葉酸というと、「妊婦さんに必要な栄養素」というイメージが強いですよね。
じつは、男女に関係なく血行や免疫にとってとても大切な栄養素なのです。
他の栄養素と同じように単に葉酸だけで摂ればよいというわけではありません。ビタミンB6、B12、ビタミンＣとの相互の働きかけが必要です。
葉酸の効果
妊娠中の女性や、成長期の子供に必要不可欠
葉酸はDNAの合成や細胞分裂に大きく関与しており、このことが胎児・乳幼児の成長に大きな働きをしています。
妊娠中、特に妊娠初期の第一週が最も葉酸を必要とされており、この期間に葉酸が不足していると、胎児の中枢神経が上手く作られなくなる神経管閉鎖障害などのリスクが高まり、重度の場合は死に至ることもあります。
第一週目ではほとんどの人が妊娠に気付いていないので普段から葉酸が不足しないように気をつけましょう。
貧血の予防・改善
血液に関係する鉄分・葉酸・ビタミンB12の3つにはそれぞれ異なった役割があります。
鉄 分；
一般的に鉄分不足によって引き起こされる貧血を「鉄欠乏症貧血」といいます。
鉄分は赤血球内のヘモグロビンの材料で、そのヘモグロビンを全身に巡らせて酸素を届ける働きもしています。
葉酸；
一方、葉酸は赤血球内のDNA（核酸）を合成し、その働きをビタミンB12が助けることで正常な赤血球が作られます。
十分な鉄分を摂っても、貧血が起こることをご存じでしょうか？
葉酸またはビタミンB12のどちらが不足すると、貧血になります。
この貧血を「悪性貧血」といい、赤血球が巨大化することでヘモグロビンが正常に働かなくなります。昔は原因がわからず、「悪性」と言っていましたが、現在は葉酸とビタミンB12を摂取することで改善されることがわかりました。
血液に関するミネラル、栄養素と言えば、鉄分・葉酸・ビタミンB12の３つが欠かせません。
男性と比べて貧血になりやすい女性は、妊娠中に限らず普段から積極的に摂っておきたい栄養素です。
動脈硬化予防
血液中に含まれるアミノ酸の一つホモシステインは必須アミノ酸の生成に必要なものですが、正常値濃度以上(6μmol/L未満)に血液中に存在すると、血管内に活性酸素が生成され、その結果動脈硬化を誘発させることになります。特に加齢とともに、ホモシステインが生成されやすいため、それを低下(または無毒化・抑制)する葉酸を含む食品を摂取する必要があります。
うつ病やアルツハイマー予防にも
葉酸には細胞を修復する機能があります。細胞は全身に存在するため、脳にある神経細胞も例外ではありません。脳と神経の信号の伝達もまた、活性酸素の増加することで、不十分になり重症化すると、うつ病やアルツハイマー病が発症すると言われています。
まとめ
生命の誕生、そしてその維持に葉酸のはたらきが欠かせないものであることがわかります。昔からある病気から、現代の病気もまた葉酸の不足が原因の一つにあげられています。栄養バランスがとれた食事を摂り、適度な運動を心掛けましょう。
葉酸もまた他の栄養素と同様に摂取または吸収率が悪い栄養素です。次回は葉酸が含まれる食品と効率が良い摂取方法のお話したいと思います。
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