バイクに乗り出してから、一度は、やってみたいこと。
走りながら新年を迎え、初日の出を観てみたい…
地元の仲間何人かと打ち合わせたが、乗ってきた面子は走り屋を自称する者ばかり。
革ツナギの上からMA-1を羽織って第三京浜に上がると、後ろから追い上げてくるヘッドライトが。
RZ250にyuzoのクロスチャンバー。学部は違うけど一学年下の後輩。
前に出られて、オイルを浴びたくはないのでちょっとだけ前に出てみる。
直線からのS字を超えたあたりからはランデブー走行となり、料金所で80円払うとそのまま大混雑の三ツ沢へ。
待ち合わせ場所には既に勢ぞろいで、「じゃがべー」2本目の猛者も。
とりあえず走り出すが、普段の勢いはどこへやら、貧弱な装備で皆寒がって一向にペースが上がらず。
横浜新道の出口あたりからは交通量もかなり増えてきて、雰囲気のよくない集団とパトカーの小競り合いを横目にみながら今年最後の給油をしたり、渋滞の中を「写るんです」で乗ったまま互いに記念撮影しながらのんびりと進む。
やっとの思いで西湘バイパスにあがる。
国布津の手前あたりで、コロナタンクバックに入れた腕時計が午前零時を指した。
先頭を走っていたので「おー」とこぶしを上げると、後ろも次々に手を上げる。
大したことではないけど「やったー」という喜びを共にする。
早川口で降りて、真鶴旧道を登っていく。
ポツンとある自販機で缶コーヒーを買い暖をとる。
静かだけど2輪も4輪も結構な人数に増えてきてちょっとびっくり。
皆「寒い」と言いながらぴょんぴょんと飛び跳ねて身体を温めてみるが、あまり効き目もなく。
近くの4輪のラジオから午前5時の時報が聞こえてくる。
皆海岸線をじっと見つめる。
見知らぬ沢山の人たちが真っ暗な狭い場所に集まっているのに皆とても静か。
空の明るさに一同色めきだつと、あれよあれよという間に初日の出がのぼってくる。
あけまして おめでとう。
いつまでも、こんな気持ちを忘れないでいよう。
そう思いながら、椿ラインから大観山に向けて再び走り出した。
昭和の終わりの大晦日の出来事。