ELEMENTS OF STYLE -5ページ目

フレンチアイビーなコート

 

先日入荷した、BEAMS Fのオリジナルのナイロンバルカラーコート。

 

 
イタリアのリモンタ社の生地を使い、袖は一枚袖でアンブレラヨークも付けました。


カジュアルなナイロンのバルカラーでも、いっさい手を抜かないのがBEAMSのモノづくりです。
 
 
スプリングコートと考えると薄手のコットン素材もたくさんあるのに、なんでナイロンなの? と思われる方も多いと思います。


実はこのコート、今は無きパリのセレクトショップ MARCEL LASSANCE で90年代に定番として展開されていた英国製のナイロンのバルカラーコートをオマージュして作りました。
 
 
この画像は私が1993年にパリに出張に行った時に撮った、マルセル ラサンスのディスプレイです。
 
 
これがそのコートです。
 
 
聞くところによるとこのコート、当時英国の警察官が着ていたポリスマンコート(雨天用の雨合羽?)にマルセルラサンスのネームを付けてオリジナルとして販売していたそうです。
 
 
なので、素材の良いナイロンを使っていたわけでもなく、ただのナイロンのバルカラーでした。
 
 
当時マルセル ラサンス本人が少し大きめのこのコートをジャケットやスーツの上に羽織って、颯爽とパリの街を歩いているのを見て、洒落ているなといつも思っていました。


実は、このコートをオマージュして作ったのは2度目なんです。
 
 
最初は以前 MEN'S EX Online でも紹介した英国製のBEAMS F オリジナルのバルカラーでした。
 
 
このコートの詳細は長くなるので、以前の記事をご覧ください。
 
 
マルセル ラサンス本人が着ていた、ゆったりとして着丈が長いバルカラーがイメージだったので、MとLの2サイズ展開で自分もMサイズを着ていました。
 
 
店舗からはビジネスで着る人が多く、MとLだとサイズが大きいのでSサイズが必要という声があがりましたが、「もともとの意図がそういうじゃないんだよな・・・」という思いが強かったので、店舗の意見をよく聞く自分が珍しく「意図が違うのでSサイズはやりません」ときっぱり言ったのを今でも覚えています。
 
 
今となっては若気の至りでしょうか・・・(苦笑)
 
 
そんな苦い経験もありながらも、当時はよく売れたので数年定番として展開していました。
 
 
その後、英国調の流れやイタリアのクラシックの流れが強くなると、このようなフレンチテイストのアイテムは逆風となり、しばらく忘れられた存在になっていきました。
 
 
それから25年くらいの年月が経ち、昨今のちょっとしたフレンチ アイビーのリバイバルブームを見れば、当時をリアルに知る自分としてはこのコートを復活させるタイミングだと思ったのです。
 
 
当初英国製で作れないかと思いましたが、今や英国にこのようなコートを作るファクトリーもなく、グレンフェルのような本格的なコート工場で作れば、ナイロンであっても10万円くらいにはなってしまいます。
 
 
イタリアで作ると雰囲気が艶っぽくなってしまうので、それもイメージが違い・・・
 
 
そのような経緯もあり、色々考えて末に日本の工場で作った方が雰囲気が良いものが作れるという判断にいたり、このコートが完成しました。
 
 
ゆったりとしたシルエットも長めの着丈もイメージ通り。
 
 
こういうストーリーをお知らせしなければ、ただのナイロンのコートと見過ごされてしまうのかも・・・
 
 
自分にとっては思い入れを持って作ったフレンチアイビーなバルカラーコートなんです。
 
 
今回はサイズも4サイズ、少しゆったり目に着るのがおススメですが、ジャストに着るのは意図と違うなんて言いません(笑)。
 
 
ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
MARCEL LASSANCEと言えば、パリのショップは無くなりましたが、日本で購入することが出来ます。
 
 
特にこのナイロンのモッズパーカは、マルセル ラサンスの代表的なアイテムです。
 
 
今世界中でマルセル ラサンスのアイテムが買えるのはおそらくSHIPSさんだけ。
 
 
色々な経緯があると思いますが、詳しくはSHIPSさんのスタッフにお問い合わせください。
 


 
 

 

 

 

 

OLD ENGLAND 1989 秋冬

 

今は無きパリの名店OLD ENGLAND

 

 

我々フレンチアイビー世代にとっては、生涯忘れることのできないパリを象徴する名店であった事は間違いありません。

 
 
私が持っている資料の中に1989年秋冬のスタイルブックがあります。
 
 
私が初めてパリに行ったのが1989年の9月なので、おそらくその時にお店でもらったものだと思われます。

 

 

今日はそのスタイルブックのスタイリングをお見せしながら、当時のパリの正統派クラシックの名店がどんな感じだったのか、雰囲気だけでも感じとっていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

表紙はオフホワイトのアランセーターにグレーフランネルのコーディネート。

 

 
男性はクルーネックのアランセーターの上にショールカラーを重ね、女性はクルーネックのカーディガンの下にイエローのモックネックを合わせたレイヤードです。
 
 
当時日本でもINVERALLANのアランセーターが大人気でしたが、特にウィメンズはフレンチトラッドのマストアイテムとして90年代に入ってもその人気が続いていました。
 
 
 
 
 
 
スーツのスタイリングはストライプとグレンプレイド。

 

 
グレーのチョークストライプにオルタネートストライプのシャツ、ネクタイはジャガードです。
 
 
ブレイシーズ(サスペンダー)もドットと柄を多用しているので、英国のスタイリングと比べると少し盛った感じもあります。
 
 
 

 

 

 

ブラウンのグレンプレイドに赤と黄色のウィンドウペンの入ったスーツ。

 

 
スーツにちょっと派手目なベストというスタイリングも、当時のパリのショップのディスプレイでよく見られました。
 
 
英国ではNGなスーツにボタンダウンという合わせもフランスっぽいと言うのが私のイメージです。
 
 
ちなみに、当時のOLD ENGLANDのスーツやジャケットは英国のAUSTIN REEDが作っていましたが、二つボタンで肩バッドがしっかり入って襟のゴージが低いという、80年代の流れを反映させたモデルが主流でした。
 
 
BEAMSで80年代に展開していたOLD ENGLANDのジャケットやスーツもこのモデルでした。
 
 
二つボタンのモデルは確かセンターベントだったような・・・
 
 
その後90年代に入ると英国調の流れが強まり、三つボタンのモデルが主流となっていきます。

 

 

 

 

 

 

今で言うテラコッタ色のツイードジャケット。

 
 
シャツとネクタイの合わせがちょっと?ですが、こういうちょっと野暮ったい感じもフレンチっぽいというのが私のイメージです。
 
 
ちなみに、他のショップでも濃い色のシャツに派手なネクタイというコーディネートは当時よく見かけました。
 

ネクタイとチーフはおそらくDRAKE'Sですね。
 
 
当時DRAKE'SはかなりOLD ENGLANDのネクタイを作っていたとMICHAEL DRAKEから直接聞いていました。
 
 
もっとも、当時はほとんどのアイテムがOLD ENGLANDのネームで売られていたので、どれがDRAKE'Sなのか一般の消費者にはわからないことでした。
 
 
”OLD ENGLANDのものなら間違いない” それが1867年創業の老舗の信頼感でもあるので、商品のバックボーンを知りたいというのは日本人以外いなかったのではないかと思います。
 
 
 
 
 
 
綺麗な色のガンクラブチェックのジャケット。

 

 
英国で見るようなクサいガンクラブチェックに比べると、こういう綺麗な色のガンクラブチェックもフレンチのイメージです。
 

ネクタイの合わせがやはりちょっと野暮ったい・・・
 
 
最初のスーツスタイル以外はベストを合わせていますが、当時のフランスはデザイナーズブランドも含めてとにかくベストを合わせたコーディネートが多く見られたので、フレンチ=ベストをよく合せるというイメージを当時持っていました。
 
 

 
 

 

ハウンドトゥースのスーツに黒のタートルのモノトーンコーディネート。

 

 
まだパリに行ったことがなかった時に、先輩達から聞いていたフレンチの代表的なコーディネート。
 
 
これを見ると何故か安心します(笑)。


今見てもパリっぽいと思ってしまうほど、自分にとってはフレンチな雰囲気を最も感じさせるスタイリングなのです。
 
 
今のパリにはこんな人いないですけどね・・・
 
 
 

 

 

 

マルチカラーのアーガイルは、おそらく当時BEAMSでも大人気だった英国のCOGI(コーギー)

 

 
当時アーガイルのニットはパリでも定番だったので、クラシック系のショップには必ず品揃えされていました。
 

当時のOLD ENGLANDはイタリアの製品がほとんど置いていなかったと記憶していますが、このスタンドカラーのダッフルはイタリアのモノのような感じがします。
 
 
柄モノでも無地であっても綺麗な色のニットはやはりフレンチのイメージでした。
 
 
BEAMSのスタッフでイタリア資本になってからのバランタインのアーガイルを古着で探しているスタッフがいると聞きますが、我々世代のスタッフにとってはCOGIのマルチカラーのアーガイルがお宝ニットだったので、このブログの読者の方で古いアーガイルを探している方がいらっしゃれば、COGIのマルチカラーのアーガイルをおススメします。
 
 

 

 

 

カントリーテイストのスタイリングはこんな感じで、英国のそれとは大きく違います。

 

 
英国であればハンティングですが、パリなので油絵を描くというシチュエーションですね。
 
 
左はオイルドコート(おそらくバブアー)右はスエードのキルティングジャケット。
 
 
当時はパリでもオイルドコートとキルティングジャケットが人気でした。
 
 
それにしても、やはりなんとなく野暮ったいですね(笑)。


でも、こういう野暮ったい感じがフレンチっぽいという側面もあるんです。
 
 
 
 
 
 
 

このあたりも自分がフレンチっぽいと思うスタイリング。

 

 
最近はあまり見かけない、タッターソールのベストはブリティッシュの定番。
 
 
当時はBEAMS Fでも英国製のタッターソールのベストを展開していました。
 
 
ツイードジャケットにシャンブレーのシャツに小紋のアスコットタイ。


当時のフレンチはアスコットタイが定番でした。
 
 
これにバルカラーコートと言うのもフレンチっぽいスタイリングですね。
 

左の女性のスタイリングは、今で言うレイヤードコーディネート。
 
 
タートルやモックネックにシャツを重ねジャケットを着るというコーディネートは、最近BEAMSのメンズスタッフの間でもちょっと流行っている?コーディネート。
 
 
 
 
 
 
ウィメンズはフレンチっぽいとも言えますが、メンズは70年代後半頃のアメリカのイメージですね。
 
 
私的には、シャツの上にポロ襟のニットを重ねるのが当時のフレンチのイメージです
 
 
スカーフをベルトの代わりにするというのも、当時ウィメンズではよくあったこなし。


インスタ映えを狙ってメンズでもやる人がいそうですね・・・(苦笑)。
 
 
 

 

 

 

 

今にも通じる、こんな柔らかい雰囲気のスタイリングもあります。

 

 
当時のフレンチのイメージからすると、ちょっとイタリアっぽい雰囲気かなという感じです。
 

男性はカーディガンにタートルを合わせていますが、ニット オン ニットのレイヤードも当時パリで流行っていたコーディネートです。

 

 

 

 

 

 

OLD ENGLANDは子供服も展開していました。

 

 
男の子のジャケットがマオカラーと言うのもフレンチっぽいですね。
 
 
ちなみに、この画像は1989年に私がOLD ENGLANDの前で撮った写真。
 
 
こんな上品でお金持ちそうな家族が買い物をしている光景が普通に見られました。
 
 
 
 
 
 
 
メンズのスタイリングに比べるとウィメンズのスタイリングは野暮ったさがありません。

 

 

 

 

タキシード風に見えるこのスタイリングは、ベストとパンツがコーデュロイなんです。

 

 

カマーバンドに見えるのも白黒の小紋柄のスカーフ。

 

 

このスタイリングを当時見たときは脱帽モノでした。


靴がブラックスエードのモンクストラップと言うのもパリっぽい雰囲気です。

 

 


 

 

 

メンズライクなスタイリングはこんな感じです。

 

 
OLD ENGLANDと言えば、カラフルなカラーのINVERTEREのダッフルが有名でしたが、このダッフルはおそらくGLOVERALL。
 

自分は縄紐とトグルの付いたクラシックなダッフルコートが好きなので、綺麗な色のGLOVERALLがあれば今でも欲しいです。
 
 
 
 

 
裏表紙はこんな感じです。
 

 

イエローのコーデュロイは当時フレンチトラッドの定番でした。


ちなみに、OLD ENGLANDのパンツはBERNARD ZINSが作っていました。


チノパンは2インプリーツのBRUCE、スラックスは2インプリーツのBACが定番でした(全てOLD ENGLANDネーム)。

 

 

 

 

 

 

このスタイルブック、これより前のスタイルブックに比べると、ちょっとスタイリングの雰囲気が変わりました。

 

 

1986年にOLD ENGLANDの近くにRALPH LOUREN大きな路面店がオープンして、それ以降ちょっとラルフローレンを意識したビジュアルが増えたかなという印象です。

 

 

それまでは、クラシックの大型店はパリではOLD ENGLANDしかなかったので、ある意味独壇場だったところに強力な競合店が出来たという感じだったのではないかと思います。

 


我々も ”パリのラルフローレンはパリっぽくてカッコいい” なんて言ってたくらいなので(苦笑)。


ショップスタッフがフランス人と言うだけで、そんなことはなかったんですが・・・


思い込みと言うのは、しばしば間違った認識を生むものなんです・・・(苦笑)。

 

 

 

 

 

 

フレンチアイビーやフレンチトラッドと言っても当時は色々なショップがあり、それぞれテイストが違っていたので一括りにはできませんでした。

 


当時品揃え店で有名なところでは、MARCHEL LASSANCE、HEMISPHERES、HARRIS、ISLAND 等々。


ブランドで言えば、KENZO HOME、HERMES、ARNYS、AGNES B なども注目されていました。

 

 

その中でもOLD ENGLANDはフランスの正統派クラシックのご用達店であったことは間違いありません。

 

 

1867年に創業したOLD ENGLANDも2012年1月に閉店。

 

 

MARCHEL LASSANCE、HEMISPHERES、ARNYSも今は無き・・・

 


我々世代のフレンチは、もはや古き良き時代のフレンチになってしまったのかなと改めて思う今日この頃。

 

 

最近SNSで”フレンチっぽく” というワードを良く目にしますが、ちょっと違うかなと思いつつ、説教と昔話と自慢話はオヤジがしてはいけないことと、高田純次さんが言っているので、あまり触れないようにしています(笑)。

 

 

なので、自分が知る限りの情報はブログやSNSを通してお伝えしていこうと思います。

 

 

フレンチアイビー関連でちょっと面白い雑誌も手に入ったので、それもご紹介できればと思います。

 

 

お楽しみに。

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

玉虫色とオフホワイトのバルカラー

 

年末年始に新潟に帰省した際に、私が高校生の頃に着ていたバルカラーコートが見つかりました。

 

 
 
image
 
JARMAN KAISERという、よくわからない日本のブランド・・・
 
 
ネットで検索すると過去にヤフオクで出品されたトレンチコートが一件ヒットするだけで、そこにもブランドの説明などは一切ないのでどのようなブランドかわかりません。
 
 
実はこのバルカラーコート、当時叔父が営んでいたメンズショップで売れ残ったものを譲り受けました。
 
 
ちなみに、叔父の店ではAQUASCUTUMも扱っていましたが、さすがにそれを譲ってもらうという話には一度もなりませんでした(苦笑)。
 
 
色はいわゆる玉虫色と言われるオリーブグリーン。
 
 
 

 

裏地はバーバリーばりの良い色柄のチェックです。

 

 

いまファッション業界では東北にあるコート工場が有名ですが、業界の先輩達の話では当時(70年代後半)まだ日本にも良いコートを作る工場がたくさんあり、有名でないブランドでも作りのいいコートはたくさんあったそうです。

 

 

そう言えば、新潟の三条市にも良いコート工場があったという話を聞いた事があります。

 

 

なので、このコートも縫製や細部の仕様を改めて見てもしっかり作られています。

 

 

今や玉虫色のコートはBEAMSでも大人気ですが、当時はこのコートを貰っても正直あまり嬉しくはありませんでした。

 


というのも、当時玉虫色のバルカラーを着ているのはオジサン達だけで、新潟でこんなオジサンくさい色のバルカラーを着た高校生はほとんどいませんでした(苦笑)。

 

 

唯一褒めてくれたのはヤンキーな友人達。

 

 

不良の彼らにとっては玉虫色がシブかったらしく結構褒められました(笑)。

 

 

当時高校生でアイビーが好きと言えば、バルカラーはオフホワイトかベージュと言うのが一般的でした。

 

 

これは1979年のPOPOEYEの1/25号ですが、オフホワイトのバルカラーを着ています。

 

 
 

 

 

1978年のPOPEYEのWARDROBE CHECK LISTという特集にもステンカラー(バルカラー)はベージュかオフホワイトがオーソドックスと書かれています。

 

 

 

 

 

なので、自分もオフホワイトやベージュのバルカラーが欲しかったのですが、洋服屋の叔父が ”こっちの方がお洒落だからこれを着なさい” と言われてしまえば従うしかありませんでした。

 

 

そんな事情もあり、家が裕福な友人たちが日本のトラッドブランドのオフホワイトやベージュのバルカラーを着ているのを横目で見て羨ましく思いながら、卒業するまで3年間このコートを着続けました。

 

 

ウールのライニングも付いていないのに、極寒の新潟で雪の日もこのコートを着てハルタのローファーを履いて登校していたのが今となっては懐かしい思い出です。

 

 

高校を卒業して上京した時もこのコートを持ってきましたが、高校を卒業してから一度も袖を通すことはありませんでした。

 

 

その後クローゼットも手狭になり新潟の生家に送り返したところ、父親が着ていた時期もあったようです。

 

 

今では玉虫色のコートが着こなせる年齢になりましたが、このバルカラーを何十年ぶりに眺めていると、童顔だった高校生の私は本当に似合わなかったんだろうなと改めて思います。

 

 

 

 

そしてその後、私のオフホワイトのバルカラーのイメージはアイビーからフレンチアイビーに変わります。

 

 

それを印象付けたのが洋服好きの間では有名なこのアルバムのジャケット。

 

 

スタイルカウンシルのポール ウェラーが着るオフホワイトのバルカラーに憧れました。

 

 

このバルカラーコート、諸説ありますがAQUASCUTUMのものだというのが有力な説です。

 

 

そして、数年前に知人からほとんど着ていないAQUASCUTUMのオフホワイトのバルカラーを譲り受けました。

 

 

 


サイズもピッタリ。

 


オフホワイトのバルカラーコートは最近あまり見かけないですが、偶然が重なりフレンチアイビーが少し再注目されるタイミングで手に入れることが出来ました。

 

 

若い頃のイメージが強く、自分にとってはこの歳になってもバルカラーはオフホワイトなんです。

 

 

 

 

何周か回って叔父がお洒落だと言っていた意味もやっと理解できるようになりましたが、自分が今親戚の高校生や大学生に玉虫色のコートをすすめるかと言えばNOで、”若いのだからもっと綺麗な色のコートを着なさい” と言います。

 


最近は古着ブームもあって、自分から見れば若い人たちが随分古臭いもの着ていると思うことも多いですが、自分のような本当のオッサンに古臭いと言われてもピンとこないのかもしれません(笑)。

 

 

なので、今回のようなエピソードは、ファッション史を難しく語らなくても興味を持ってもらえるかなと思っています。

 

 

人によってはどうでもいい私の個人的な話かもしれませんが、タイミングを見てこんな話もしていこうかなと思っています。

 

 

オフホワイトのバルカラーはいいですよ。

 

 

フレンチっぽく着るにも絶好のアイテム。

 

 

古着屋さんでは綺麗で状態が良いものを見つけるのは難しそう・・・

 

BEAMSでは・・・


すみません。

 


 

 

 

 

 

 

 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラノショールーム TAGLIATORE

 

出張中にインスタライブでもお伝えしたTAGLIATOREの2023秋冬のコレクション。

 

ミラノの新しいショールームへ初めて行きましたが、TAGLIATOREらしい世界観が表現された素晴らしいコレクションでした。

 

 

ライブと重複するところもありますがレポートします。

 


 

 

 

 

PITTIでも多く見られた生成りから淡いグレーのバリエーション。

 

 

もともとTAGLIATOREの得意なテイストですが、今回の出張ではこんな上品な色づかいが多くのブランドから提案されていました。

 

 

 

 

 

ブラウンからキャメルのバリエーション。

 

 

 

ダークブラウンから少しオレンジっぽいトーンになったテラコッタ、そしてキャメルまで。

 

 

これらのトーンはこの数年秋冬の定番ですが、毎シーズン少しずつ変化しながら継続している感じです。

 

 

手前にあったカセンティーノ(ナッピングウール)のコート。

 

 

オレンジに近いテラコッタの色づかいがいいですね。



カセンティーノコートは重いですが、この生地は軽く仕上げてあるのもいいところ。

 

 

イエローやライトブルーなど綺麗な色もあって、とても良いカラーバリエーションでした。

 

 

来秋冬はカセンティーノのような表面感や起毛感のある生地がとても多かったです。

 

 

カセンティーノ好きの私にとってはとても嬉しい流れです。

 

 

そして、ポールの最後尾にはこのチェック。

 

 

ベージュのベースにブラウンとネイビーのチェック。

 

 

大柄ですが色づかいが派手でないのがいいです。

 

 

個人的にかなり刺さった生地です。

 

 

 

 

 

イエローのバリエーション。

 

 

 

イエローもPITTIで多く打ち出されていたカラー。

 

 

TAGLIATOREはブラウンと絡めた打ち出しでした。

 

 

ブラウンにイエローのムートンのボマージャケットと言うのもTAGLIATOREらしいですね。

 

 

ちょっと派手ですが、手前のブルゾンのチェックもとても綺麗な色です。

 

 

 

 

 

 

PITTIでも多く見かけたネイビーブレザー。

 

 

春夏もメタルボタンの傾向がありますが、秋冬もブレザーの勢いがまた戻って来ている印象です。

 

 

ボタンの色と絡めたのか、ベージュとのコントラストをつけた見せ方も良かったです。

 

 

TAGLIATOREは良くも悪くもキャラが立っているブランドなので派手な印象がありますが、実はこういう上品な打ち出しも上手いのです。

 

 

そういう意味ではPITTIの会場の限られたスペースではなく、広いミラノのショールームで全てのテイストを見せられるようになったのは、彼らにとっても私たちにとっても良かったのだと思います。

 

 

 

 

 

 

英国テイストもしっかり展開しています。

 

 

 

特にこのツイードのヘリンボーンの生地が良かったです。

 

 

ベージュとブラウンにグリーンを混ぜたようなライトブルーをミックスして、さらにパープルやイエローやオレンジのネップが入っているTAGLIATOREらしいヘリンボーンです。

 

 

遠目で見ると定番のヘリンボーンで、近くで見ると綺麗な色がミックスされている。

 

 

このへんの感覚はさすがTAGLIATOREという感じです。

 

 

ヘリンボーンのハンティングジャケットも展開していました。

 

 

90年代の英国調ブームの頃にBEAMSでもこんなハンティングジャケットを展開していて、スタッフや顧客様に人気がありました。

 

自分は懐かしいイメージですが、今の人たちには新鮮に映るかもしれません。

 

 

 

 

 

 

綺麗なライトブルーを使ったチェックのバリエーション。

 

 

英国的な臭さが全くないガンクラブチェック。

 

 

ライトブルーの色が映えて、これは個人的にもかなり刺さりました。

 

 

ネイビーとライトブルーにグリーンを混ぜたような絶妙なカラーリングのギンガムチェック。

 

 

個人的にも最近ネイビーとグリーンのカラーリングがお気に入りなので、このギンガムチェックは刺さりました。

 

 

ブラウンのヘリンボーンにライトブルーをミックスしたヘリンボーン。

 

 

TAGLIATOREにかかるとラギッドなツイードのヘリンボーンもこんな感じになります。

 

 

流石です。

 

 

大柄のグレンプレイドにあしらわれたライトブルーのウィンドウペン。

 

 

このコートも目を惹きました。

 

 

今回のPITTIやミラノのショールームを見ると、こんな感じのライトブルーの提案がとても多かったです。

 

 

 

 

 

最近クラシック系のブランドがモードっぽいテイストのラインを展開するのがちょっと流行ですが、TAGLIATOREも70年代や80年代テイストのちょっとモードっぽいラインを提案していました。

 

 

こっちのテイストに振り過ぎて正直 ”危ないな” というブランドもありましたが、TAGLIATOREは振り過ぎずいいバランスで提案していました。

 

 

押し付けない提案がいいですね。



TAGLIATOREのファンがいきなりこれがトレンドですって言われても・・・ですよね(苦笑)。

 

 

そのへんは社長でありデザイナーでもあるPINOがしっかりイメージコントロールをしている印象です。

 

 

 

 

 

 

今回の出張で色々なブランドをチェックしましたが、コレクションの内容はSTILE LATINOとTAGLIATOREが一番良かったです。

 

 

両ブランドのテイストは全く違いますが、どちらのブランドも軸をブラさず新しい提案が出来ていたのが好印象です。

 

 

共通するのが、トップであるVINCENZOもPINOも自ら企画を行い営業も行っていること。

 

 

流れだけでなく現場をわかっている強みが他のブランドとは違っているのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

今日メインコレクションのオーダーもしてきましたが、次の秋冬もいい内容のオーダーが出来ました。



TAGLIATOREファンの皆様楽しみにしていてください。



プライスも頑張っています。

 

頑張っているのは私ではなく左の人。

 

 

このご時勢大幅な値上げをしているブランドも多かったですが・・・


本当に頭が下がります。

 

 





 

 

 

PITTI UOMO 103続報


少し間が空いてしまいましたがPITTI UOMO 103の続報です。






レザーのブルゾンが有名なVALSTAR。



今回のPITTIではレザー以外のアイテムが充実していました。







CPOタイプのオーバーシャツからカバーオールタイプまで、様々なタイプの羽織ものアイテムを展開していました。


このタイプのアウターやジャケットは来秋冬も重要なアイテムになると思います。


多くのサプライヤーがさらに力を入れて展開していました。


上の画像のようにパーカーを合わせたディスプレイも多く見られました。






いつも多くの人で賑わっているGRANSASSO。


今回もコロナ禍以前と変わらない賑わいで、このブランドの人気が伺えます。







やはり綺麗なカラーを打ち出していました。


上段のグリーンはワサビ色と言っていましたが、春夏のトレンドカラーでもあるピスタチオより少し濃いトーンで、今シーズンすぐに完売して色の新色です。


来秋冬も人気は続きそうです。


個人的にはこのアーガイルと下段のノルディックセーター風の柄が刺さりました。





どちらもクラシックなパターンをモダンにアップデートした雰囲気がとてもいい。


日本の展示会で再度チェックします。


値段が高くないことを祈ります・・・





BERWICHのメインディスプレイはコーデュロイのカラーバリエーション。



12色の打ち出しのカラーを並べました。


圧巻のカラーバリエーションです。


ウールはチェックやストライプのバリエーション。







個人的には来秋冬は柄のパンツが気になっていますが、どのブランドもかなり価格が高騰しています。


BERWICHはプレコレクションでは比較的価格を抑えていたので、日本の展示会で再チェックします。


どこのブランドもジャケットみたいな価格になっているので、気に入った柄があれば今シーズン購入しておいた方が良いと思います。





今回のPITTI UOMOでよく見られたのがカセンティーノ風のナッピングウール。








久しぶりにこんな表面感のある素材が戻って来ています。


カセンティーノは個人的にも大好きな素材なので嬉しい流れですね。


リアルなカセンティーノもありますが、柔らかくて軽い素材感のものが多いのも傾向。


生地全体に言えることですが、見た目は重そうに見えて実際に着てみると軽くて柔らかいという生地がとても多かったです。





実はミラノに入ってちょっと体調を崩したので、毎日早めに就寝していました。


いつも食事が終わってホテルに戻り深夜にブログを書いていたのですが、今回はちょっと無理がききませんでした...


なので、ブログの代わりにインスタライブで傾向をお伝えしていました。


アーカイブをアップしましたので、私のアカウントでアーカイブをご視聴頂ければと思います。


お時間ある時に是非ご視聴ください。



PITTI UOMO 103 二日目


PITTI UOMO 二日目は日本人やアメリカ人のバイヤーの来場も増え、かなり盛り上がりを見せています。



BEAMS Fのバイヤーの村瀬も合流したので、二日目のスタートはSTILE LATINO。





ブラックベースにパープルやベージュのウィンドウペンのコート。

STILE LATINOらしい色づかいです。




大柄のグレンプレイドのトレンチコートも洒落ています。


個人的にも欲しい感じですが、素材感も良いので高そう・・・

プライスはミラノのショールームに行った時に聞いてみます(笑)。




白黒のハウンドトゥースにパープルのウィンドウペンのジャケット。



これもかなりいいですね。

生地はツイードに見えますが、タッチも柔らかく軽い生地です。

パープルの色目が抜群です。

STILE LATINOの別注生地は本当に色出しが素晴らしいです。



色の打ち出しはオレンジ、グリーン、パープル、イエローでした。









全体的にはモノトーンと綺麗な色をミックスした絶妙な提案でした。

ミラノのショールームでは更にサンプルが増えるので、またレポートします。





個人的に提案が良かったと感じたのがPIACENZAのブース。















とにかく色の提案とディスプレイコーディネートの打ち出しが素晴らしい。


PIACENZAのニットは品質は抜群に良いですが、シニアっぽいイメージが強かったのでイメージが大きく変わりました。


ブースも賑わっていて業界人たちの注目度の高さも伺えます。


色のバリエーションはかなり多く、やはり来秋冬は色が重要だと感じさせられます。





綺麗な色という流れにおいては他のブランドも同じ。















こんな感じで多くのサプライヤーが色を積極的に提案していました。


初日のレポートにあったホワイト系とはある意味対極的ですが、この二つの色目は間違いなく重要になってくるのではないかと思います。


もうすぐ午前1:00になるので今日はここまで。


素材の特徴等も色々も見えてきたのでまたレポートします。


おやすみなさい。







会場のブースでショートインスタライブをやりました。


アーカイブを残してありますので是非ご視聴ください。



PITTI UOMO 103 初日


PITTI UOMO 103が始まりました。



3年ぶりの参加です。



初日は予想に反して来場者が多くてビックリ。





出展者数は戻ってきていませんが、会場は明らかに盛り上がっていて、コロナ前の初日と比べても人が多い印象です。


日本人は少ないですが欧米人は完全に戻って来ている印象です。






初日はBEAMSチームは自分だけだったので、会場をゆっくり下見をして周りました。



特に目についたのは白や生成りやかなり淡いグレーの提案。



















アウター、パンツ、ニット、コートなどでかなり提案されています。






来場者もホワイト系のアイテムを身につけた人を結構見かけます。

















中にはPITTI用に作り込んだコーディネートかな?とも思えるものもありますが、リアリティーのあるところではホワイトパンツを穿いている人がとても多い事。


ラギッドなアウターにホワイトパンツという合わせも結構見られ、コーディネートは綺麗めに振れてきている印象です。


春夏もホワイト系の流れがあるので、秋冬もその流れが継続するかなと感じています。





初日を見る限りは孔雀系と言われる派手なコスプレ系の人はかなり少なかったです。






でも相変わらずこういう人達ってスナップされるんですよね(苦笑)。


2日目からはもっと増えてくるかもしれませんね(笑)。





それにしてもどこのブースに行っても大歓迎され、本当に来て良かったなというのが実感です。


誰もマスクはしていないし、3密どころの話ではないくらい密で、おまけに咳をしている人が結構多い・・・


ちょっとビビりながらも初日から精力的ににブースを周り、空いた時間はスナップを撮りました。


今日からバイヤーチームと合流して更に細かくブースをチェックしていきます。


またレポートします。









生家にあるBEAMS Fアーカイブ

 

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。



年末年始はいつものとおり新潟の生家で一人暮らしの父親と過ごしていました。

 

夏とは真逆で、寒すぎて食料品の買い出し以外はほとんど外出しないような有様。



時間を持て余すので、家にあるBEAMS Fのアーカイブのアイテムを集めて画像に収めてきました。

 

今回は私の生家にある80年代や90年代のBEAMS Fのアーカイブをお見せしようと思います。

 

 

 

 

 

 

MICHELSONSのレジメンタルタイ

 

 

 

 

 

 
MICHELSONSというブランドを聞いたことがないという方がほとんどだと思いますが、80年代後半から90年代中くらいまでBEAMS Fで展開していた英国のネクタイブランドです。


このネクタイはおそらく80年代後半のものです。
 
 
正統派クラブタイの配色が今見ても新鮮です。
 
 
ステッチがほつれていてこのまま使うことはできないですが、柄が気に入っているので縫い直しをしてまた使いたいと思い、東京に持ち帰ってきました。
 
 
イタリアンクラシックの流れが来た90年代後半以降は、こんなクラシックな英国のネクタイブランドは逆風でしたが、今また正統派なトラディショナルの雰囲気がとても新鮮に感じます。
 
 
 
 
 
 
DRAKE'Sのプリントタイ

 

 

 

 

 

 
色柄の雰囲気から見ると90年代前半頃のものです。
 
 
小柄の小紋とベースのゴールドの色目が当時のネクタイのトレンドを物語っています。
 
 
この当時のDRAKE'Sのプリントは全てマダーのハンドプリントなので、色の深みと滑かな表面のタッチが素晴らしいです。
 
 
自分も当時はネイビーやグレーのスーツにこんなネクタイを合わせていました。
 
 
クラシックな柄ですが、最近はこんな小柄でスペースが狭い小紋プリントは、ネクタイブランドのコレクションでもあまり見なくなりました。
 
 
前回のブログでもお話ししましたが、クラシックなものでも時代性はあるので、その時代性に合わないものは当時と同じ気分でするのは難しいということなんです。
 
 
 

 

 

 

JHON COMFORTのレジメンタルタイ

 

 

 

 

 

 
おそらく80年代後半くらいのものです。


ベースのグリーンの色目もさることながら、ストライプのイエローとピンクの色目が抜群にカッコいいです。
 
 
これは復刻させたいストライプです。
 
 
当時はこんな色目のネクタイがたくさんありましたが、今はほとんど見かけなくなりました。
 
 
このネクタイ、画像を見てもわかりますが、かなりヨレヨレです。
 
 
何を血迷ったのか、父親が洗濯機で洗ってしまいました・・・(苦笑)
 
 
なので、これも東京に持ち帰ってきました。
 
 
代理店さんにお願いして芯地の入れ替えと縫い直しができないか聞いてみようと思います。
 
 
それにしてもこのネクタイカッコいい・・・
 
 
 
 
 
 
JHON COMFORTのレジメンタルタイ
 
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これもおそらく80年代後半のモノです。
 
 
2023年春夏のJOHN COMFORTのオーダーに行った時、80年代のアーカイブのスワッチを見せてもらいましたが、まさにこんなストライプがたくさんありました。
 
 
当時はこんな感じの淡いトーンの色をストライプに使うのが流行っていました。
 
 
今のレジメンタルタイに比べると柔らかい雰囲気のストライプが多かった印象です。
 
 
 
 

 

 

ERMENEGILDO ZEGNAのストライプタイ

 

 

 

 

 

 
ゼニアのネクタイをBEAMS Fでやってたの?
 
 
という方がほとんどだと思いますが、ネクタイだけでなく、ジャケットやスーツ、水着も展開していました。
 
 
私がBEAMSに入社した80年代中頃は、イタリアのクラシックなブランドは日本ではほとんど認知度がなかったので、BEAMS Fでも日本で知名度があるイタリアブランドで最もクラシックな雰囲気を持っていたゼニアをバイイングしていました。
 
 
このネクタイはおそらく90年代前半頃のものだと思います。
 
 
色目が英国のものとは全く違うのが分かります。
 
 
英国やアメリカやフランスのネクタイがバイイングの中心だった時代に、イタリア的な色目が新鮮に感じたということでもありました。
 
 

 

 

 
 
JOHN COMFORTのアスコットタイ
 
 
 
 
 
 
色柄の雰囲気から見ると80年代後半か90年代前半頃のものだと思います。
 
 
上のDRAKE’Sと同様にかなり小さな小紋柄が当時のトレンドでした。
 
 
イエローも流行っていました。
 
 
特にイエローベースのネクタイは女性ウケも良いと言われていました(笑)。
 
 
今は巻物と言えばネッカチーフですが、当時はアスコットタイが一般的で、スカーフをアスコットタイのように巻くというのも流行っていました。
 
 
エルメスやエトロのプリントのスカーフを細長く畳んでアスコットタイのように巻くというのが、フレンチアイビーの流れもあってBEAMSのスタッフや顧客様の間で流行っていました。

 
 
 
 
 
BEAMS F オリジナルのアスコットタイ
 
 
 
 
 
 
タグのデザインから見ると90年代中頃のものと思われます。
 
 
このくらいの年代になるとプリントの色柄がイタリアっぽい雰囲気になります。
 
 
今これと全く同じ色柄のネクタイがあっても違和感はない感じです。
 
 
80年代から90年代中くらいまでは、アスコットタイは定番でBEAMS Fでも毎シーズン必ず展開していました。
 
 
イタリアンクラシックが流行ってからは流れからハズレ、かなり少なくなってしまいましたが、昨今はヴィンテージブームでもあるので、若い人にはネッカチーフではなくアスコットタイをしてほしいなと思うのは私だけでしょうか・・・
 
 
 
 
 
 
 
BEAMS F オリジナル スコットランド製 ラムズウールニット
 
 
 
 
90年代前半くらいのものです。
 
スコットランドのWILLIAM LOCKIE製のオリジナルです。
 
ジーロンラムズウールの2PLYで編まれたニットは、編地がしっかりしていてクオリティーの高さがうかがえます。
 
80年代中頃から90年代前半くらいまではこのWILLIAM LOCKIE製のオリジナルを展開していましたが、その後同じくスコットランドのN PEALのものを展開して、90年代後半になるとあまく編まれた柔らかいイタリア製のニットが人気となり、BEAMS Fの定番のニットもイタリア製になりました。
 
 
サイジングは画像を見ると袖がかなり太いのが分かります。
 
 
当時はこのくらいのサイズ感がベーシックでしたが、をさすがに今着ると昔っぽく野暮ったさがあります。

 
定番にも時代性があるということですね。
 
 
 
 
 
 
 
SALFORDのBDシャツ
 
 
 
 
 
 
SALFORDを知る人は相当BEAMS F通です。
 
 
BEAMS Fをスタートしたした時は色々なオリジナルのブランドネームがあり、SALFORDはオリジナルシャツ用のブランドでした。
 
 
私がBEAMSに入社した80年代中頃は、まだBEAMS FのオリジナルシャツはSALFORDネームでした。


このシャツはおそらく85年か86年のもの。
 
 
当時はこんなマルチストライプやオルターネートストライプのシャツが流行っていました。
 
 
作りやディティールはオーソドックスなアメリカっぽい雰囲気です。
 
 
おそらく今やSALFORDネームのシャツを持っているスタッフはほとんどいないと思うので、貴重なアーカイブかもしれません。
 
 
 
 
 
 
STEPHENS BROTHERSのタブカラー
 
 
 
 
 
 
80年代後半くらいのものです。
 
 
STEPHENS BROTHERSは、80年代から90年代後半まで長く展開していたBEAMS Fを代表するシャツブランドです。
 
 
エジンバラ公御用達のロイヤルワラントを持ち、その後90年代中頃にプリンス オブ ウェールズ(現チャールズ国王)の御用達となり二つのロイヤルワラントを持つブランドでした。
 
 
諸事情があり2000年代に入りブランドは無くなってしまいましたが、BEAMS F史上もっとの長く多く販売したシャツブランドです。
 
 
特にこのスナップ付きのタブカラーは大人気で、80年代中頃から90年代中頃までBEAMS Fの主力商品とも言える存在でした。


今やタブカラーはビジネスでは着られないという声も多く聞きますが、当時はビジネスマンにも大人気でした。
 
 
30年以上経ちクラシックも当時よりは成熟しているはずなのに、何故タブカラーが難しいと思われるのかは、自分自身少し不思議に思うところではあります。

 
 
 
 
 
 
TROY SHIRTS MAKER GUILDのタブカラー
 
 
 
 
 
 
 
 
ネームは外れてしまっていますが、アメリカのTROY SHIRTS MAKER GUILDのタブカラーです。
 
 
80年代後半から90年代前半頃のものです。
 
 
TROYは当時ブルックスブラザースのシャツを生産するファクトリーでした。


ボタンダウンを展開していましたが、ワイドとこのタブカラーも展開していました。
 
 
STEPHENS BROTHERSが主力でしたが、このシャツのように英国のブランドに無いような生地をTROYでピックアップして展開していました。
 
 
このシャツの柄を見て気付くことはありませんか?
 
 
今もBEAMS Fで展開しているシャツでこんなストライプを見ることが多いと思います。
 
 
実は、私的にはこの当時のアメリカのシャツのイメージなんです。
 
 
正直毎回それほど人気はありませんが(苦笑)。
 
 
私的にはBEAMS Fにはなくてはならないシャツなんです。


このストライプ、今見てもかなりカッコいいですが、父親はどうやって合わせていたのだろう・・・

 
今度聞いてみます。
 
 
多分忘れていると思いますが・・・(苦笑)
 
 
 
 
 
 
 
これ以外にもまだまだ色々ありましたが、保存状態が悪いものもあり、比較的綺麗なものをお見せしました。
 
 
今回お見せしたアイテムは私が着ていたものを父親に譲ったものと、セールの時に父親に見繕ってくれと言われ送ったものもあります。
 
 
年金暮らしになった今はジャケットやスーツを着る機会も殆どなくなりましたが、大好きなカラオケの発表会がある時はネクタイやアスコットタイをして出かけることもあるようです(笑)。
 
 
こうやって見ると、生家にはBEAMS Fのアーカイブが結構あるなと改めて思いました。
 
 
父親が洋服が好きだということもありますね。


今はすっかり安物買いになりましたが、選んでいるカジュアルものを見るとなかなかいい色柄のものを選んでいます。
 
 
今回もネルシャツの柄選びとタータンチェックの手袋がとても87歳の老人とは思えませんでした(笑)。
 
 
父親も今年88歳 米寿を迎えます。
 
 
着ていない洋服もたくさんあり、BEAMS Fのアーカイブも着ないなら資料として自分が持っていくからと言っても、まだ着るかもしれないと言います。
 
 
どこに着ていくの?と突っ込みたくなりますが、それも元気である証として良しとします(笑)。
 
 
 
 
 
 
こうやって80年代から90年代のアーカイブを見ると本当に懐かしい気分になります。
 
 
バイヤーとしては駆け出しで、ネットもなく情報が少ない中、洋書を見たり、図書館へ行って服飾の本を読んだり、先輩の話やお取引先様の話をよく聞いて、一生懸命勉強しながら日々バイイングや企画をしていたことが思い出されます。
 
 
今となっては勘違いや思い込みもあったと思いますが、それも含めて今につながる良い経験だったと思います。
 
 
やっぱり基本は大事だなと、アーカイブとそれにまつわるストーリーを思い起こすと改めてそう思います。
 
 
 
 
 
さあ、来週からは3年振りにイタリア出張に行きます。
 
 
戦争のお陰でパリまで15時間・・・


トランジットが4時間半でフィレンツェに着くまで21時間・・・


コロナの感染者も増えているので、ちょっと怖いなと思いつつ・・・


PITTI UOMOがどんな感じになっているのか楽しみです。
 
 
次回の更新はフィレンツェからになります。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

MR_BEAMS CHANNEL 2023SS NAKAMURA NOTE 第二弾アップしました。

 

 

今回はキーワード&カラー編です。

是非ご視聴ください。

 

 

 

 

長く着続けられる服

 

最近お買い物の相談で買おうと思っているものが、どれだけ長く着られるかと言う質問が結構あります。

 

 

どのくらい長く着られるかは人によって年数も違うと思いますが、20年後も着られるかと言えば難しいと言うしかありません。

 

難しいというのは勘違いしてほしくないのですが、20年間ずっと買った時と同じ気分で着続けることが難しいということで、着られなくなるということではありません。

 


これは私の個人的な感覚ではなく、お客様の動向を何十年も見続けた経験から導いた自分なりの答えです。

 

 

今日は私が15年以上持ち続けている服を例に、それが今日までどのように着られてきたかをお話ししたいと思います。

 

 

 

 

 

 

STILE LATINOのハウンドトゥースのジャケット

 

 

 

 

 

 

 

 
スミズーラで2007年の9月に上がってきたので15年前のジャケットです。
 
 
生地は私が好きな英国のMARING&EVANS
 
 
ブラウンのハウンドトゥースにブルーのウィンドウペンは、15年経ったも飽きがこない色柄です。
 
 
タイトなフィッティングが流行り始めた頃にオーダーしたものですが、普通のフィッティングでオーダーしたので今着てもシルエットの古臭さはありません。

 
唯一気になるのはラペルの幅。

 
当時はナローラペルが流行り始めた頃なので、スティレラティーノの定番的なモデルも襟幅が7.5㎝でした。
 
 
15年間着続けましたが、さすがに襟幅が細く感じて、ここ数年は違和感を感じながらワンシーズンに1~2回着るかどうかと言う感じでした。

 
またナローラペルの流れが来るかどうかわかりませんが、長く着続けたジャケットなので断捨離せずにしばらく持ち続けようと思います。
 
 
 
 

 

 

BOGLIOLIのウィンドウペン

 

 

 

 
これも15年以上前のジャケットです。
 
 
当時カシミアの製品染めのジャケット(K-JACKET)を開発し大ブレークしていたボリオリですが、BEAMSも製品染めのジャケットをオーダーしつつ、真逆のフル毛芯を使ったSARTORIAラインのジャケットも展開していました。
 
 
当時はテーラードジャケットと言えば、フル毛芯の本格的な仕立てのものしか許されなかった時代。


イタリアのブランドで比較的買いやすいプライスのフル毛芯仕立てと言えば、MACO(現CARUSO)、GIANFRANCO BOMMEZZADRI、そしてBOGLIOLIのSARTORIAラインくらいしかありませんでした。
 
 
生地がとても気に入ってオーダーしたジャケットでしたが、4~5年着た後に薄い肩パッドが入ったクラシックで中庸なシルエットがなんとなくしっくりこなくなり、そのままクローゼットで眠っていました。


3年くらい前になんとなくまた着られるかなと思い、10数年ぶりにクローゼットの奥から引っ張り出して着るようになりました。
 
 
意外にもイタリア人も含め周りの人たちからの評判が良く、気を良くして最近よく着ています(笑)。
 
 
襟幅は8.5㎝でウェストも適度に緩く、着丈も71㎝なので、見た目は15年以上前のモノには見えません。
 
 
ゴージが高くないのも今の雰囲気です。
 
 
唯一いじったのはボタン。

 

 
形も色も大きさも今ひとつだったので、オーソドックスなナットボタンに替えました。
 

10年くらい着ない時期があっても、長く持ち続けて再度着るようになったという一例です。

 

 

 
 
 

 

 

RAFFAELE CARUSOのカセンティーノのポロコート

 

 

 

 

 

 
2003年にパルマのCARUSOのファクトリーでスミズーラしたものです。
 
 
いつもリベラーノやアットリーニを着ているイタリアのある業界人が、コートは何故かCARUSOを着ていて、何故なのか聞いてみると「フル毛芯で仕立てられた本格的なテーラードコートがこんな価格で作れるんだから着ない手はないだろ」という答えが衝撃的でした。
 
 
当時の日本人的な考え方だと、なんとなくスーツやジャケットと同じ価格帯のブランドでコートのブランドも揃えるのが正しいというような風潮があったのですが、本当にモノが分かる人はブランドでモノを選ばないというのが自分的には驚きでした。
 
 
「俺は高いものは着るけど、何でも高けりゃいいってもんじゃねえんだよ」とガツンと言われたという感じなんです。
 
 
そんな経緯もあり、前から欲しかったカセンティーノの生地でこのコートをオーダーしました。
 
 
パーソナルオーダーしたものですが、自分が着ていて同じものが欲しいというお客様の声もあり、翌年お店でも展開しました。
 
 
途中肩バッドを薄いものに入れ替えたりして2000年代後半あたりまで着ましたが、その後クラシックなコートも細身で着丈が短く軽快感があるものが主流となりほとんど着ることがなくなりました。
 
 
ここ数年コートのシルエットが緩くなり着丈も長いものが戻ってきたので、3年くらい前からまた着るようになりました。
 
 
着丈が99㎝なので、今の流れからすると3㎝くらい短い感じですが、あまり気になりません。
 
 
このコートも10数年クローゼットに眠っていましたが、長く持ち続けて再度着られるようになったというパターンです。
 
 
 
 
 

 

MACKINTOSHのトレンチコート

 

 

 

 

 

 
15年前くらいに購入したものです。
 
 
身幅も着丈の長さも当時クラシックなトレンチコートとしては基本的なシルエットでした。
 
 
スリムなシルエットの流れが来ても気にせず着ていたのですが、さすがに古臭く感じるようになり、10年くらいクローゼットの奥にしまっていました。
 
 
数年前からクラシックなトレンチコートの流れが戻ってきたので、久しぶりに着てみたのですが「何かが違う・・・」
 
 
スリムではないですがゆったりもしていない、95㎝の着丈は今の気分としてはかなり短い。
 
 
ベーシックなアイテムなので、いつかまた着るだろうと思い断捨離せずに持ち続けましたが、クラシックなトレンチコートの流れが戻って来ても今の流れとは違っていました。
 
 
さらに持ち続ければまた着る機会もあるかなと思い、またクローゼットに戻しました。
 
 
一回りして流れが戻って来ても当時と同じ流れではないという一例です。
 
 
 
 
 
 
 
長々と書きましたが、まとめるとこんな感じです。
 
 
・STILE LATINOのジャケットは15年間着続けましたが、さすがにここ数年は古臭さを感じながら着ていました。
 
 
・15年以上前に購入したBOGLIORIのジャケットは、途中古臭さを感じて10年くらい着ない時期がありましたが、最近また着る機会が増えました。
 
 
 
・CARUSOのコートは19年前のもので10数年間着ない時期がありましたが、今また着るようになりました。
ただし、途中肩バッドを変えるという補正を加えて着ているので、19年前と全く同じ状態で着ているということではありません。
 
 
・MACKINTOSHのトレンチは、15年以上前のもので当時のトレンチとしてはベーシックなサイズ感とシルエットのモノでしたが、一回りしてリバイバルしている今のトレンチコートとはサイズ感も着丈の長さも違うので、古臭さを感じてまた着ようという気分にはなりません。
 
 
 
何が言いたいかと言うと、買った時と同じ気分で何十年もずっと着続けるのは難しいということなんです。
 
 
私がずっと着ることはできないと言っているのは、何十年もずっと着続けることはできないけれど、持ち続ければまた着られる時が着るかもしれない、ただし着られる時が来たとしても買った時と同じ気分で着られるかどうかはわからないし、その時の時代性とのずれは多少なりともあるので、それを理解した上で自分が満足できるかどうかと言うことなんです。
 
 
また普通は10年着ない期間があればそこで処分してしまい、ずっと持ち続ける人はかなり少ないと思います。
 
 
私の経験上、私のように流れが変わっても長く持ち続ける人は業界人でも一般の方でも非常に少ないと感じています。
 
 
そして、全てのアイテムが流行りものではなく、クラシックなもので長く着られると思って購入したものばかりなのでなので、なおさらそう思うのです。
 
 
なので、何十年も着続けるのは難しいという持論になるのです。
 
 
今回は一部だけ紹介しましたが、このような10年以上前に購入して着なくなり眠らせているアイテムがたくさんあります。
 
 
古いものでは30年以上前のものもあります。
 
 
また着るものもあれば、何年たっても着ないものもあります。
 
 
長く着るというのは、古臭く感じるようになっても持ち続けられるかどうかと言うことにもよると思います。
 
 
昨今はビンテージブームなので古着を着る人も多いですが、うまく着て似合っている人もいれば、なんとなく古いものを着ているだけで古臭く見えるだけの人もいます。


自分は後者の方が多いと感じています。


着なくなったものはリセールショップに売ってまた新しい服を買うという人も多いので、長く持ち続けることが難しい時代になったのかなと思います。
 
 
そのような状況もあり、お客様も長く着られる服と言う定義がよく分からなくなってきているのかなと思います。
 
 
今回は自分の持論を述べさせてもらいましたが、答えはご自身がどう考えるかということだと思います。
 
 
最近はSNSの発達で色々な情報が瞬時に入って来るので、頭の中がゴチャゴチャになっている人が多いかなと感じています。
 
 
こういう時代だからこそ、正しい情報なのか自分にとって必要な情報なのか判断することが大事です。


言ったもの勝ちのような情報やお金儲けのための発信が多いのもSNS。
 
 
賢い人はすぐにわかると思いますが・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 



 
 
MR_BEAMS CHANNEL中村塾 更新しました。

 

 

BEAMS Fのオリジナルスーツのパンツについて解説しています。

是非ご視聴ください。

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS Fのオリジナルのネクタイを作っている工場に行ってきました。

 

 
ハンドメイドのネクタイの作りについて解説しています。

こちらも是非ご視聴ください。

 

 

 

 

 

 

お待たせしました。

2023春夏トレンド解説動画 ”NAKAMURA NOTE” アップしました。

 

 
是非ご視聴ください。

 

パーソナル オーダー


自分の買い物は自社のものがほとんどですが、それでも毎シーズン展示会で欲しいものがあると個人オーダーします。


自分が欲しいのなら何でもバイイングすればいいという話で、それができる立場でもあるのですが、最近はディレクターやバイヤー達がやりたいものを優先して、自分が欲しいものは後回しという感じなんです・・・
 
 
なので、売れるかどうかわからない個人的な趣味嗜好は、お取引先に迷惑かからない程度にパーソナルオーダーをお願いしています。
 
 
今回はそんな今シーズン個人オーダーしたアイテムをご紹介します。
 
 
 
 
 
 
ERNESTOのブラックウオッチジャケット

 

 

 

 

 

 
エルネストは今はBEAMSで展開していませんが、個人的にはカーディガンのように軽い着心地がとても気に入っていているので、毎シーズン生地コレクションは必ずチェックしています。


軽く柔らかい仕立てのブラックウオッチのジャケットが欲しくなり、エルネストで個人オーダーしました。
 
 
生地は英国のW.BILLのツイード。


ハリスツイードと比べると軽くて柔らかいツイードです。


修正点はウェストシェイプを少し緩くしたかったので2㎝大きくしました。
 
 
最近ウェストシェイプがきついジャケットが苦手なんです・・・


着丈は短めに上がる傾向があるので、71㎝指定でジャストサイズで上がってきました。


袖ボタンは3ボタンで本切羽にはしないつもりです。


理由はカジュアルなジャケットなので4ボタンは大袈裟で、ボタンホールは単純に開いていなくてもいいかなという気分だけの問題です。
 
 
上の画像は赤いボタンが付いていますが、もちろん普通のボタンに変更します(笑)。
 
 
今シーズン出番が増えそうなジャケットです。
 
 
 
 
 
 
BOGLIOLIのK JACKET
 
 
 
 
 
 
K JACKETは15年以上前イタリアンクラシック全盛時にカシミアのジャケットに製品染めを施すという、当時の常識では考えられなかった製品染めのジャケットの大ブームを作り、テーラード業界に革新をおこしたジャケットとして今もファッション業界で語り継がれるジャケットです。
 
 
自分世代のファッション業界人でBOGLIOLIの製品染めのジャケットを知らない人はおそらくいないでしょう。


芯地を全く使わず、接着芯も最小限に抑えながら後染め加工しているにもかかわらず、テーラードジャケットのような綺麗なシルエットが出るのが特徴です。


発色の綺麗なベージュとカーディガンのように軽くて柔らかい着心地が気に入り個人オーダーしました。
 
 
15年以上前に自分がバイイングしていた頃に着ていたので、K JACKETを着るのはそれ以来です。
 
 
一回り以上にして、懐かしさもありつつ今また新鮮なジャケットです。
 
 
 
 
 
 
 
 
VALSTARのドライビングブルゾン

 

 

 

 

 

 
VALSTARのグレージュのようなスエードのドライビングブルゾンを持っているのですが、少し明るめの色が欲しくなり、展示会の時に個人オーダーしました。
 
 
ブルーにグレーを混ぜたような絶妙のカラー。
 
 
こんな色のバルスターを着るのは日本で自分だけかもしれません(笑)。
 
 
リブはもう少しコントラストを抑えたかったのですが、合う色がロイヤル―ブルーしかなく、このマッチングになりました。
 
 
今持っているものが44でピッタリなので、今回は少し余裕を持たせて46でオーダーしました。
 
 
スエードのブルゾンは真夏と真冬以外は着られるので本当に便利です。


ドライビングブルゾンと言うとおり車の運転にも最適です。
 
 
腕が前に出しやすいというパターンも秀逸。


流石ドライビングブルゾンと言えばバルスターと言われるだけあります。


 

 

 

 

 

DOPPIAAのコーデュロイのオーバーシャツ

 

 

 

 
DOPPIAAは個人的に好きなブランドなので毎シーズン必ずコレクションをチェックしています。
 
 
最近は値段も高くなってしまい、なかなかオーダーに至りませんが、今回はコーデュロイのオーバーシャツが刺さったので展示会で個人オーダーしました。
 
 
生地は太畝の親子コーデュロイ。

 

 

 

 
太畝と細畝をミックスした親子コーデュロイは、コーデュロイの持つ野暮ったい雰囲気を中和させる効果があります。
 
 
ジャケットやアウターには最適なコーデュロイだと思います。


オーダーした色はベージュとネイビー。
 
 
ネイビーはかなり黒っぽいミッドナイトネイビーです。
 
 
展示会のサンプルは48しかないので、個人オーダーはサイズが合わないリスクもありますが、それも承知のうえで44でオーダーしました。
 
 
結果的には着丈が若干長いかなという程度なので、お直しで少し詰めて着ようと思います。


このオーバーシャツ、値段も5万円以下なのでBEAMSで展開すればよかったかなと思っています。
 
 
サイズ感、生地、襟の雰囲気、ポケットの大きさ、ボタンの大きさなど、結構気に入っています。
 
 
実は、これ以外にもチェックのブランケットジャケットを個人オーダーしていました。
 
 
上がって来たら2サイズくらい大きくて・・・


生地がかなり好みだったので残念です。


これは皆さんにもお見せしたかった。



 
 
 
 
LA FAVOLAのラップコート
 
 
 
 
 
 
 
 
ネイビーのトレンチコートが欲しくてオーダーしました。
 
 
ネイビーで普通のトレンチコートだとすごく堅い感じに見えるなと思っていたところ、袖のストラップ以外余計なディティールが一切ないこのコートがイメージにピッタリでオーダーしました。


随分前にオーダーしたのに中々上がってこないので忘れられたらかと思っていたら、今年の春先に上がってきました(笑)。


生地は打ち込みがしっかりしていながら、滑らかなタッチで光沢のある本当にいいコットンギャバジンです。


サイズはジャストでしたが、背の低い私には着丈が長すぎたので、お直しで5㎝短くしました。
 
それでも膝下丈なので充分今の雰囲気で着られます。

イメージどおりのネイビーのコートが手に入り待った甲斐がありました。



 
 
 
 
GERMANOの片グルカパンツ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いまBEAMSで展開しているパンツの中で一番シルエットが気に入っているのが、このGERMANOの片グルカのモデルです。
 
 
適度な太さでナチュラルなテーパードのシルエットがとても気に入っています。
 
 
以前個人オーダーして気に入って穿いているデニムが色落ちしてきたので新調したのと、久しぶりにネイビーのコットンパンツが欲しくなり個オーダーしました。
 
 
ちなみに、今シーズン展開している細畝のコーデュロイも購入したので一気に3本購入したということですね。


気に入ると同じモデルで生地違いで何本も購入するというのが自分のスタイルです。
 
 
裾幅は以前は18㎝くらいに詰めていましたが、今回は19㎝にしました。


流行どうこうではなく、シルエットの繋がりを考えたら19㎝の方が自然に感じるようになったというだけです。
 


 
 
 
 
 
DEVOREのブラッシュドコットンのドローコードトラウザース
 
 
 
 
 
 
夏場の休日はほとんどドローコードのパンツで過ごしていたので、秋冬でもドローコードのパンツを穿きたいと思っていました。
 
 
DEVOREはBEAMSで展開しているドローコードのパンツの中で一番ゆったりとしたシルエットなので、個人的にも最も気に入っているモデルです。

 
実は今シーズン展開しているオフホワイトとベージュも購入しようと思っていたのですが、裾幅が少し細めに上がってしまい購入を断念したという経緯があるんです。
 
 
細めに上がった方がお客様には喜ばれるのですが・・・
 
 
ネイビーとデニムをオーダーしましたが、デニムは色が薄く上がってきて残念・・・


薄い色のデニムは結構合わせが難しんです。


生地は厚手のブラッシュドツイルなので真冬でも穿けます。
 
 
ニットジャケットやカジュアルなジャージジャケットと合わせて着ようと思います。






 
MAISON CORNICHONのボーダーT
 
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モックネックぽい感じの襟がかなり刺さり個人オーダーしました。


80年代後半や90年代前半頃はモックネックやオフタートルのボーダーTは結構あったので、リアル世代の私にとっては懐かしさもありつつ今また新鮮なんです。
 
 
自分はオーバーサイズで着ないので、サイズ2で適度なゆとりがあって丁度いいサイズ感でした。
 
 
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生地もしっかりしていながら柔らかさもあるので、洗いこんでいくといい雰囲気になりそうです。


ネックの後ろに伸び止めのヘリンボーンの生地が縫い込まれているのもいいですね。


カジュアルなTシャツでもこういう丁寧な仕様は嬉しいところです。
 
 
これはBEAMSで展開してもお客様に喜んでいただけそうですね。


個人的にはタートルネックもいいかなと思っています。
 
 
代理店さんに提案してみよう(笑)。
 
 


 
 
好き勝手に個人オーダーしているように思われるかもしれませんが、自分が着てお客様に同じものが欲しいと言われたり、スタッフから売れるので展開してくださいと言われたり、バイイングに繋がるケースも今まで多々ありました。


今までこのブログで何度も自社以外で購入したものを紹介して来ましたが、実は皆さんに ”こんなもの個人的に気に入っているのですが、皆さんはどう思いますか” というメッセージでもあるんです。
 
 
なので、個人的な買い物自慢ではないんです。
 
 
ということで、こんな名刺も作ってもらったので...
 
 
 
 
バイイングに至らず個人オーダーしていたものも、お客様にも買っていただけるようにできればと思っています。
 
 
あくまでもディレクターやバイヤー達と一緒にバイイングしたものがメインで、バイイングに至らなかったけど個人的に気に入っているものや欲しいものを紹介していければと思います。


自分はクリエイティブディレクターなので、自分がやりたい事はなんでもできる立場ですが、やりたいものをなんでもやって部下たちがやりたいことが出来なくなるのは良くないと考えています。


なので、じっと我慢することもあるんです・・・(笑)。
 
 
でもたまにはもっと自分の我を通してもいいかなと思っています。
 
 
裸の王様にならない程度に・・・(笑)。
 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
先日のシンガポール出張の際に収録した現地の新聞社の動画がアップされました。