カセットテープで聴くパティ・スミス そしてトイレ掃除の日常 | 音楽でよろこびの風を

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世間を騒がす夫婦音楽ユニット 相模の風THEめをと風雲録

おとなげない大人は

トイレ掃除をリスペクトする🎵


こんにちは。

相模の風THEめをとのダンナ

いしはらとしひろです。


【淡々と語られるトイレ掃除の日常 そしてカセットテープで聴くパティ・スミス】


映画「パーフェクトディズ」を見ました。

ヴィム・ヴェンダース監督 役所公司主演。


主人公は都内の公衆トイレを掃除する人(役所さん 演)。

僕も音楽の他にもう一つ、掃除を生業とする人だから、共感しつつ見ました。


淡々と繰り返される日常の仕事風景を、淡々と撮り進める。

小さなエピソードはいくつか挟まりますが、物語を大きく動かすほどではない。


でも、とても良い。

大袈裟に、たとえば生きるとは何か?!みたいに大上段に振りかぶった映画ではないけれど、しみじみと心に沁みてくる。


タイトルは日本語に直したら「完璧な日々」だけれど、さほど変わり映えのしない淡々とした仕事の日々を、小さく慈しんで小さく感謝して生きているのだなあというのが伝わってくる。


また一般的にはトイレ掃除とかは地味だし、場合によっては敬遠されがちな仕事かもしれませんが、そこも淡々と。

卑下することもなく、でもしっかりとした技術を持っているので、おそらくは自信を持って仕事してます。

そしてそんな日々に対するほのかな愛が伝わってきます。


掃除人のオレとしては声を大にして言いますよ。

トイレ掃除は聖なる仕事だ。

ははは。


ちなみにオレも今日はがっつりトイレを磨いてきたぜ。

あんな汚れが落ちるとは!とお客様絶賛。

オレ、ドヤ顔(笑)

ストレートによろこんでもらえるのがなによりです。


多分この映画は評価や好き嫌いが、はっきり分かれるかなぁという氣がします。

うんうんとうなづく人と、盛り上がりがなさすぎでつまらないという人と。


あの繰り返しの日々のどこがおもしろいのか?と問われると困るけれど、僕の心には深く入ってきました。


ところでこの映画。

音楽ファンというか昔のロック好きには美味しさ満載です。


主人公は仕事に向かう途中、カーステレオで音楽を聴きながら走るのですが、なんとテープデッキ!カセットテープを聴いているのです。

そのテープに入っているのがパティ・スミスだったりアニマルズだったり。

るー・リードの隠れ名曲「パーフェクトディズ」もかかります。映画のタイトルはここからとったのかなぁ?

僕の大好きなキンクスの「サニー・アフターヌーン」もかかるという美味しさ。


そして一番びっくりだったのは。

居酒屋の女将さん役で石川さゆりさんが出ているのですが、なんと生歌でロックのあの名曲をアコースティックギターのみの伴奏で歌うのです。

圧巻!

この歌だけでも感動かも。

歌ぢからがある人が歌うと、演歌ではなくても説得力ありすぎです。


あと

笑ってしまいつつ共感したのが、毎朝役所さんが車を出す時に、毎回同じ自販機でBOSSのカフェオレを買って、飲みながら運転するのですが、僕もあのカフェオレは大好きで、しょっちゅう買って飲んでいるのです。「オレ、役所さんと一緒!」という気持ち。

もちろんCMに絡ませた楽屋落ちなんでしょうけど。


なのでロックファンには見どころたくさんかもしれませんよ。


いしはら、お勧めの一作です。