下諏訪で外来客が利用可能な共同浴場の中で、最もハードルが高いのが高木温泉。
諏訪市(上諏訪)の境に近いR20から少し山側に入った住宅地の中にありますが、
まず、その場所を見つけるのに一苦労。そして、外来者にとって最大の問題は駐車場がないこと。
車のすれ違いも難儀するほどの狭い道沿いのため、大型バイクでは路駐もできません。
そのため、これまで一度も入湯できずにいた高木温泉に、やっと入ることができました。
午前10:00から12:00が清掃時間のため、近くで早めの昼飯を食べた後、午後の一番風呂を狙う作戦。
11:00を少し回ってR20沿いの「焼肉南大門」に到着。
むか~し、諏訪に住んでいた頃、何度か食べたことがありますが、その時以来ほぼ30年ぶり。
並行に走るR20・JR中央本線を挟んで、この店のちょうど反対側に高木温泉があるのです。
木曽から朝飯抜きで来て腹ぺこだったので、ジンギス定食にラーメンを追加。
ここは平日だと焼き肉は半額ですが、残念ながらこの日は土曜日なので、やや高めの昼飯となる。
なお、ここの焼き肉、味は間違いなし。窓際の席から見る諏訪湖。
ゆっくり食事して12:00近くになったので、店に車を置かせてもらい、目的地へ歩いていきます。
後でネットでわかったことですが、南大門の隣にある酒店で入浴券を買いそこに車を置かせてもらった人がいました。それが一番賢明かもしれません。
「高木」の信号から山側へ入り、跨線橋を渡る。
南大門から歩いて目的地までは、5分ほどです。
諏訪湖が見えます。
セイコーエプソン高木事業所入口の反対(左)側に曲がり、少し進むと・・・
見えてきました。
手前のクリーニング店で入浴券を売っており、「入浴券取扱所」の表示板が架けられていましたが、シャッターが閉っていて購入できず。
入浴券がなくても小銭の現金があればOKなので心配無用。
これが高木温泉。
「高木区温泉」と「高木区高齢者集会施設」の2つの表札が下がっています。
外観は公民館というか、集会所といった感じです。
入口の扉に説明書き。
入浴料250円。ここから引湯している「みなみ温泉」と「湖畔の湯」も同じ。
なお、下諏訪の共同浴場でこの3軒以外の6軒は220円です。
玄関を入ると正面にこのような看板。
諏訪大社の宮司さんによる書のようです。
ここから、左右に分かれて男女別の脱衣所入口があります。
正面から見た建物の印象と違い、内部はかなり奥行があって、無人の施設とは思えないほど館内は広い。
薄暗いので、脱衣所入口の電燈スイッチを入れ、中に入って浴室側を見たところ。
右にある小さな箱に、入浴券または現金を入れる貯金箱方式。
浴室の入口は、みなみ温泉と同じ「前室方式」です。
上諏訪・片倉館の浴室入口もこのような方式でしたが、これは、寒い諏訪地方特有の造りなのかな?
脱衣所も広々としており、脱衣棚の個数もタップリ。30人分以上!
よく見ると棚は、さらに上にもう1段あり、板でふさがれていました。
定員40人超? まさか・・・
ここには 洗面器がない ので、私もいつも使っているやつを持参しております。
これはかなり重要な情報ですよね。
玄関側へ突き出たスペースには、天井から「訓練室」の札が下がっている。
訓練って・・・ ここで、リハビリでも?
それにしても、椅子など腰をかける家具類などは何もありません。
ネットで見たことのある、下諏訪温泉特有の円形タイル張り湯船。
中央に上から配管された塩ビ管から二方向にドバドバと新鮮なお湯が投入されています。
しかし、なんとも年季の入った浴室。(´・ω・`;)
体感湯温は、44~45℃。じっと入っていられる気持ちいい熱さです。
そして、洗面器どころか、湯桶さえもありません!ヾ(;´Д`●)ノ
イスは数人分ありました。
壁から出た塩ビ管は上から吊られて湯船の中央で下りています。
みなみ温泉や菅野温泉などにある「円柱湯口」の跡ではないですか!
この奇妙な湯口の謎(大げさ?)が解けました。
そう、かつては、湯船の中央に立てられた円柱から二方向にお湯が投入されていたのです。
それがある時点に、何らかの理由で下からの送湯を廃止し、代わりに上からの配管に変えた、というわけです。
小さな発見がもう一つ・・・
大量投入なのに、湯船の縁からオーバーフローがないのは、この排湯口が4個あるため。
そして、これにより、湯船から4方向にタイルが茶色に変色していたのです。
3面にカランがそれぞれ5個ずつ、つまり15個も蛇口が!
ここに15人が入ったら凄い光景だろうなぁ・・・と想像しました。
天井はこんな感じ。
相当使い込んでます。
1時間ほど湯船に入ったり出たりしてから上がる。
寒のぶり返しで冷え込んだ日ですが、しっかりと暖まりました。
とうとう、この間、来訪者は私一人だけでした。
家の中で「広場」て・・・ (⌒_⌒;
外へ出て、建物の裏へ回ってみます。
温泉施設の目印ですが、こんな目立たない所ではなかなか見つかりません。
階段は、集会室の裏口への通じる通路。
表側には2階部分があるため、正面からはこの「湯抜き」も全く見えません。
高木温泉が見つけにくい理由の一つです。
しばし、このレトロ空間の中で極上温泉を堪能いたしました。
施設はかなり疲労感がありますが、これからも長く続いてほしいところです。