※写真は横田基地のオスプレイ
陳情12号に続いて、陳情11号についての報告です。
タイトルは『横田基地へのオスプレイ配備に際し、府中市に対応を求める陳情』
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/gikai/shingi/segantinjo/bunshohyo/30chinjo.files/30dai4tinjou.pdf の5ページ目
この陳情は、日本国の主権に関わる大事な問題を指摘していると思います。保守だと言う自民党がどんな反応をするのか、私は当初から注目していました。
・オスプレイは沖縄などで落ちている。
・近年だけでも調布飛行場に米軍ヘリが4回緊急着陸している。
・民間機が調布飛行場近くで墜落した。
こういった事実を重ね合わせると、オスプレイなどの米軍機が府中市内に墜落する可能性も当然に考えられ、そういった心配を抱える市民から出された陳情だと考えられる。
陳情項目も、オスプレイ配備撤回!のような今すぐは無茶な要望ではなく、全国知事会が合意して国に求めた内容と同様なもので、まっとうである。すぐに実現できるかどうかはともかく、府中市が米軍に対して求めることについては当然のことであると考えられる。
以上の事から、この陳情には賛成し、採択を主張しました。
結果は、自公と清水議員が反対し、不採択でした。
反対理由は二つ。
①府中市から横田基地に直接意見は言えないと思うので反対
②市職員が立入りすることは法的に無理があると思うので反対
①は自民党の意見ですが、全くの認識不足です。米軍ヘリが過去4回調布基地に緊急着陸したときに、市職員が横田基地へ行って米軍に直接要請し、回答も求めています。この過去の実績は29年12月の杉村の一般質問への市答弁で明らかです。
ですから①は反対の理由になりません。
②は公明党の意見でしたが、市職員の立入りに関しては、全国知事会が国に要望したことなので、それが要望すらできないということはありません。
ですから②も理由になりません。
本会議の場で、総務委員長から委員会の結論は不採択との報告があった際、私は上記の意見を言い、不採択の理由がないのでもう一度審議をやり直すべきだと委員長に申し上げました。自民党の臼井委員長がそれに反応できず黙っていたところ、議長が先に進めようとしたので、私は「議事進行」発言を求めました。ひと悶着ありましたが発言が認められ、不採択の理由がなくなったので総務委員会で再審議するよう議長に求めました。
「議事進行」は会議規則にも規定されており、議事の進め方に意見、要望、質問があるときに発言を求めることができ、議長は優先的に指名をしなければなりません。議事運営への要望の場合、「動議」なら議長が全議員にその場で諮りますが、「議事進行」なら議長がその場で判断し、答えを出さなければなりません。
今回議長は「動議」と間違えて議員に諮ろうとしましたが、杉村から「議事進行」ですと重ねて申し上げました。あらためて、「議事進行」ということで、議長が自らの判断で、「再審議はしません」と決定しました。
とても公平な議長裁きとは思えませんが、予想された流れではあります。不採択に理由がないことが本会議場で明らかにされ、それにもかかわらず、推し進められようとしたので、会議規則に則って「議事進行」で要望し、それも理由なく却下されました。そしてその結果、理由なく不採択という決定がなされました。
理由付けは法的な義務では勿論ありませんが、○であれ×であれ議会の決定には理由をつけるのが市民に対するマナーでしょう。ちゃんとした理由や議論なしに多数決だけで早急に議事を進行していくやり方は、議会の権威を徐々に傷つけていくものだと私は思います。
追記
今回、自民党は府中市が直接米軍に意見をいうことなどできないのではないか、と発言しました。これは明らかな認識不足なんですが、それ以上に深刻に感じたのは、保守を自認する自民党が、米軍に対して従属的な精神でいたということです。今回は過去の実績があったわけですが、仮に実績など無くとも、米軍に対等にものをいう気概がなければ、主権など守れません。市民の生命と財産も守れません。非常に情けない想いがしました。