車中泊にとって車は家、です。ただ問題は、しょっちゅう地震に見舞われている家。駐車中は概ね安全ですけどね。

せっかく整理して積み上げた身の回り品が、急カーブ一つ、急でもないブレーキ一つで、そこらじゅうに散らばります。
最悪なのは食べ残したご飯や調理途中の食材、最も悲惨なのは飲み残した焼酎のコップがひっくり返ること。臭いのなんのって...(ー ー;)

・・・という経験を最初は懲りずに何度もしていました。けれど、今はもう、あり得ません!
ではどうしてるのか?

まず、小物類には全て、マジックテープの片割れを底や側面につけて、調理台や運転席のダッシュボードにはマジックテープのもう片割れをたくさんつけています。
これだけで、相当な急加速や減速でも、何もかもが定位置をキープしてくれます。

軽四の車内はもちろん狭いのですが、ボクのムーヴの天井はフェルト地なので、軽いものならマジックテープで天井にくっつけることができます。無重力状態の宇宙船のように、天井が広大な物置スペースになるのです。例えば、クシ、体温計、シャーペンやボールペン、キッチンペーパー、薬のケース、イヤホンのケース、等々...。

コップをマジックテープで固定しても、中身、焼酎は飛び散ります。そこで、容器は「全て」、蓋つきのものにしています。食材は主に、タッパーウェア。
まず小さな蓋つきの水筒(魔法瓶)が3つあります。一つはコーヒー、一つはお茶、一つは酒。
どれも底にマジックテープをつけてますので、駐車中に酔っ払って手が触れた程度では倒れない。夏は氷、冬は温めて、夕方まで温度は保たれます。
車中泊でよく見るのがキャンプ用の食器ですけれど、密閉性が良くない。ボクはご飯もおかずも味噌汁も、全てタッパーウェアで食べています。食べ残してもフタをすればこぼれないし、ゴミが入らないから清潔。
瀬戸物の茶碗やお皿に比べると雰囲気は今ひとつですが、実用性にはかえられない。

朝、出かける前にキュウリを一本スライスしてタッパーウェアに入れて塩を振りかけてフタをして、で、シェイクして助手席に転がしておきます。昼には塩がしみ込んでいますので、絞ってマヨネーズをかけてフタをしてシェイクして、でバターを塗った食パンにのせて食べる。んまい!
残ったらフタをして酒の肴。
パンはパンで朝バターを塗ってタッパーウェアに入れておけば、ひっくり返しても安全だし、食べながら運転(自己責任!)だって、できないことはない。
(タッパーウェアに雑炊を入れて、信号で止まるたびに蓋を開けて食べたこともある...。
運転中の携帯電話は禁止されてるけど、運転中に雑炊を食べてはいけない、という規定はない!)

かつお節に醤油を均等につけるには、かつお節をタッパーウェアに入れて醤油をかけて、で、シェイクすればいい。手が汚れずかつお節が飛び散らず、均等にしょうゆ味がつく。その他、タッパーウェアは実に多用途だし、車内を汚しません。繰り返しますが、食べ残しの処理がフタをするだけ、というのは感激ものです。

助手席の雑炊がひっくり返っても平気、って、夢のようでしょ♪
・・・ま、そんなところにそんなものを置かなければいいだけのことだけど。かしこいパック 角型M-5個組 1732/イノマタ

¥562
Amazon.co.jp

道の駅で車中泊を行っている人を見ていると時々、もちろん人はみんなそれぞれ考えが違うからボクの考えで判断するべきじゃないとは思うものの、やっぱりどうしても好きになれない行動があります。

道の駅は基本、車で旅する人たちが休憩したりトイレに行ったり水分や食事を摂ったり、旅先の名物やお土産を買ったりする場所です。つまり、他所であり、我が家ではないのです。当たり前のことですが。ホテルに例えると、ロビーに相当するところ。

泊まる部屋の中なら寝間着でスリッパを履いてうろついたり洗面所でパンツを洗ったり歯を磨いたり、ゴミを撒き散らしたりしても、また外に聞こえない程度になら酔っ払って騒いでもいいでしょう。でもロビーでは、あなたなら、します...?

ところがそんな人が実に多いのです。

もちろん車中泊は宿泊ですから、ホテルの部屋の中で許されるいろんなことは、しないわけにはいきません。ではどこで行うか?
もちろん、ホテルの部屋に相当する場所、つまり、「車内」で、です。
そこだけでしか許されないのです。
その意味で、生活、は、全て車内でおこなえなければいけない、のが道の駅での車中泊の基本だと「ボクは」思います。
といってもトイレだけは使わせていただきますけれど...(^_^;)

ただ、トイレで洗面、歯磨き、洗濯、食器等の洗浄は、してはいけない。
そして、それらは「ボクの場合」、全て、軽四の車内で行えるようになっています。できもしないことを言っているのではないのです。

これらの作業に共通するものは、水。
まずボクの車の小さな調理台には直径10センチの漏斗が埋め込んであり、その水はホースで2リットルのペットボトルに導かれます。これだけの容量があれば一週間程度の生活排水が溜められます。

水を最も多く使うのは歯磨き。コップ2杯程度。それ以外はラーメンの残り汁を捨てるくらいで、洗面も食器洗いもほとんど水を使わないし、従って排水も出ません。
ではどうしてるのか?

アイテムは水を入れたスプレー容器(霧吹き)と、キッチンペーパーあるいはトイレットペーパー。
顔でも食器でもカトラリーでも、これでひと吹きして、紙で拭い取ればおしまい。
食器やカトラリーの場合は状況によりこの工程を何度か繰り返す。別の小さなスプレー容器には台所用洗剤を薄めた水と、無水アルコールが入っていて、適宜使用します。
スプレーのひと吹きは、たっぷり吹いても1~2cc。拭き取った紙はしばらくすると乾いてしまうので調理台等の拭き掃除に再利用したりして、何度も使えます。したがってもちろん排水は出ない(正確には、蒸発する)。
もちろんこれは山歩きで行うやり方です。アウトドア好きの人にとっては日常のこと。
人によってはみみっちいやり方だと思われるでしょうけれど、これらは全て、「車内で行う」ことです。ロビーでみんなに見られるものじゃない。
そうして、例えば汗をかいたら「車内で」裸になって(見られない工夫をして)霧吹きで体に水をかけて、紙で拭き取ると実にさっぱりします。水を浴びるのと違って寒くないし。あと介護用の濡れ紙タオル(ギャッツビーのような)は実に気持ちよくなります。

そのあとヒゲを剃り、髪をなでて、小ぎれいな服に着替えて、

・・・外(ロビー)に出て行くのです。
フルプラ ダイヤスプレー ピストル型 500ml No.500/フルプラ

¥730
Amazon.co.jp

ムーヴは車中泊には適さない...らしい。
検索で相当上位に来るサイトで、ムーヴについてそう書かれています。他のサイトを見ても、軽四ならせめてワンボックスとか、いわゆる箱バンでないと十分な空間を得られないとのこと。
一方で、或る車中泊のプロ(?)のサイトには、車中泊のスタイルは人によって違うので一概にこうと言った結論は書けない、という記述もあります。ボクはこの意見に大賛成!

ボクはこれからこのサイトで、ボクの大好きな車中泊という形態での「旅行」について書くつもりだけれど、そしてその中でボクなりに考えた最高の結論について書くつもりだけれど、上記したとおり、「あなたにとって最適解である」という保証はないです。
あくまでも、「ボクにとってはこれが良かったんだけど...」というレポートでしかないです。そのつもりで読んでください。

ではそんな「ボク」とは何者か?その背景を語らずにボクの選択を話しても意味はない、ということで...。
ボクは数年前に田舎町の地方公務員を定年退職して現在は再任用という形で元の職場で月火水の三日勤務で働いています。その結果、この三日を年休で埋めると11連休が比較的楽にとれます。その程度の暇の持ち主です。
この勤務形態は65歳までで、それ以降は晴れて一年中暇な身の上になります。
ただし、年金暮らしとなるのでお金はとても乏しい。
カミさんは庭いじりが趣味で車中泊に興味は全くなく、その代わりボクが何処へどれだけの期間行っても放任しておいてくれます。
そしてボクは単身赴任生活が長くて、カミさんに頼らなくても自炊の作業は不自由なくできます。
ですからボクはもっぱら「一人で、乏しい小遣いをやりくりして」車中泊を行っています。
そしてゆくゆくは一年を通じて車中泊を楽しむつもりです。
これがボクの判断基準の元となっている条件です。

さて車中泊に使う車の選定について、です。
大抵の人は本格的なキャンピングカー(トレーラーとかも!)や、いわゆるバンコン、といった、おおきなくるまが大半を占めているようです。
もちろん車が大きければ大きいほど、「家」としての快適さは上がります。でも、
それに反比例するように、「行動範囲は小さくなる」のです。
郊外の、整備されたオートキャンプ場に、家族や友達を連れていって、テントやタープを張って、テーブルと人数分のイスを置いてバーベキューでもするとしたら、持って行く道具だけでも軽四の車内には収まらない。だから大きい車がいい。こんな楽しみ方なら。

ところが例えば、岬の先っぽの、狭く曲がりくねった未舗装道路の向こうにある小さな漁港とその周辺のひなびた漁業集落を訪ねることは、不可能なのです。
基本的に二車線道路でなければ不安で走れない。だから、そんなところを訪れたい人は、この手の車は、買ってはいけないのです。
ボクはまさにそんなところを訪ねるのが好きなのです。

ということでボクの車、ダイハツムーヴ、フツーの軽四。ただし悪路や雪道走行のためにフルタイム四駆(なんちゃって四駆とも言う)で、冬の間は四輪ともスタッドレスをはいて、念のためにチェーンも積んで、スコップを屋根に載せています。

そんな狭い車で寝られるのか?はい。かろうじて。
助手席側座席をフラットにして、といってもフラットになんかなりませんから、コンパネ(化粧合板)を現場合わせで切って敷き詰めて、その上にキャンプ用の銀マットレスを敷いて固定、その上に寝袋を敷いてその中で寝るのです。長さ170センチ、幅60センチ。狭い!と思われるでしょうけれど、ボクの体はこの寸法以内ですので、全く問題はありません。いつも熟睡しています。

こんな狭い車の中にどれほどの荷物が入るのか?
まず助手席側後部座席の床に、110Ahのディープサイクルバッテリーが2個と、ソーラーチャージコントローラーと120Wのインバーター(12Vを100V交流に変える装置)、
運転席側後部座席の床には小型のプロパンボンベとガス炊飯器とペットボトルの水といいちこ(^_^;)、
運転席側後部座席の上には日曜大工で作った収納付きの調理台兼テーブル、
最後部の荷室には着替え、クーラーボックス(コンビニで買った板氷を入れて冷蔵庫に)、そして三脚とフィールドスコープと7×50ミリの双眼鏡と折りたたみイス一つ、あと雑貨用の箱と調理道具用の箱、
車の屋根には140Wのソーラーパネルと荷物入れと、日よけ用のすだれ。
調理テーブルの収納には1週間は補給しないでいられる食料が入っています。
大まかにいってもその程度のものは積み込めるのです。この車で車中泊は、立派にできます。

・・・狭い場所に入って行くだけなら軽の箱バンでもいいし、その方がはるかに収納力があるのじゃ?

実はこのページで「ボクの場合は」と主張したいのはまさにそこなのです。

箱バンやワンボックスカーではまず第一に、走行時の快適さが違います。
車中泊用の車は、泊まれるだけではなく、走れなければいけないのです。できれば快適に、長距離を走っても疲れないで、高速道路でもゆとりを持って。
・・・それが一つ、
そしてもう一つは、燃費。
この車は少し気をつけて走行すれば、20Km/Lで走れます。箱バンやワンボックスカーではこうはいかない。
年金生活で一年中旅を続けるには1日あたりどの程度の出費に抑えるか、それが一番大きな制限になります。
この車では、相当荷物を積んで、屋根には空気抵抗の大きいものを固定して、それで燃料費込みで一日あたり25百円程度に収まっています。
消費税が上がるという状況で、燃費は車を選ぶのに目をつぶっていては絶対いけない条件です。
・・・ボクにとっては。