近江毎夕新聞 -3034ページ目

ほのぼの川柳740句を本に 長浜市の月ヶ瀬和子さんが創作の足跡

月ヶ瀬和子さん  日常の暮らしの何気ないおかしさ、ペーソスを川柳で表現し続ける、長浜市小沢町の英語教室講師、月ヶ瀬和子さん(31)=写真=がこのほど、二十二歳の秋から書き溜めた川柳三万句余りのうち七百四十句を本にまとめ、「カゾクの和子」と題して出版した。
 和子さんとその家族の日常を川柳で描いたもので、タイトルは「和子の家族」をさかさまにした。
 「家族っていいなと思う箸洗い」「手紙出し着きましたかと電話する」「水筒に持っていかれた一番茶」「時間かけ近いところに車とめ」―。
 日常のささやかなおかしみ、思わず吹き出すエピソードがちりばめられ、月ヶ瀬さんの優しくも鋭い観察力と、家族に寄せる想いにあふれた一冊となった。
 作品はいずれも感傷を排した月ヶ瀬さん独特の世界だが、自身は大学入学直後の部活動時の事故で今も左半身マヒ、視力障害などと闘う日々。川柳作品集の出版も、同じ大学で事故を負った先輩が持ちかけ実現した。
 虎高から早稲田大学に進学した月ヶ瀬さんは、入学直後、合気道部の活動に興味を持ち、五月の合宿に参加。しかし初日の受身練習で硬膜下出血を起こし、意識不明で二週間死線をさまよった。意識は戻ったものの、半身のマヒや、両目の視界が半分程度になる後遺障害が出て一年間休学。復学後は懸命に大学に通い、合気道部にも見学の立場で復帰したが、障害による学習困難を自覚し二年後に無念の退学を決意。二十一歳でふるさとに戻った。
 放心状態だった月ヶ瀬さんの最大の心の支えは昨年四月に八十三歳で永眠した祖母。元気だったころの祖母の勧めで毎日新聞の人気コーナー「仲畑流万能川柳」に興味を持ち、掲載作品を書き写しているうち、創作し始めるようになったという。最初三~四年は年間百句余り創作していたが、二年前から急増。昨年は九千句余りを創作した。
 「ただ見て、感じたことだけを句にしています」と語る月ヶ瀬さんだが、これまでに三万句余りを「万能川柳」に投句。十六回入賞した。
 作品集は千部出版。市内の一部書店で販売中。千五百七十五円。

湖北地域消防組合が発足 「市町の思いは一つ」と管理者

湖北地域消防組合

 長浜、米原両市と東浅井、伊香両郡の四消防が統合し「湖北地域消防組合・湖北地域消防本部」が発足した一日、長浜市平方町の本部庁舎前で新組合・本部の開庁式があり、湖北二市六町の市町長、議会議長、各市町消防団長ら二十人余りと、本部署員らが新体制のスタートを祝った=写真=。
 組合管理者の川島信也・長浜市長は式辞で「かえりみると、消防本部再編までには様々な情勢の変化や紆余(うよ)曲折があったが、安全、安心のまち、住民福祉の向上の観点から、より高い水準で安定的な消防サービスを提供したいという市町の思いは一つになり、この日を迎えることができた。新通信指令システムの導入や定員適正化計画の策定などに取り組み、『いつでも、どこへでも、どこからでも』を基本とする、地域特性を活かした魅力ある消防体制を築き上げるようまい進してまいりたい」と語った。
 一日付の新消防本部の総人員は二百三十二人。うち実質的な異動は五十五人(昇格二十人、退職九人)。

長浜市議選 7月23日告示

 長浜市選挙管理委員会は先月三十一日開き、任期満了に伴う長浜市議会議員選挙を七月二十三日告示、同三十日投開票に決めた。立候補予定者説明会は五月三十日午後二時から同市地福寺町の市民交流センター。
 合併新市では合併特例法の在任特例を適用し、旧長浜市議二十人(議員定数二十)、旧浅井町議十五人(同十六)、旧びわ町議十二人(同十二)の計四十七人が新しい長浜市の市議を務めているが、七月三十一日で任期満了となる。
 旧長浜市、浅井、びわ両町の合併協議会で、合併新市初の市議選に限り旧市町ごとの小選挙区制(定数は旧長浜市十九、旧浅井町五、旧びわ町四)を採り、二回目の市議選から全市一区、定数二十四に変更することが決まっている。
 有権者は三月二日現在で▽旧長浜市=四万六千四百二十人▽旧浅井町=一万二百九十四人▽旧びわ町=六千百八十六人六万二千九百人の計六万二千九百人。

市道のネック100㍍解消へ 地福寺町の抜け道10㍍拡幅計画

 長浜市が西中学校、北星高校の東側沿い五百四十㍍区間で進める市道改良工事が来年度までに完成する運びとなり、市ではその南百㍍区間の市道を拡幅し、地福寺町から新興住宅地の弥高町に抜ける南北道を整備する方針でいる。
 拡幅が予定されている百㍍区間は、地福寺町の昭和織物西側。道路幅が約二㍍と狭いにもかかわらず、通行量が多いのが特色。車が対向できないにもかかわらず進入規制がなく、道路内で鉢合わせする車が目立っているが、抜け道的な便利さから、通勤、通学生に重宝されているという。
 市では、地権者二人との用地買収交渉を進め、道路幅を現行より約十㍍広い十二㍍に広げ、幅六㍍の車道と、両サイドに幅二㍍五十㌢の歩道を備える計画。
 ちなみに西中学校東側の駅前通り交差点から南、三百三十㍍区間の市道拡幅工事は、平成十一年度から工事が始まり、幅十四㍍(車道幅六㍍、両サイドの歩道幅各三㍍五十㌢)で二年後に完成した。続く、地福寺町の北星高校沿い二百十㍍区間は平成十五年度から着手し、来年度に完成予定。

草野さん教育長  松波さん教育委員長

草野光雄教育長

 長浜市の川島信也市長が任命し、市議会が同意した市教育委員会は三十一日に開き、委員五人の中から、教育委員長に松波征文(ゆきふみ)氏(64)、教育長に草野光雄氏(64)=写真=を選任した。
 委員長は行政委員会となる教育委員会の長、教育長は教育行政の長で、いずれも委員の指名推薦で互選した。
 松波・教育委員長は岐阜大学工学部電気工学科卒。昭和四十八年に(株)長浜コルク工業所に入社し、九年後に社長就任。南郷里幼稚園、南郷里小、北中のPTA会長、長浜東ロータリークラブ会長などを歴任。長浜市榎木町在住。
 草野光雄・教育長は滋賀大学学芸学部卒。同大学附属中学校教諭、市教委保健体育課長、同教育部長などを歴任。平成十六年十月に旧・浅井町教育委員会委員に任命された。長浜市北ノ前町在住。
 松波・教育委員長の職務代理者は北川貢造氏(61)。同氏は金沢大法学部卒。元・長浜高校長、聖泉短大人間学部教授。市内田村町在住。