JR西日本227系500番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


マリンライナー用の223系5000番台を最後に20年間JR世代の車両の投入が無かった岡山地区。山陽本線を軸とする区間の電車の完全JR化について広島地区に先を越され、アーバンネットワークとの間に挟まれた国鉄型車両の魔境と化していたこのエリアに、待望のJR世代新型車両が登場しました。

車両は順当に、地方路線での拡大著しく短編成を組める227系。今回も0番台と仕様が異なることから、新たに500番台という番台区分がされています。

「晴れの国 岡山」とも言われるような豊かで穏やかなエリアをイメージし、「Urara」という愛称が付けられています。転落防止幌にもロゴが入れられております。

広島地区の227系と並びました。広島地区が「Red Wing」と尖ったイメージなのとは対照的ですね。

側面もピンクを主体として、太陽の穏やかさや恵みを表現した暖色系のグラデーションをしたステッカーを貼り付けています。かつて存在した117系のサンライナー塗装をほうふつとさせますね。

2両編成と3両編成を組み合わせ、最大8両編成での運転が可能です。岡山以西で運転を開始し、24年からは岡山以東での運用を開始しています。今回は2両編成の列車をご紹介。

車内です。これまでのクロスシート主体の座席構成を維持しつつ、ラッシュ時の詰め込みにも考慮した構造となっています。外観は個性を表現していましたが、内装に関しては色調はアーバンネットワーク寄りと言えますね。

ドアです。両開き式で、3方を黄色で固めております。旅客案内はLED表示機が千鳥配置での設置、表示は3色ですが、発色を見るにフルカラーLEDのようにも見えます。JR西日本の近郊型電車としては、初めて防犯カメラが標準装備されています。

車端部です。こちらは2両編成の姫路方、クモハ227形のものとなります。仕切り扉はステンレス仕上げ、持ち手にはアシストレバーが付き、開閉もラクラクです。詰め込み担当エリアで、右側にロングシート、左側にフリースペースを備えています。床面積は増えた一方で、115系比で着席定員は4名も減ってるんですよね。

こちらは三原方、クモハ226形の車端部です。バリアフリー対応トイレを備えており、中々の面積を取っています。しかし、この構成は長編成になればなるほどトイレが多くなるわけで、リスクへの備えや編成の自由度は万全ですが、着席定員…というより乗車定員の減少を招いています。

最前面です。アーバンネットワークの225系と比べると、仕切り窓は比較的大きく取られています。嗚呼、この辺はアーバンネットワークも頑張って欲しいところ。ちなみにワンマン運転に対応していますが、車内で運賃を恒常的に収受する訳ではないため、運賃表示機や運賃箱などの設備はありません。

併結時の様子。車掌台側はロープで区切られ立入禁止となっています。近年は物理的に立ち入り可能でも、不用意に入らないようにさせる会社が増えましたよね。

貫通扉の2つのロゴを間近で見て触ることも出来ます。関西でも通り抜け、やって欲しいんですけどね。

天井です。0番台同様、照明の光が天井各部を照らすような部材を使うことで光が均一的に反射するようにしています。が、それならばLED灯は直管式で無くとも…。まぁ115系や213系並だと言えばそれはそう。吊り革は径が太い濃黄色、これは岡山地区のキハ40系列で先行して採用されていますね。

さて、こちらは緊急停止により運悪くセクションに停車した時の模様。パンタグラフが降りていますが、一部照明は補助電源で点くようになっているようです。

荷棚をクローズアップ。茶系の前飾り付きで、座席が有り窓が開く部分については荷物の滑り出しを防止するガードが取り付けられています。

窓です。構成は0番台と変わらず、大窓を小窓2枚で挟むスタイルで、小窓については換気のために開閉可能です。日除けは爪を引っ掛けるロールカーテンタイプで、軽い力で昇降可能です。窪みは3/4、半分の高さで止められるように配置しています。

座席です。225系等と同じものを使用しております。0番台では223系1000番台以降続く5列配置でしたが、この番台では転換クロスシートを1列減らした4列配置となっています。

一般座席の転換クロスシートから。窓側の肘掛けが省略されている訳ですが、この区画で言えば太くした窓枠がガッツリ腕に食い込むとんだハズレ列です。

と来れば、ボックス配置とならずに眺望に恵まれるのはドア横の固定クロスシートのみ。しかしここすら進行方向によってはハズレ列と化します。

ということでそれがこちら、転換クロスシートを1列削って固定クロスシートを寄せているため、このような区画も出てくることとなります。画像は優先座席で、ヘッドレストカバーで区別しています。全体的に扁平で硬めに振ったクッションは、削るところまで削ってようやっとクロスシートを搭載出来たようなものと言っても過言ではありません。

肘掛けについては、近年増えてきた転換機構部分をカバーしたタイプです。内側にモケットが貼ってあり、触れても冷たくしない配慮はマル。

ドア横の補助椅子です。ドア間に限れば、データイムは115系転換クロスシート搭載車(以下115系)比で補助椅子込みですと着席定員は4名増、ラッシュ時など補助椅子がロックされると逆に4名減となります。

開いて見ました。相変わらず大穴が空いた簡易仕様、座れるだけマシといった風合いです。“混雑時など時間帯により、補助シートはご利用できません。”というこのプレート表示、「ラッシュ時の非混雑区間なら座れるだろう」と捉える乗客が後を絶たず、何度も開けようと試みる乗客が続出しておりました。北陸地区や広島地区もそうでしたが、定着まではしばらく時間がかかりそうですね。いや、そういう意味では223系1000番台のランプ表示が一番親切だったと思うんですよね。

車端部寄りのドア横には補助椅子がありません。ここは整理券発行機設置準備箇所のためと思われ、ここに限ればデータイムでも着席定員は115系と変わらないことになります。ICOCAの拡大を進める中で、整理券発行機が設置されることはないでしょうけど…

そして500番台で初めてお目見えした立ち席拡大スペース。イメージパースではここに補助椅子が無い感じで描かれており「ウソやろ?」と思ったものですが、しっかり設置して出て来たのでまだ一安心と思いたいですが、223系と同じ座席配置で補助椅子をロックすれば115系よりも立ち席面積が広い中で、ここまでやらんでも…。

消化器が収納された区画です。車両中央寄りにありますので、ご認識置きのほど。

車端部のロングシートです。4人掛けで、こちらにも詰め込みを求めています。それにしても、321系に端を発する駄席をまたも量産する愚を犯しています。全体的にクッション性ほぼゼロ、扁平で高さのある座面、受け止める面積が少なめな背ズリ、カバー面積が極めて広くで内側にモケットを貼った袖仕切りくらいしか良き点がありません。あくまで数駅程度の利用くらいしか見込んでいない感はありますが、1000番台で座面の改良が見られたんですから、せめてそれくらいの座席は積んで欲しいものです。

向かい側のフリースペースです。ここにかなりのスペースを取っているので、ロングシート部分は補助椅子付きのボックスシートであってもよかったと思うのですが、521系からのパッケージに合わせたらこうなるんでしょうね。

トイレ向かいのフリースペースです。どちらも握り棒、非常通話装置、ヒーターが備えられています。ヒーターはかなり薄くなっており、側壁と同じレベルで凸凹もなく設置されてるのは素直にすごいと思います。

最後にバリアフリー対応トイレです。ドア側は垂直な壁ですが、扉部分は弧を描いています。扉はボタンによる自動式、1000番台と同様のボタンで、クリック感があるものになっています。