コロナ対策、議会として市長に提案 | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」




Facebookでもお知らせしたように、府中市のコロナ対策第一弾に関連する補正予算を5/14の臨時議会で可決しましたが、この同日の臨時議会終了後に、議会全体で合意した要望を市長に提出しました。これは画期的なことで、少なくとも杉村が議員になってから(17年間)では初めてのことです。

何が画期的か、
というと、今回初めて、市の施策に関連して、
「議会側から」「議会全体」が合意して議会としての意思を示したという点です。

そんなのあたりまえじゃないか!
と思われると思いますが、本来の議会ならそれが当然のことなんですが、
実際の議会で行われていることは、

・一つは、「市長提案」の議案に質問し、賛成反対すること。
・もう一つは、「議員個人または会派ごと」で役所に対して「要望」すること。
大きくはこの2つです。

ここで、
市長提案=役所案、
要望≒お願い、
であることを申し上げておきます。

教科書で習う「地方議会」とは、
ⅰ.政策を立案し(条例制定)、
ⅱ.役所をチェックする(質疑)
機関です。立法機関であり、監視機関です。
しかし実際の議会は、役所案の追認機関であり、要望機関になってしまっています。

なぜそうなってしまっているか、
というと、一言でいうとそれが「習慣」だから、ということでしょうか。
いまの現職議員は皆、初めて当選したときから今の運営だったので、
議会とはそういうものだと思っているでしょう。

なぜ、そうなってしまったか。
始まりはたぶん、それが楽だったから、なんだと思います。個々の政策に詳しい役所の職員がどんどん提案をしてくる。それをチェックして賛否を言うだけのほうが、自ら政策を一から調査して立案立法し他の議員と議論調整し多数を得る、というよりも遥かに簡単でしょう。役所は日々の現場対応から必要に迫られので、いくらでも立案してきます。いつしか議会はそれに頼るようになったのだと思います。

しかしそれでは、市民の声を市政に「反映させる」という
本来の議会の役割を充分に果たすことはできません。

ちゃんと市に「要望」しているよ、と現職議員は言うでしょう。もちろん議員や会派で「個々に要望」することは大事ですので否定はしません。やるべきです。でもそれは市民の声を「伝える」ことでしかありません。要望を「反映される」かどうかは、役所の裁量で決まるからです。実際、議員や会派の要望については、役所はできることしかやりません。つまり、「要望」はお願いに過ぎないのです。お願いだけなら町内会長とあまり変わりません。

しかし同じ要望でも、議会全体が合意した要望は意味合いが違います。もし受け入れられなかったら条例化もありますよ、という意味がそこにはあるからです。役所も無碍にはできないでしょう。お願いではなく強制力を持ちます。

今回、コロナ対策に関連して議会全体が合意した提案を市長に要望しました。市の対策の第一弾が出ましたが、それでは不充分であり、市民からのさらなる声が各議員にも多く届いていました。議会としても声を上げなければ、議会は何をやってるんだと言われかねません。

そこで議長が決断され、各会派からの意見を集め、議会とし要望することになりました。これを受けていくつか案が出され、議長が調整し、案をまとめて5/11の代表者会議に提示されました。

調整の段階で各会派から3通りの反応があったそうです。
・積極的に賛成
・内容はともかく、議会としてまとまめることは賛成
・いままで通りでよい。議会として出すのには賛成できない。

会派は、自民党市政会、市民フォーラム、公明党、共産党、生活者ネット、自由クラブ、です。

自由ク(杉村所属)は当然賛成ですし、事前に私が意見交換したところ、自民、共産、生ネットは、内容はともかく賛成、でした。どこが反対したかはわかりません。

「いままで通り」とは、会派要望をしていればそれでよい、という主張です。会派で要望するのは私もいいと思いますが、議会提案にあえて反対する理由がよくわかりません。ただ単に今までのやり方を変えたくない、としか思えません。

11日の会議では結局、賛成できないと言っていた会派も含めて、全会派が議長案に賛成しました。議長案がどの会派も頷ける、ポイントを抑えた内容だったからだと思います。

市長に提出した議会要望は、市のコロナ対策第二弾に盛り込まれるはずです。第二弾で予算を伴うものは、6月議会に補正予算として出てくるでしょう。本当は、5月の第一弾に盛り込めればもっと良かったのですが、今はこれが議会の実力であります。

今回はコロナをきっかけにして議会がまとまりましたが、今後これを契機に平時においても、党派を超えて取り組める課題については、議会提案を模索できるよう働きかけていきたいと思います。議会の力を強くすることが何よりも市民の声を市政に「反映させる」方法だと思うからです。