電車がちょうどホームに止まっていた。
駆け込み乗車はしなくても、ピッタリのタイミングで乗り込むことが出来そうだ。
歩くスピードを緩めず電車に乗り込むと同時にドアが閉まった。
席もほどほどに空いている。
あぁ、今日はついてるなぁ。
さてと、ブログを書こうかしら。
席に座りヘッドホンをして音楽を聴きながら、スマホでブログを書き始める。
不器用なもので書き始めると、頭の中はブログ以外のことを考えられなくなる。
あれやこれやと文章を前後して加筆修正しながら、ブログを書き書き。
30分ほどが経過した。
ふぅ、と一息ついて顔を上げていると、電車は次の停車駅に到着した。
(ど…どこだ…ここ…。)
駅のホームは見慣れない場所だった。
乗り過ごしたわけではなく、そこは相互運転している別の路線をズンズンと進んだ駅だった。
(あ…そういえば、乗り込む時に行き先を確認しないまま乗り込んだんだった…。)
呆然として、ドアが開いた駅のホームを眺めている。
この時。
すぐに降りて反対方面の電車に乗り換える以外に取れる選択肢はない。
降りなければ、家はさらに遠のくだけだ。
だけど、厄介な性格なもので、
(ドアが開いて数秒経過した今、慌てて立ち上がって降りると目立ってしまうのではないか…。)
なんてことを考えてしまう。
(降りたい…けど、降りる勇気が…。)
ただただドアが閉まるのを見届けて、電車はさらに違う方向へと進み始める。
(あぁ…やっぱり降りれば良かったなぁ…。)
次の駅に着くまで、未練がましく考え続けてしまう。
もしサッと降りて他の人の目を引いたとて、一瞬の後には自分のことなど忘れているだろう。
でもねぇ!それがねぇ!できないんですよねぇ!
澄ました顔でドアが閉まるのを見届けちゃうんですよねぇ!
でも、心の中では「降りたい〜!!すごく降りたい〜!!」と叫んでるんですよねぇ!!
厄介ですねぇ!!
こういう時、大体の人はサッと降りるのかしら…??
それとも、僕みたいになるのかしら…??
気になるところです。