米軍通信施設、返還へ | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」

府中市にはまだ米軍基地が残っています。
 
府中市には航空自衛隊府中基地があり、その北側に米軍基地跡地があります。府中市美術館や生涯学習センターのさらに北です。この跡地は現在財務省管理ですが、近々府中市のものとなる予定で府中市の利用計画があります。
 
この跡地のど真ん中に、じつはまだ米軍基地の通信施設が残っておりこれまでは返還しないということでした。仕方なく、市はその一画を除いて周りを囲むようにして計画を進めてきました(図参照)。
 
このほど6月の府中市議会で、この通信施設の返還を求める意見書を全会派一致で可決しました。
 
 
 
府中市ではこれまでも米軍の問題が取り上げられたことはありました。
・隣の調布飛行場に横田基地所属の米軍ヘリが不時着することが数回ありました。府中市内に墜落するリスクもありますが、墜落した場合どうするか、対応が米軍主導になる可能性が大です。
・基地周辺市ほどではないですが、府中市でも日常的に米軍機の騒音があります。窓ガラスがビリビリいいます。府中市の上空はいわゆる横田空域に入っており、米軍横田基地の管理下にあります。
・また、横田基地が原因ではないかとの疑いがある有機フッ素化合物の地下水汚染の問題。飲料水にも使用されていた武蔵台の地下水から汚染物質が検出され、利用停止になりました。
 
こういったことに対して、市として議会として要望を申し入れようと提案しても、府中の自民党市政会は米軍に物を言うことは無理ではないか、などと言って反対してきました。保守というのにとても弱腰です。
 
もちろん、通信施設の返還についても過去に取り上げたことはありません。それが今回急に、意見書を出そうと自民党から言い出したので、何かあるのかな? と思って調べてみました。
 
すると、どうやら、元民主党で最近自民党に鞍替えした長島衆議院議員が動いて、すでに返還が内定しているようでした。市政会としては、返還が見えたので慌てて手柄にしようというわけでしょう。
 
民主党政権時代に、私たち(当時の)民主党市議団は大きなチャンスだと思って、菅(かん)総理に対して、返還の打診をしてほしいと要望しました。
 
しかし総理大臣が言っても、米軍は返還どころか、何に使われているのかの情報すら教えてくれませんでした(菅事務所談)。総理大臣が言っても無理なのかと、この時は米国と日本国の関係の現実を知らされた想いでした。
 
ところが、長島氏が動いて、この度返還されるというのです。長島氏の得意分野とはいえ、両氏の力量の差を感じずにはいられません。
 
(長島氏については、秘書時代から存じていますので、政治家としての力量は認めるところですが、自分と哲学が異なるので選挙で応援はいたしません。僕も米国との友好関係維持の立場ですが、対米自立を標榜しており、これに対し長島氏は対米従属の現状を容認していると思われます。)
 
ともあれ、誰が動こうが、返還されるのであれば府中市にとっては大変喜ばしいことです。返還されれば跡地計画も自由に絵が描けます。現計画も見直すことになるでしょう。
 
とはいえ、代議士一人が動いて返還されるぐらいだったのなら、市議会として取り組むべきでした。府中の自民党に象徴されるような、米軍に物言うなんて恐れ多い、というような日本のエセ保守が日本の政治を覆っています。
 
米軍が当たり前のように我が物顔で日本に今でも存在しているのは、米国の横暴というより、私たち日本人自身の自立心の問題です。私たちが勝手に恐れて、自分で自分の手を縛っているのだと思います。
 
*過去の自民党市政会の発言
「府中市として、米軍横田基地に対してこういったことを要望というのはそもそも市としてできると思いますか?」「横田基地にとか、ちょっと行政としてはできないんだと思います。」(H30.12.6総務委員会 横田基地オスプレイ配備に関する陳情の審議において)