雪降る夜に。 | 大沼優記の"ぬまぶくろぐ"

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昨夜とは一転、この後は大雨予報の東京です。

お帰りの方は、お気をつけて。

昨日の夜。

時間があったので、ふとエムキチビート『黎明浪漫譚』を観始めた。

2014年1月に上演された作品であり、「自分が携わった作品で最も好きな作品は?」と尋ねられたならば、僕はこちらを挙げる。

だけど、最後に観たのはいつのことだったか。

おもむろに再生する。

気が付けば。

120分強の上演時間はあっという間に過ぎ去っていた。

6年も経って、かつ長い間観返していなかったので客観的に観られたというのもあるかもしれないけど。

一生を駆け抜けた1人の人間の人生が、どこまでも愛おしく紡がれていた。

そして、これからまだまだ長い人生を歩む1人の人間の迷いや悩みが、そっと背中を押すように優しく描かれていた。

後半はずっと涙が流れていた。

観終わって、時刻は午前1時。

窓を開けて空を眺めると、しんしんと雪が降っていた。

雪国の人は大変だと思うのだけれど、滅多に雪の降らない地方に住んでいる者からすると、晴れ・くもり・雨と比べれば当然ながら雪というのは特別なもので。

しかも午前1時ともなれば、どこか感傷的になったりするもので。

その上、お芝居を観てじんわりした直後のものだから、倍掛けで感傷的になるわけで。

さらに、降り続ける雪を眺めるというのも感傷に浸る行為であり、3倍だ。

そこに、しんみりとお酒を飲みながらだから、もう、4倍だ。

おぅ、あと一つで5倍だ。

何か他に感傷的は無いか。

な、何かー!!

感傷的な行為を下さいましー!!

いやいや。

感傷的な行為を集めているわけではなかった。


子供の頃というのは。

雪が降ると、それはそれは嬉しいものだった。

大人になると、嬉しさよりももっと違う感情が芽生える。

それは決してマイナスなものではなく。

「あぁ、どこかで誰かが同じようにこの雪を眺めてたりするのかしら。」

とか、何かいつもと違う想いを抱いたりするもので。

積雪した時に道端に作られた雪だるまが日に日に小さくなっていくのが切なかったりとか。

普段は感じないような、そういった感情が芽生えるのも天からの贈り物なのかしら。

今季は、もう雪は降らないかな。

もう一度くらい、雪に巡り会えたらいいなぁ。

なんてことを思いながらお酒を飲み続けた結果、二日酔い気味になってしまった本日でした。