」って笑ってみたり

無軌道に見える人の手があたたかいこと

不意に知ったりもして


思い切り泣いたり笑ったり

からかわれて照れたり

毎日が目まぐるしい

騒がしく動き出した日々を

風に舞う花みたいに映したら

また次の一歩見えた


ねえ、そんなふうに

眉間にしわ寄せなくても

同じように凛と背筋を伸ばせるよ


もっと前へ


もっと前へ

もっと「なりたいわたし」へ

みんながいるから

BE NEXT STEP 挑戦できそうよ

春を舞う モンシロチョウのような

衣装を着たの


ちょっとだけ振り返っていい?

ずっと前のわたしへ

「わたしは大丈夫です」



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