『そこはかとなく燃ゆる』プレ稽古でした。その2 | 大沼優記の"ぬまぶくろぐ"

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昨日の続き。

かくして『そこはかとなく燃ゆる』プレ稽古が始まった。

西村賢人くんの講義からスタートする。

この講義が、ものすごく面白い。

賢人くんの演劇的教養が高く、理論が確立されていてかなりクオリティが高い。

相当勉強されているのが、少し聞くだけでも分かる。

もう既に賢人くんに対して尊敬の眼差しだ。

そして、その後に行った基礎稽古がとにかくレベルが高いのだ。

心のガードがあったら通用しない稽古である。

文章で上手く伝わるか分からないのだけど、向かい合った状態で相手の表面的な動きや心の深層を読み取って口にし合うというもので。

例えば。

表面的なものなら、「腕を組んでる」とか「笑ってる」とか「眉間に皺が寄ってる」とか。

深層的なものなら、「困ってる」とか「緊張してる」とか「悩んでる」とか。

そして、可能ならば深層的なものを口にできた方がベターである。

だから、相手が腕を組んだ時は、「何故今腕を組んだのか?」ということを探らなければならない。

相当に難しい。

余裕を持っている人と相対すると追い込まれるし、逆に自分よりも苦手そうな人と組むと面白いように相手が追い詰められていく。

これをPrelude経験者は、いとも簡単にやってのける。

これは…。

オラ、とんでもねぇ所に来ちまっただ。

目にするもの耳にするもの、全てに呆気に取られる。

気分は、上京したての大学生だ。

オリさん(野口オリジナルさん)とやってみる。

うほっ!

難しいけど楽しい。

共演したことのある人とやる方が、少しやりやすいのか??

と、安心した矢先。

「老けました??(笑)」

強烈な牽制フックが飛んできた。

確かにオリさんと会っていなかった2年で相当老け込んだとは思う。

しかし、予想だにしないフックだ。

この時、僕が咄嗟に取った行動は【顔をそらしながら爆笑】だった。

では、何故顔をそらしながら爆笑したのか??

面白かったから笑ったのかというと、そうではない。

恥ずかしさと照れと、「きゃー!見ないでー」という気持ちとなどが混ざったものだ。

その深層を相手は探って、口にしなければならないのだ。

むむむ。

奥が深い。

いろいろな人とやって、最後にやったのが香奈子さん(さかいかなさん)だった。

見つめ合う。

何だろう、この安心感は。

気がつけば、香奈子さんと出会ってもう6年だ。

安心して心の底を読もうとできるし、自分の心の中に入ってこられるのも抵抗なく委ねられた。

そうなのだ。

人は、心の中を覗かれることに若干の抵抗がある。

だけど、この稽古はガシガシ相手の心の中を読み、それを指摘する。

それがとにかく難しいのだ。

でも、お芝居をする上で舞台上の人の心の機微を読み取る力というのは非常に重要なわけで。

これは、相当に鍛えられそうな稽古期間になるのではないかと戦々恐々とした稽古だった。

今日は、真面目な話になってしまいました。