【ライスボウル】 日本選手権・日本一決定戦の頂上決戦をプレビュー!<後篇> | アメフト交差点

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<前編>
http://ameblo.jp/roronohidekazu/entry-11970666211.htmlの続きです(*´▽`*)!




【関学の、多彩なフォーメーション&多種多様な攻め口を持つオフェンス☆プラスαとしてトリックプレーお披露目会‼】

毎年いろーんなプレーを用意してくる関学ですが、今季はここまでの戦いぶりを見てもさらに例年以上に豊富なパターンのオフェンスのプレーがあります。
フォーメーションにしても、一体いくつあるんだよ、っていうくらい多彩です(笑)
やはりそういう準備をしてきていると、まずどこから攻めてくるのか分からないという不確定さを持たせることで相手の動きを鈍くすること、そして相手守備に的を絞らせないことでプレーの成功率を上げるということ、この辺に繋がってくるわけですね。
特にTE(タイトエンド:パスキャッチもブロックもする何でも屋)の副将・#86松島選手らをうまく使うことで、相手のDLやLBをうまく処理してRBの走路を切り開いたり、パスプロテクションを強化したりできています。
こんな感じでTEの使い方が上手いのが関学のオフェンスの特長ですね。

さらにプレーの組み合わせの巧さも光ってます。
長短のパスを織り交ぜる基本的なコトはもちろん、フィールドを縦に広げるパス、今度は横に広げるレシーバーのランやアウトサイドゾーンのラン攻撃、次は中央のラン、スクリーンパス、そしてその裏を突くミドルのパス、など相手に対応させる暇もなく展開し続けるオフェンスを見せています。
これはプレーをコールするコーチや研究スタッフの勇気と組み立ての巧さはもちろんなのですが、選手たちがその意図をしっかり理解しているためにプレーに必要な動きをしっかりできるっていうのが関学の強みだと思います。
出されたプレーコールをかみ砕いて、自分たちのモノにしていく。
これがけっこうできそうでできないのでしょうね。
関学はそれを完璧にこなしてしまうので、やっぱりスゴイです。
富士通守備は集まりが早いし、スピードもありますが関学としてはこれを逆手にとるようなプレーの出し方をしてくるはずです。
その組み合わせのほうも注目だし、富士通がそれにダマされるのかダマされないのかも見どころです。

さらにさらに、『トリックプレーのお披露目会』と称させて頂いた通り、関学は様々なスペシャルプレーを用意してくるはずです。
パントやFG(フィールドゴール)、オンサイドキックなどのキッキングのスペシャルプレーはもちろん、パスのフェイクやランのフェイク、RBやWRがパスを投げちゃう(;゚Д゚)など、いろーんなことを準備してくるはずです。
これをどのタイミングでやってくるのか、どういう意図でやってくるのか、さらにそのスペシャルプレーをやるためにどんな種まきをしてくるのか、そこまで含めて注目ですね。
どれくらいのパターン用意してるんだろうなぁ(笑)
とにかく、力の差を戦術で埋めるというものの際たる表現がこのスペシャルプレー・トリックプレーではないかと思うので、いつ出してくれるのか興味津々ですww
なかなかここまでトリックプレーを出すに違いないという試合も無いので、必見ですよー!

そして、先ほど関学守備の話でも出てきたように、個人能力を高める訓練をしてきた関学が、どれくらい戦術の中で個々の能力の高さを見せていけるのかというのも楽しみです!

まずRBでいうと、主将・#28鷺野選手
スピードとパスキャッチやフェイクプレーでパスを投げれたりする起用さも持ち味ですが、味方のOLの動きを見て走路を確保する視野の広さ、状況判断も上手い選手。
さらに今季は力強さも増しており、ゴール前でのダイブプレーなどでも力を発揮しています。
富士通相手に単純なランでの活躍は難しいでしょうが、スペースを見つけてパスをキャッチして、そこからどれくらい走れるかというのも注目えす。
さらにRB#40橋本選手にも注目です。
彼は中央突破のスピードと力強さが物凄く、迷いのない走りを見せてくれるランナー。
富士通相手なので走れる穴は小さいかもしれませんが、それでも強引に突破していけるのか?
まだ2回生で今季大ブレークした彼の真価が問われるゲームになるかもしれません。

そして何より、QB#11斎藤選手
肩の強さとここしかないというところに狙っていくパスの上手さは学生界きっての実力の持ち主です。
何より昨シーズンのライスボウルでもオービックの守備相手に300ヤードを超えるパス獲得ヤードを誇っており、そのセンスは証明済みです。
さらにですね、気になるのが
昨シーズンのライスボウル終了後、鳥内監督が「どのようにすればパスが通るか分かった。来年以降、戦い方次第では勝てる。」というコメントを出していること!!


<参考>

関学スポーツ 第67回ライスボウル後のインタビュー
http://univ.nikkansports.com/press/kwangaku/2013-af-comment12.html


いやー、1年間パソコンのブックマークにこのページを保存していた甲斐がありました(笑)
ずーっと気になっていたこの言葉。
今年はオービックが相手ではなく富士通が相手ですが、どのようにすればパスが通るかはもうお考えになっているでしょうし、ある程度自信を持って斎藤選手が勝負に出てきそうです。
今季はより一層早いタイミングでのボールのリリース、ギリギリのところへパスを投げ込んでいくというのを意識的に取り組んでいたように見えます。
社会人を意識してのこの取り組みが、どこまで形になってくるのか楽しみです。

それから、斎藤選手が今季は走力も鍛えてきており、自ら持って走る時のぎこちなさもなくなって、昨年よりはキーププレーも多く、うまく出来るようになっています。
富士通相手ですから、レシーバーがカバーされてしまい投げられないという事も多々おこるかもしれませんが、少しでも斎藤選手自身のランというのも見せられればプレーに幅が出ることは間違いなく、その辺りもどう活かしてくるのか楽しみです。
最も、富士通守備の速さを前にはなかなかQBが持って走るプレーも通用しにくいかもしれませんが(QBが走り出したことに対しての反応も早いのでw)。
それでも、走れるか走れないかという意識的な部分での刷り込みも勝負の一つなので、この走力UPの取り組みもまた勝負に意味が出てくるのかもしれません。

もちろんWR陣も注目です。
#88木戸選手はジャンプ力と柔らかいキャッチングが持ち味になっていますし、タテに抜けるスピードもあるのでロングパスのターゲットとしての活躍が期待されます。
この試合ではロングパスこそ決めにくいかもしれませんが、どれだけ相手の守備を引っ張っていってフィールドを縦に広げられるかも注目です。
#15大園選手は斎藤選手と一番コンビネーションが良いレシーバーのように見えます。
細かいステップでうまく相手をかわしてフリーになるのが上手い選手で、パスをとった後のランにも期待できる様々な「巧さ」を持つ選手。
#85木下選手、怪我から復帰予定の#82横山選手にも注目で、このような豊富なレシーバー陣がどれだけギリギリのところを勝負していけるのか、富士通の密着パスカバーをいかに振りほどいてフリーになってパスを受けられるのか、この辺も楽しみ!

そして、OL陣ですね。
昨年の4年生メンバーの卒業により一気に若返った下級生中心のユニットですが、連携で言えば昨年を上回る働きをしているように思います。
問題は強力な富士通のDL-LB相手にうまく連携が通用するのか、、パワー負けしないかということです。
OLはチームとして動くものですが、やはりそれでも個々の技術・スピード・パワーがあまりにも劣っていてはユニットごと破壊されてしまいます。
これもアイシールド21を読んだことがある方は、泥門デビルバッツvs太陽スフィンクス戦を思い出して頂ければいいかもしれませんね(笑)
OLの働き次第で、オフェンスが勝負していけるかどうかが決まってきます。
ラインがやられすぎたら何もできないまま終わってしまいます。

超重要なライン戦で、関学の連携バッチリのOL陣が破壊的な富士通フロント7相手に太刀打ちできるのでしょうか。

この試合はある程度失点は覚悟の上で挑む関学なので、その分オフェンスが頑張って点を入れていかないと勝負になりません。
今年の富士通の強固なディフェンスを見ているとなかなかあれを打ち破るイメージは沸きませんが、そこは「さすが関学!」というような攻撃のパターンと組み合わせ、そして奇をてらうトリックプレーで何とか突破口を見出してくるのではないか、と思っています。


【富士通の、スピードと集まりで被害を最小限に抑えるディフェンス】

富士通のディフェンスはとにかくタレントが揃ってます。
基本的にはパス攻撃に対して3人のDLでパスラッシュ、LBはパスカバーに回ることが多く、短いパスをあえて通させてキャッチした選手を皆で素早くつぶしに行くというパターンが多いですかね。
ミドル~ロングのパスに対してはDB陣が確実にカバーしている印象が強く、相手はなかなか短めのパス以外は通させてもらえない、でも短いパスはすぐつぶされてあんまりゲインできない、という悪循環に陥らせるのが富士通守備の形です。
さらに勝負所ではLBの選手をブリッツという形で突っ込ませて、パスラッシュを強化します。
だいたい1人か2人パスラッシュに加わっただけで、2~3秒はQBにプレッシャーをかける時間が早くなってるのではないかと思います。
これはかなり驚異的で、サックはされずともQBがプレッシャーを恐れるがゆえミスをしてしまうことも多々あります。

こうすることパターンを維持することで大きな被害はなく、むしろ相手のミスを誘ってボールを奪い取ることも多いのが富士通ディフェンス。
相手がパスしたボールを奪う(インターセプトする)のは相当難しいらしいんですが、富士通のDB陣はそれがとても上手いです。
これも練習相手がキャメロンオフェンスだからかもしれませんね。
強力なオフェンスを持つチームはディフェンスも相乗効果で向上していくよといういい例です(笑)

関学は様々なプレーを入れて富士通ディフェンスを混乱させようとしてくるはずです。
その頭脳戦、心理戦に乗ってしまえば(無意識的にはまってしまう恐れもあります)危険です。
一人一人が自分の仕事を意識して、必要以上に動きすぎないこともまた、大切かもしれません。
これはJXBの解説でオービックの古庄さんがIBMビッグブルーの守備を指して仰っていたことでもありますが、今度は富士通のほうが関学のリズムに乗せられてしまわないように気を付けなければならないでしょう。
スピードのある富士通ディフェンスですゆえ、一発をやられない限りは相手の攻撃を切りやすいはずだと思うので、あまり相手の攻撃の出方から伺うのではなく、いつも通り自分たちの守備を構築することを意識したほうがいいのかも。
作戦よりは個人能力を活かして止めている部分も大きいと思うので。


【キッキングゲーム、リターンゲームにも注目】

まずはキッキング、富士通はK(キッカー)#11西村関学はK#12三輪選手とお互いに成功率の高いキッカーがいますが、この大一番で敵陣に入ってから攻めあぐねた時にしっかりと得点を積み上げていけるかは一つポイントでしょう。
ただ、この試合では両者ともチャンスでは4thダウンでギャンブルに打って出る可能性も高く、意外とキッカーの出番は限られるかも。

もう一つ、パントのキックも大事です。
パントキックは攻撃権を放棄する代わりに陣地を回復するためのキックですが、この陣取り勝負も大事になってきます。
富士通はP(パンター)も西村選手がつとめます。飛距離、滞空時間とも素晴らしいキックを蹴るので関学は厳しいフィールドポジションからオフェンスをしていかないといけないかも?
関学のPは控えのQBでもある#6伊豆選手
うまくフィールド内でバウンドして奥にころがしていくパントが得意で、特に時間を使いたい場面で転がしながら敵陣10ヤード以内に押し込むシーンは今季何度も見ました。
この試合でもオフェンスを助けられるかが楽しみですし、控えQBゆえパントフェイクプレーの主役になることも予想され、「本当にパントを蹴るのか?それともパスを投げるのか?もしかして自分で持って走るのか?」など相手を揺さぶることもできる選手です。

そして、キックオフやパントのリターンゲームももちろん必見。
富士通では、WR#81中村クラーク選手とWR#22宜本潤平選手が一気に長い距離をリターンしてしまうスピードを持っています。
関学の方は、CB(コーナーバック:守備で相手のレシーバーをカバーする役割)でもエースとして活躍する#10田中雄大選手と、WR#85木下選手が素早い切れ上がりでロングヤードをリターンする力とサイドライン際をうまく使って走るテクニックを持っています。
お互いにブロッキングさえ少しでもうまくいけば、一気に試合の流れを変えられるリターンが出来るかもしれません。
ただ、リターンゲームは力とスピードのぶつかり合いでどうしても作戦を活かしにくいので、例年社会人が圧倒している印象があります。
関学は一つこのリターンゲームが鬼門になるかも。




さて、長々とプレビューをしてきましたがwww
とにかく!関西学院が持ってくる作戦・戦術が楽しみなのと、富士通がそれに負けずに(関学のペースに乗せられすぎずに)自分たちの強さを見せられるのか?というのが楽しみでなりません(*´▽`*)




最終戦はまさに、死闘
最後に笑うのは富士通フロンティアーズなのか、関西学院大学ファイターズなのか。
試合が始まれば社会人だの学生だのは関係ないと思います。
必要なのは、持てる力を全部駆使してやり切って勝つこと
日本一面白い試合を、一緒に楽しみましょう(≧▽≦)‼