女性Voのメタルと言えばこれしかないSentinel Beast | 川嶋未来(SIGH)のブログ

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エクストリームメタルの歴史において、女性Voをフィーチャした最も偉大なアルバムは何でしょう。そう、Sentinel Beastの"Depths of Death"です。これについては異論のある人はいないでしょう。速くて激しくて曲も良い。非の打ちどころのない作品です。リリースもMetal Bladeという名門。文句のつけようがありません。とりあえず一曲聞いてみてください。

どうですかこの疾走感、そしてわかりやすいメロディ。Debbie Gunnのヴォーカルも実にパワフル。残念ながら正式なアルバムは、86年のこの"Depths of Death"しかリリースしていません。このアルバムからもう1曲。

言うまでもないことですが、Iron Maidenのカバーです。通常カバーというのは改悪になってしまいます。完成された楽曲をいじるわけですから、完成度が下がってしまうことの方が多いです。でもこればかりは原曲を超えていると言わざるを得ません。これを聞いて興奮しない人は、メタルを聞く必要ないでしょう。

 しかし、これほどまでに偉大なアルバムを残していながら、Sentinel Beastの知名度の低さは何なのでしょう。このクオリティからすれば、「今年のラウドパークはSentinel BeastのTシャツが目立つなあ」なんていうことがあっても良いはず。当時の活動期間の短さも原因でしょうか。84年に結成され、アルバムリリースの翌年には解散をしてしまったようです。解散後のDebbie Gunnの動向については良くわからない部分もあります。テクニカルスラッシュバンドIce Ageに参加したり、やはり女性Voで名を馳せていたZnowhiteにも参加したようです。Znowhiteのバイオによると、Debbieが加入したものの、結局彼女はSentinel Beastに復帰するために脱退、その後ZnowhiteはCyclone Templeに発展していく、となっているのですが、この時期にSentinel Beastが活動していた様子はありません。復活は話だけで立ち消えになってしまったのでしょうか。その他にもBrutal Grooveというバンドにも参加していたようなのですが、これは何と言うか、バンド名を見ただけで聞く気を削がれます。

 いずれにせよSentinel Beastはめでたく2007年に復活し、現在も活動を継続しているようです。2009年頃にはセカンドアルバムが出るという話だったのですが、残念ながら現在に至るまでリリースされていません。

 ぜひこういう真に素晴らしいバンドに来日してもらいたいものです。来日したらTシャツ全種類買います。