くまタフ Round3 | なし

なし

無し






 くまみこTOUGHの二次創作短編小説となります。



     

 暴力、グロテスク、猟奇的な表現が含まれております。









 ~“クマ井 ナツ”回想~



 ソレは1年と少し前の事だった。


 夕暮れの熊出神社の階段で、ナツと変わった巫女装束を着た女の子が隣にくっつく様にして座り込み、夕暮れを眺めながら話していた。

 その女の子の名は、“”雨宿 まち”

 髪は黒髪のロングであり、前髪は揃えている。
 顔は童顔の可愛い顔をしており、身体は小柄の少女だ。
 しかし、その幼そうな外見とは裏腹に山道等を歩く体力があり、手斧で木を伐採したりする事も出来る。

 親しい人物には喜怒哀楽をはっきりとしているが、そうでない他人には人見知りをしてしまう内弁慶なところがある性格だ。

 今の彼女の着ている変わった巫女服とは、巫女服の上にアイヌ模様を施された羽織を羽織っており、額飾りを頭に着けている。紐のついた銅鏡を首から掛けている。
 ちなみに今の髪型は、緩い二つ結びのおさげを前にだしている状態だ。

 “まち”がナツに話している。

 まち「ようやく都会に行けるんだね…今年の4月で此処を離れるのか…あんなに都会に行きたいって言いながら今でもそう思うけど、此処を離れるのは少し寂しいかも…」

 “まち”の声は、何処か哀愁が漂っていた。
 その横顔は、儚げで、寂しく、年頃の少女特有の可愛らしさに美しさが混じっている。

 まち「今思えば、ナツが課題と言う名のイジワルをしていたのは、私がここから離れてしまうのが嫌で、ナツが寂しくなるからあんな事したのかな?」

 ソレをナツは黙って聞いていた。“まち”は言葉を続ける。

 まち「少しの間はお別れになるけど、夏、冬、春休みには必ず帰って来るから、そこは待っていてね。」

 彼女はナツに振り向き、そう言って微笑んだ。
 夕暮れが彼女を照らし合わせているのもあり、その光景は儚く美しかった。

 その時、ナツの中で何か大切なものが切れた。

 そして、ナツは“まち”に告げた。

 ナツ「“まち”、都会に行く前の最後の課題だ。」

 まち「どういう事?」

 ナツ「“まち”、君が僕を倒すんだ。殺すのだよ。でなければ、君は僕に喰い殺される。」

 ソレを聞いた“まち”はジョークだと思い笑いながら言う。

 まち「もう、ナツったら。そういうヤンデレネタやミステリーホラーみたいな事言って、イジワルするんだから。」

 その瞬間、ナツは“まち”に覆い被さる様に襲い倒した。

 まち「キャっ! ナツ、流石にそこまでの悪ふざけは怒るよ!」

 “まち”はナツを力づくで退かそうとするが、ソレが出来ない。
 いつものナツではなかった。

 ナツは、その獣の口を大きく開けて、牙を剥き出しにし、そこから唾液が“まち”の顔に滴る。
 今のナツは、本当に人肉の味を覚えてしまった羆の様だった。

 そのナツを目の前にした“まち”の顔は強張ってしまう。そして、有らん限りの声を振り絞り叫んだ。

 まち「ナツ、やめてええええ!」

 その声にナツは、ワザと“まち”を拘束から解いた。
 解かれた“まち”は、駆け足でその場から逃げる。

 その後ろ姿を見つめながら、不敵で不気味な笑みを溢しながら言った。

 ナツ「“まち”、3分だけ猶予をあげるね。
 “まち”の事を愛しているから…」

 そして、ナツはその巨体をゆっくりと揺らしながら歩き始めた。











 ~雑記~

 スマヌ、今回はナツの回想と言う事で、タフ成分が無いんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

 ナツがヤンデレと言うか、病んでしまった…(笑)
 原作は、過保護だけど良い熊さんだからね!










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(アッキー)