府中市議会の一景色(グリーン車問題) | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」

9月11日、基地等跡地対策特別委員会がありました。委員会の最後に、秋に行く委員会視察の行程について、委員長から話がありました。(写真上部)


1日目に横浜市を視察し、移動して尼崎に宿泊し、2日目に尼崎市を視察して、その日に帰ってくる、という行程で、

「帰り」の新幹線「新大阪~東京」は
「グリーン車としたい」

という委員長からのお話でした。

グリーン車に乗る乗らない、それ自体はそれほど大した話じゃないのですが、別の理由があり、僕は反対しました。共産党の服部さん、ネットの田村さんも反対しました。

 
●別の理由とは

 府中市議会では、平成26年2月に議会改革検討委で検討し、

「グリーン車は原則廃止」と決めました。しかし、それから3年とたたない28年9月の議会改革検討委員会で

会派・市民フォーラムからの要望で
「グリーン車復活」
が提案されました。

今さらと思いましたが提案された以上議論しなければなりません。反対もあったので結構な時間をかけて議論がなされました。

自民・公明が同調し、結果は、ただし書きが加えられ(写真下部)、29年6月に市議会の申合事項となりました。

復活提案の理由は
「年輩の方もいるし、移動で疲れて視察先で支障が出る場合があるから」
とのことでした。

主に共産党の目黒議員と杉村が反対意見を言いました。こんな議論をしていること自体市民に申し訳ない想いです。そしてついこの間自分たちで廃止を決めたばかりなのに、よくもまあ、市民に対して恥ずかしくないのか、と思い、反対しましたが、提案に喜んで同調する会派もあり、なかなかまとまりません。

しかし、議会改革検討委員会7人中、反対は3人であり、他に議会基本条例や議員間討議など大事な案件が残っていたので、僕たちも妥協し、先程の「ただし書き」となりました。

ここに明記はされてませんが、距離が遠い場合はグリーン車を認めてよい、という共通認識で合意に至りました。距離の基準は曖昧ですが、新大阪を「超えた」あたりから乗ってもよいという感じでした。

これが昨年までのことです。


●「ただし書き」には要注意

府中市議会ではそれぞれの議員は必ず、どこかの常任委員会と特別委員会に所属することになり、常任は7月頃、特別は10月頃に公務として視察に行きます。

7月の常任では、豊田市、東大阪市、宝塚市を視察し、「帰り」の「新大阪」から東京までの新幹線がグリーン車でした。この時はただし書きに書いてある「委員長から各委員への」説明もなく、行程表が配られました。しかも「新大阪」から「帰り」では、「移動で疲れて視察先で影響が出る場合」にすら該当しません。自分たちで決めたことをないがしろにするのはよくない、と委員長に伝えました。

この時は、事務局がもう切符を買ってしまったというので、視察には行くが、自腹で普通車を買って行きますと伝え、委員長も了解しました。

しかし出発直前になり議長から、今回は一緒に行ってくれ、と電話がありました。小野寺議長にはお世話になっているので、次回同じようなことがあったら行きませんよ、ということで妥協に妥協を重ね、7月は行くことにしました。

 ●原則廃止は名ばかり
そして、今回の特別委員会。
委員長から一応行程の説明はありましたが、また「新大阪」から「帰り」ということでした。議会改革委員会で合意した趣旨に合いません。他の委員会でも仙台〜大宮間など、安直にグリーン車を利用する傾向が見られ、結局、なしくずしに原則廃止が名ばかりになっていると言わざるを得ません。

おそらく、自民・公明・市民フォーラムの3会派が事実上のグリーン車復活で認識を共有しているのでしょう。まことに次元の低い恥ずべき話です。

こういうなし崩し的な「決め方」を僕はもっとも嫌悪します。7月には一度妥協もし、次回も同様なら反対するとも伝えてありましたので、今回は断固として反対するつもりです。

委員会で、このグリーン車利用は議会改革検討委員会での議論の趣旨に反するので反対する、もし強行するなら視察には参加しないと申し上げておきました。

本当に低レベルな話ですが、こういうところから一つ一つ筋を通していかないといけないと考えます。彼らがどう出るか、反応を待ちたいと思います。