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あろひろし観察記

嫁から見た漫画家・あろひろしの観察記です。


我が家は、ほぼワンフロアをあろさんの仕事場として使っています。
(居住空間はまた別にワンフロアあるけど、広さとしてはほぼ仕事場=居住空間です)
あろさんが若くて仕事量も多くこなせていた頃は、「ほぼ」ではなく、完全にワンフロアを仕事場に使っていたし、何なら居住空間も仕事場の一部に使っていたそうです。

現在はアシスタントさんに泊まり込みでお仕事をお願いすることは無いので、少しずつ仕事場フロアについては断捨離してきました。
泊まり込みが無いんだから、二段ベッド×2なんてもう不要じゃん…。

断捨離したぶん、わたしのモノを置くようになったので、プラマイで言うと全然変わってないんですが、そこはご愛嬌ということで。

で、あろさんの仕事場環境なんですが。
梅雨から夏場の台風シーズンにかけてが一番悩ましいのです。
お察しの通り、「湿気」がひどいのです。

あろさんの原稿は完全アナログです。
デジタル環境も整えてはいますが、使いこなせていません…。
たっかいお値段の液タブやらソフトやら、iPadやら、何十万円も払ったんだから、少しは使えやと言ってますが、本人にやる気が無いのに、無理矢理やらせることはできません。
そんなわけで、アナログ原稿のままです。

そして、アナログ原稿ということは、紙です。
紙原稿にとって、湿気は大敵。
なのに、あろさんは自分から「除湿器が欲しい」とは、言い出さないのでした…。

居住フロアでは寝室の湿気がひどく、わたしがたまりかねて、コロナ以前の数年前から除湿器を使うようになりました。
すごいよ、除湿器!たくさん水がたまるよ!
モノに名前をつける癖があるわたしは、寝室の除湿器に「ジョスイ・ド・カーン」と名付けて、毎日ジョスイのお世話になっておりました。
ジョスイはとってもいい子で、働きものでした。
しかし、さすがに経年劣化か、スイッチが入らなくなってしまい、2代目ジョスイを迎えることにしました。


迎えた2代目ジョスイは↑上記のこちら。
初代ジョスイより、ほんのひと回りほど大きくなりましたが、性能その他は初代に劣らず、というかさらに改善されています。
2代目ジョスイも長く頑張ってくれるといいな。

で、2代目ジョスイを迎えるにあたり、あろさんに「ジョスイは双子で迎えますか?仕事場にもジョスイは必要ですか?」と聞きました。
そしたら、自分からは欲しいと言わないのに、わたしが水を向けると「欲しい」とあろさんは言ってきます。
まあ、確かに結婚当初から、湿気がひどいとペンが乗らない、仕事のペースが落ちるとは言ってたしなあ、と思い出し、2代目ジョスイは双子でお迎えしました。
名前はジョスイとゲースイになるのかしら?

今後のゲースイの活躍に期待してます。
それで、あろさんの仕事のペースが上がるなら、安いものです。
いやホント、デジタル環境整備にかけた金額からしたら、ゲースイなんてカワイイものだよ…。

頑張ってね、ゲースイ!


【おまけ】
「頑張ってるわね、ゲーシー。さすがはジョシーの妹だわ」
「ノーノー、わたしの名前はゲースイよ」



本日、4年ぶりに江戸川花火大会が開催されました。
コロナでずっと中止になっていたんですよね。

さすがにあろさんも還暦を超えて数年、わたしも今だにしつこくコロナ後遺症が残っていて、2人とも体力的な問題があり、河川敷まで行くことはしませんでしたが、あろさんと2人で我が家の屋上から花火を鑑賞しました。

あろさんと結婚して、このおうちに住むようになって、花火大会が屋上から見られるというのは、嬉しいおまけでした。
まあ、おうちの間取りや細々した不便については散々文句を言ってますけどね…。(あろさんが独身時代に建てたおうちなので、"おひとりさま仕様"の間取りなのです…)
戸建てなのに、複数人で暮らすことを考えた間取りでは無い…。


あろさんには、おうちを建てる前に、上記作品を読んでおいて欲しかった…。
この「やっちまったよ一戸建て‼︎」は、まんがとしてもおもしろいことはもちろん、実用書的にも使えます。と思います。

それはさておき花火大会。
開催日程をすっかり忘れていて、花火が打ち上がる音が聞こえてきてから、「今日、花火大会じゃん?」と気がつきました。
昼間のうちに気がついていたら、おつまみのひとつふたつ用意出来たのに、残念でした。
風が強かったので、おつまみを用意しても、飛ばされたかもしれないけど(笑)。








あんまり良く撮れてないけど、実際に見るともっと綺麗です…。写真下手…。


今年のプログラムは以下の通りです。

実際に河川敷までは行ってないから、区切りがどこなのかは、よくわからなかったですけども。



ところで、我が家の屋上には、花火が見える方向に物置が設置されています。

この物置はほとんど使っていないので、近いうちにいずれ撤去したいと考えています。

そして、花火大会のときには、物置が設置されていた場所に簡易テーブルや椅子を用意して、ゆっくり鑑賞できるようにしたいなあと思ってます。

それが出来たら、お友だちを呼ぶこともできるかなあと。希望。野望。


花火大会は雨天中止の一発即日勝負なので、後何回あろさんと一緒に見られるか分かりませんが、一回でも多く楽しめたらなとは思います。

うん、そのためにもあろさんの生活管理できるだけ頑張ろ…。





以前、こちらの記事 GUCCI愚痴 でも、あろさんの時間感覚は異常で、非常にわたしは困っている、ということを書きました。


あろさん自身が異常だと自覚しないことには、どれだけわたしが言って聞かせて、改善策を提案しようが、あろさんは実践も実行もしないので、徒労に終わってしまいます。

と言って、わたしが口を出さずにあろさん本人に任せておけば、あろさんは最後まで自分の責任においてやり切ることは出来ず、わたしが後始末をすることになるので、それはそれで困ります。

結局、その都度その都度、わたしがカミナリを落とすことになります。


人を叱ったり諭したりすることはとてもエネルギーを使うので、わたしにとっては、出来れば人生において避けて通りたいことのひとつです。

喜怒哀楽のうち、わたしが一番避けたいのが「怒」です。これ、ホント嫌。心底嫌。

自分が怒るのも嫌だし、人が怒られてる近くにいるのも嫌です。

その人なりの考えや価値観があってやってることなら、余程の問題が発生する予測可能性が無い限り、誰かが口出しする必要は無いし、その人の裁量権限と責任においてやってくれればいいだけの話だと思ってます。


というか、「仕事でも無いのにそんなことやってらんねーよバーカ」というのが本音。

もっと本音で言うなら「仕事でもやりたくねーよバーカ」かな(笑)。


しかし、あろさんの場合は「仕事に直結する」というのが、わたしの頭を悩ませてくれるわけです。




というわけで、上記の本を買って、あろさんに「読んでください」と渡してみました。


「小学校では学べない」というタイトル通り、児童向けの本です。ページ数も少なくて薄いし、図も多くて、簡単な言葉で説明されているので、分かりやすいです。

あろさん曰く、今現在で半分と少しまで読み進めた感想が「なるほど、嫁ちゃんが言ってたことが理解できた気がする。嫁ちゃんが言ってたこと、たいてい書いてある」でした。

「元々、自分は聴覚記憶が苦手だとはわかっていたけど、こうして文章になっているのを読み返すと、なるほどなあと納得する」そうです。


うん……だから、わたしに叱られたことは後日ノートに「①叱られた原因・事実②なぜ叱られたかの理由③今後の改善対策」を書いて、定期的に読み返すようにと何度も(以下略。


この本はわたしも熟読した上で、わたしがあろさんに散々注意してきたことに該当するページに付箋をつけて渡したかったです。

「特に熟読するように」という意味合いをこめて。

ただ、そこまでする余力が今は無いので、そのままあろさんに渡しちゃったけど。


まあ、あろさんが人生60年以上生きてきて出来なかったことが、数日で出来るようになるとも思わないので、今後も折に触れて叱るんだろうなあと思いますが、それであろさんが成長してくれるんなら報われます。

頼む成長してくれ。





前回の記事のために「優&魅衣」8巻を読み返して、ついでにもうひとつ思ってたことを書いておきます。


こちらには、前回の「道尾幸司物語」の他、「優&魅衣」番外編「カーテン・コール」も収録されてます。
「カーテン・コール」は、ほぼ小倉さんと真理さんが結婚するまでのお話です。
最後に、優と藍ちゃんの娘・羽衣ちゃんが出てきたり、新入りくんが出てきたり、「優&魅衣」本編の数年〜数十年後くらい?のお話となっています。

脱線しますが、羽衣ちゃん(ういちゃん)は、weのういちゃんなんだそうです。
いつだか忘れたけど、前にTwitterでツイったと思うんですが、わたしはoui(フランス語のyes)でういちゃんだとずーっと信じてました。
結婚してもずーっと信じてました。
確か令和になってから、あろさんに「羽衣の名前は英語のweが由来だから」と言われて、勘違いしていたあまりのショックに三日三晩熱を出して寝込んだほどです(うそ)。
でも、Twitterにいる皆さまは、優+藍=羽衣(you+I=we)だと、自然に受け止めていたようで、わたしが少数派だということに、再度ショックを受けました……。
思い込みって怖いですね……。

で、最後に出てくる新入りくんです。
「不動産屋の話だと、なかなかおもしろそうな少年らしいぞ」という優のセリフがあります。
そして、イワトビペンギンをつれた少年が矢荷成荘の扉を開ける、というところで話は終わっています。
わたしは、このラストシーンについては、実はイワトビペンギンが主人で、少年が従者、いわゆるおつきのSPなのかなと思ってました。
イワトビペンギンの風貌ではあるものの、実は由緒正しい皇帝ペンギンで、日本の皇室や英国の王室のような、やんごとない血統のペンギン最後のお世継ぎとして、血統を絶やさないために少年が命に変えてもお守りする使命がある……みたいな感じです。
迷子ちゃんが矢荷成荘に入居したのも、木を隠すなら森の中、という理由でしたし。
ていうか、なんで数十年後にもマイちゃんは矢荷成荘にまだ住んでいるんでしょうね……?
まだ独身だからそのまま住み続けてるんだろうけど、綾町家のお嬢様なんだから、年齢的にはもう結婚して退去しててもいいんじゃないのかな……?
(藍ちゃんが補導されたマイちゃんを迎えにいくシーンがあるので、マイちゃんに配偶者がいるとは考えにくいと思います。補導されたら、たいていはまず近しい家族に連絡がいきますよね?)
まあ、少年とペンギンについては、ただのわたしの戯言です。
あろさんに前述のことを伝えたら、「そこまで考えてないです」と言われました。
……考えてろよ、チッ。

もし同じような展開を考えていた方がいらっしゃいましたら、教えてください。
わたしの想像力は、ごくごくありふれたものなんだと反省します。


【あろさん豆知識】
ペンギンというと、イワトビペンギン、コウテイペンギンが有名ですが、オウサマペンギンというペンギンもいます。
オウサマペンギンという名称を名づけた後に、オウサマペンギンよりも体格の大きなペンギンが発見されて(それがコウテイペンギン)、王様よりも上なんだから、皇帝だろうとのことで、コウテイペンギンという名前になったそうです。

マイナー過ぎてわたしは知らなかったよ、オウサマペンギンの存在……。
東京23区近郊の水族館にはいないよね?オウサマペンギン……。



わたしがあろさんのまんがを最初に読んだのは、どの作品だったか覚えていません。
「とっても少年探検隊」の「好きゃな〜ず」はゼッタイ雑誌掲載時に読んだ記憶がありますが、その前のアリゲーターシリーズも文庫本を持っているので、読んでいたと思います。
なので、あろまんがとのファーストコンタクトが何の作品だったのかは覚えてません。

「とっても少年探検隊」は2巻もあります。
「好きゃな〜ず」は1巻収録です。
こちら、集英社漫画文庫版が、あろひろしの初の本です。
単行本サイズ(新書版サイズ)ではなくて、文庫本サイズというのが、時代を感じますね。

その後、「ぶぎ♡うぎアリゲーター」は装丁を変えて、再度出版していただきました。

というように、わたしはまあまあ古い時代から、あろひろし読者だったと言えると思います。
あろさんのデビュー作を覚えてるかというと、自信がないんですけど、もしかしたら読んでたかもなあ、くらいにはあやふやです。
なぜなら、あろさんがデビューしたとき、わたしまだ人生ヒトケタなんです。やっとランドセルの重さに慣れてきたくらいの時期です。
さすがに、そこまでの記憶力は自信がありません……。

単行本化された作品は、(結婚前に)だいたい読んでいました。
この作品は知らなかった!というのは、たぶん片手におさまると思います。
そのわたしが、あろ作品の中で、最も荒唐無稽で全く含蓄が無い、ただ勢いとハッタリだけで、よくぞ描けたものだと感心するのは、間違いなく「優&魅衣」外伝「道尾幸司物語」です。

「道尾幸司物語」は単行本8巻に収録されてます。

そもそも道尾幸司は、サブキャラクターのメインでもないし、本当に、ただの通りすがりと言ったらなんだけど、基本的に本編には全く関係無い位置付けのモブキャラクターです。
「優&魅衣」のサブキャラクターのメインで、まあ、池内朱人芽丸とか魔院美影、相夢由和あたりの位置付けの外伝なら、まだわかります。
道尾幸司は、本気で本編には全然関係無いキャラクターです。
それでいて、ここまで荒唐無稽で全く含蓄が無い外伝を(2作品も)描くとは、なかなか考えられないと思います。
わたしはこれまでの人生において、割とまんがに重きを置いてきた人間だとは思いますが、それでも、ここまで荒唐無稽で全く含蓄が無いまんがは他に読んだ覚えがありません。
他の漫画家さんで、ここまで荒唐無稽で全く含蓄が無いぶっ飛んだ作品を描いた方っていらっしゃるかなあ……わたしの知る限りでは、存じ上げません。
読んでるときはおもしろいんですよ、笑えるんです。いちいち小ネタが効いています。
でも、読後感として、何かを得られるかというと、全くそれが無いんです。
だから、ストーリーについても説明できません。
「読んでください」としか言えません。
……と、考えると、実はあろさんは天才なのかと思ってしまいます。
天才なら、もう少し製作速度を上げてほしいものですが。切実に。

というわけで、もし「道尾幸司物語」をご存知ない方、どれだけ馬鹿馬鹿しくて、全然人生の道標にもならない、全く無駄におもしろいだけのまんががあるというのを確認するために、ご一読いただけますと幸いです。

ホンットーに、全く含蓄無いから!ただ勢いだけのまんがだから!
もし「ここは自分には、ためになった」という部分がありましたら、教えてください。
わたしが反省します。