RU3 ヴェゼル ブレーキ修理 | ナルズ工場長の出来事

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皆様コンニチハ('ω')ノ

 

 

 

 

 

あっという間にGWが明け

通常の日々に戻りつつあります。

 

結局GW休業予定では3日休みに

してたのですが少し色々忙しかったので

1日仕事しておりました。

 

休み最終日になって

このままではせっかくのGWが無駄に

終わってしまう!何かしなければ!という

意味のない使命感に襲われ

無理くり家族で近場のマザー牧場に突撃w

 

そして丸一日歩きっぱなし!

 

なのでGW明けたのに

普段より体にダメージが残っている

オイラです(´・ω・`)

 

やっぱし休みは体を休ませないと

アカンね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はヴェゼルの

ブレーキ修理作業です。

 

 

 

 

ヴェゼルといっても

RU3なのでハイブリッド車になります。

 

最近の車なので

特にこれといった事ではないのですが

少し気になった内容だったのでブログにしました。

 

当店ではヴェゼルはあまり入庫しないのですが

たまに数台オイル交換やメンテで入庫します。

 

今回のブレーキ修理内容も

至って普通の内容なのですが

最近ホンダのブレーキトラブルが特に多いです。

 

ヴェゼルを含め

フィットなど比較的新しめの年式の車両の

トラブルが続いております。

 

 

 

当店だけなのかな?

 

 

その辺も含め紹介させて

いただきます。

 

 

 

この車両は車検での入庫。

車検での点検時にブレーキの異常が

発見されました。

 

 

通常、車検整備(24ヶ月点検)では

必ずブレーキをチェックします。

キャリパーを外しブレーキパッドの状態を

確認を必ず行います。

 

 

それで今回のこのヴェゼルですが

年式的にまだ新しく車検も2回目。

って事は新車から5年経過している訳ですね。

 

走行距離はまだ35,000Kmほど。

 

一般的に、このくらいの走行距離では

特にブレーキがどうこうって感じではありません。

 

 

 

 

 

 

なのにですよ?

 

 

 

 

フロントブレーキ

 

 

最初は走行距離のわりには

やたらローターが減ってるな~って感じでした。

 

 

ローターの減り具合はブレーキの使い方や

ブレーキングのクセなどによって変化はします。

 

実際に車検引き取り時に実走してますが

特にブレーキに違和感はありませんでした。

 

 

普通に効くし異音もしません。

 

 

ただハイブリット車なので回生ブレーキの

独特のブレーキタッチなので

その辺は少しわかりづらいかも知れません。

 

 

 

 

 

 

そして点検のためキャリパーを外し

ブレーキパッドを点検してみたところ…

 

 

 

 

 

 

フロント左ブレーキパッド

 

 

わかりますか?

 

パッドが左右で減り方が違います。

 

ちなみに画像で言うと上側が外側のパッド、

下側が内側(ピストン側)のパッドになります。

 

 

 

 

 

 


フロント右ブレーキパッド

 

 

こちらは左のパッドです。

こちらも片側だけやたら減ってます。

 

 

 

画像の残量があるパッドをみると

35,000Kmくらい使ったパッドかなぁ?と納得できますが

減ってる方のパッドを見ると35,000Kmで

こんなに減る??って感じです。

 

 

この様なパッドの方べりが発生する原因は様々あります。

 

ブレーキのキャリパーが固着し引きずりを起こしている

ケース。

またはヴェゼルは

片持ちキャリパー(シングルピストンキャリパー)なので

スライドピンの固着で戻らず引きずりを起こしている

ケース。

 

 

 

 

まぁ距離的にもどちらのケースも少し

考えにくいケースではあります。

 

 

冒頭でも書きましたが

この様なブレーキトラブルが最近のホンダ車に

多く発生している様に思えます。

※あくまで個人的主観です。

 

厄介なのは

実際乗ってるオーナーが全く気付かないので

どんどん片減りが進行してしまうのです。

 

 

 

 

ではでは

その原因を突き止めるのに

ブレーキをもっと点検していきましょう。

 

 

 

キャリパースライドピン

 

 

最初はスライドピンから。

 

 

ここのブーツが外れたり切れたりすると水が

混入しサビが発生し固着します。

そうするとキャリパーのスライドができなくなるので

パッドを左右均等に押し付けられなくなります。

 

スライドピンの状態は画像の通り

全く問題ありません。

 

前回の車検も当店で行っています。

その時にスライドピンのグリスを入れ替えていますが

そのグリスがまだ残っている状態です。

サビも傷も特に見当たらずピンを手で動かして

みるとスムーズにスライドしますので

良好かと思います。

 

 

 

 

じゃあダメなのは

キャリパー??(。´・ω・)?

 

 

 

キャリパーのブーツをめくってみると

特に何も見当たらず。

固着しているキャリパーはサビ色しているのですが

ブーツめくったくらいではわかりませんでした。

 

もうキャリパーくらいしか原因が思いつかないので

とりまキャリパーをバラしてみます。

 

走行距離35,000Km程度でキャリパーって

ダメになるかし?

 

 

 

 

 


ダメでした(;゚Д゚)!

 

 

 

完全に固着している感じではないのですが

サビが確認できます。

 

触ってみるとグリスにサビが混ざって粘度が高くなって

います。

一部はけっこう固くなっており

これが抵抗になって固着気味になっていたのかと

思われます。

 

 

 

キャリパーピストン

 

 

 

サビでエライ事になっとります。

これはピストンもダメかなぁ??って見た目です。

 

でも軽く触ってみるとグリスっ気がまだありましたので

ワンチャン無事かも知れません。

あとでキレイに洗浄して点検してみます。

 

 

 

キャリパー側

 

 

ブーツとシールは外してある状態です。

シール部までは無事そうですが

ブーツのところはかなりサビております。

 

まぁここまでけっこうすっとぼけて書いておりますが

前記したホンダ車に多いってのがほとんどこのケース

なので大体検討はついておりました。

 

ブーツのところに水が溜まってしまう構造なのかな?

 

こうなってしまうキャリパーはホンダ車以外でも

もちろんあります。

でもまた比較的新しめの車両に見られるのが

ホンダ車に多いんです。

 

 

なぜここが早目にサビてしまうのは不明ですが

今回の引きずりの原因はキャリパーにありました('◇')ゞ

 

それでピストンの動きが悪く

戻りが出来ず外側のパッドが引きずられ減って

いったんだと思います。

だからローターも外側だけガリガリになっていたんだと

思われます。

 

 

 

 

キャリパーはオーバーホールしていきます。

 

 

 

洗浄・清掃後

 

 

兎に角、時間をかけてサビ撤去しました。

 

ピストンも特に虫食いもなく

ピストン表面にサビが乗ってる状態でしたので

軽く磨いたらキレイになって再利用可能レベルでした。

 

おそらく最初にキャリパーのブーツ部分がサビてきて

内部にサビが進行、そのサビがキャリパーのシール部

のあたりまで進行しシール部のグリスとサビが混ざった

という感じではないでしょうか。

 

 

今回はこの時点でオーバーホールできたので

なんとかなりましたが、今回を見逃していて

次の車検時(2年後)に発見となったら

ピストンもダメだっと思います。

下手すればキャリパーASSYでダメだった可能性も

ありますね。

 

 

余談ではありますが

この最近のホンダ車に多い症状ですが

フロントのみですね。

リアはほとんど起こりません。

リアは電動サイドなのでキャリパー自体が

フロントを違うからなのかも知れません。

 

 

 

 

 

 

今回のブレーキうトラブル原因は

キャリパー固着でオーバーホールで

完治したと思います。

 

対策としては

キャリパーのブーツの内側にしっかりとグリスを

入れておくくらいですかね。

当店では水分に強いシリコングリスを入れております。

 

 

 

 

 

パッド&ローター

 

 

片減りしてしまったパッドも交換、

ガリガリになってしまったローターも交換です。

 

今回は街乗りしかしない車両なので

ほどよいパッドをチョイスしました。

パッドもローターもディクセル製です。

 

 

 

完成('◇')ゞ

 

 

ブレーキのエア抜きをして試乗。

 

ちなみにハイブリッド車のブレーキのエア抜きは

少し特殊なんでご自分でやられる方はご注意を。

 

ハイブリッド車といってもトヨタのプリウスやアクアと

ホンダのフィットやヴェゼルでのエア抜き方法は

違いますので事前に調べてからやりましょう。

 

当店もたまにハイブリッド車の整備をするのですが

たまになんで忘れちゃうので自分の為にメモ書きです。

ご自分でやる場合は参考にしてください。

 

 

 

ホンダ ハイブリッド車(フィット・ヴィゼル)の

ブレーキエア抜き方法

1.タンデムモーターシリンダーから

①POWERスイッチONモードにする

②エア抜き作業※抜く順番は下記参照

③完了

作業中はドア開け厳禁

 

2.ペダルフィールシミュレーター

①POWERスイッチOFFにして3分間以上放置

OFFにしてからドア開け厳禁

②エア抜き※抜く順番は下記参照

③完了

 

3.警告灯消去作業

1と2の作業をするとシステム上、警告灯が点灯して

しまいます。消去作業をして消灯させます。

①POWERスイッチONモードにする

②ブレーキ踏みっぱなし3秒間→離す

③消えるのを確認したら全て完了となります。

消えない場合は②を数回やってみると消えるはずです。

 

※エア抜き順番 F右→F左→R左→R右

修理書ではこの順番ですがフリュードの汚れ具合や

ブレーキパーツオーバーホール時は

従来通りのR左→R右→F左→F右でも抜けます。

 

1と2の作業を連続で行うので

最中のドア開けができません。そうすると運転席で

3分以上軟禁状態になりますので(笑)

運転席のドアカーテシスイッチのボルトを外すと

スイッチのアースが落ちなくなりドアを開けても

反応しませんので作業前にボルトを外すのを

おすすめします。

 

ご自分で作業する方は自己責任にてお願いします。

 

 

 

 



エア抜きが終わり試乗してみます。

 

バッチリ効きます( *´艸`)

 

固着もなおりパッドもローターも新品なので

以前より確実に効くのが体感できました。

 

 

ブレーキ関係はしっかりとなおしましょう。

 

ダメになる前の定期的な予備交換も

いいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは

またねー('ω')ノ